シグナルトークは10月26日、麻雀ゲームと認知症の関係について調査研究を開始したと報告した。これは、全国の介護予防事業などで、麻雀による認知症予防効果が注目され、多くの自治体での実施の結果、効果をあげているケースがあることを受けて、麻雀ゲームにも実際にどの程度の認知機能維持/改善効果があるかを検証するという目的による。研究は、シグナルトークから認知症予防効果FS研究会への研究委託という形で進められる。
今回の研究に先駆けた先行調査では、篠原菊紀教授(諏訪東京理科大学 共通教育センター)の指導の下、NIRS(多チャンネル近赤外線分光法装置)により、オンライン麻雀ゲームMaru-Janのプレイ中と計算ドリル解答中の、脳の活性化状況の測定・比較を実施している。
この実験により、麻雀における複雑な思考は、メリハリのある脳活動につながっており、また部位としては言語野や、情報や記憶を一時的に保持し組み合わせて答えを出す機能(ワーキングメモリ)が活性化していることが判明している。
この先行調査の結果を受け、Maru-Janが認知症予防に役立つかもしれないという予測の元、より詳細な調査を開始することになり今回の発表へと至った。
今後、麻雀と認知症のはっきりした因果関係を証明するために、約2〜5年と継続的にオンライン麻雀ゲーム Maru-Janのユーザー5000人、および麻雀をしないネットユーザー5000人にオンラインテストを受けてもらうなどの協力を呼びかけ、調査・研究を進める予定とのこと。おもに、「Maru-Janユーザーと非ユーザーの認知機能を比較する」「高齢の初心者ユーザーがMaru-Janを続けることで、どう認知機能が変わっていくのかを追跡する」「Maru-Janユーザー、非ユーザーを数千から数万人について、その生活習慣、認知機能、健康状況(発病含む)を、5〜20年程度追う」といった3点で研究が進められる。
なお、10月26日よりウェブサイト上で、前頭前野いきいき度チェックを受けることができるようになっている。テストは、文章を読んで簡単な質問に答えるだけのもので、終了後すぐにテスト結果が分かるようになっている。今回のテストは今後の研究を進めるためのプレテストという位置づけであり、認知症危険度についての判断はできないものとのこと。
認知症の患者は現在、約220万人ほどいると言われており、これからの高齢化によりさらに問題は深刻化すると言われている。こうした研究が「高齢化社会を日本の強みに変える」ための助けになればとシグナルトーク代表の栢 孝文氏は語っている。
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