「メガネは、なし」──ニンテンドー3DSとバーチャルボーイの教訓
3Dにトライするならメガネはなしと決めていた──と宮本茂氏。任天堂「社長が訊く」で、バーチャルボーイからニンテンドー3DSに至る3Dの取り組みが語られている。
任天堂のWebサイトで「社長が訊く『ニンテンドー3DS』」が公開された。岩田聡社長と宮本茂専務、糸井重里さんが、2月26日に発売予定のニンテンドー3DSについて語り合っている。
昨年6月、ニンテンドー3DSを初披露したE3で、岩田社長は「「15年前に『バーチャルボーイ』を発売した任天堂は、新ハードを企画する際に3Dは常に念頭にあった」と話した。今回の「社長が訊く」では、「商業的にいえば、失敗したと思います」(岩田社長)というバーチャルボーイについての反省を交えながら、ニンテンドー3DSという形で実現した任天堂の3Dへの取り組みが語られている。
宮本専務はバーチャルボーイについて、「おもしろいおもちゃ」としてであればよいが、ゲームボーイの後継的なゲームプラットフォームとして社内外が受け止めてしまったと振り返る。またゴーグルをのぞき込んで遊ぶスタイルにも問題があり、その2つの課題を解決できないまま世に出てしまった。宮本専務は「商品自体が間違っているというよりも商品の位置付けが間違ってたんじゃないかと」みる。
バーチャルボーイの失敗がありながら、任天堂は3Dをあきらめなかったという。既に「ゲームボーイアドバンスSP」で裸眼3Dディスプレイを試していたほか、「ゲームキューブ」には実は3D対応回路が搭載されており、専用液晶ディスプレイと組み合わせれば3D表示ができるようになっていたが、当時は立体視可能な液晶ディスプレイが高価だったため、日の目を見ることがなかったという。
宮本専務は、3Dにトライする際は「メガネは、なし」と決めていたという。岩田社長は「バーチャルボーイの失敗がなかったら、こんなに任天堂の関係者全員が『メガネがある以上、3Dはありえない』っていうことをはっきり言ってないかもしれない」と語っている。
1月8〜10日には、ニンテンドー3DSの体験イベントが幕張メッセ(千葉県)で開かれる。
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