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果たして、3DSの評判はいかに?――「NINTENDO WORLD 2011 ニンテンドー3DS体験会」リポート

2月26日に発売される任天堂の次世代ポータブル機「ニンテンドー3DS」がいち早く体験できる「NINTENDO WORLD 2011 ニンテンドー3DS体験会」。開場前に1000人が並び、2日目までに約19000人の来場者が集まった注目イベントの模様をリポートする。

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開場前には1000人以上の行列が

 一般向けに初めてニンテンドー3DSがお披露目される「NINTENDO WORLD 2011 ニンテンドー3DS体験会」が、1月8日から10日の3日間、千葉・幕張メッセで開催されている。私自身、ゲームメディアに携わりながらも3DSは未体験。というわけで、初日となる8日に幕張メッセへを訪れ、3DSを体験してみることにした。

 午前10時の開場少し前に幕張メッセへ到着すると、すでに1000人以上が入口に列を作っていて、ニンテンドー3DSに対する期待が大きいことが分かる。国民的アイドル「嵐」の5人のビジュアルが出迎えるなか会場内へと入ると、すぐ左側にニンテンドー3DSのパッケージと実機が展示され、右側には各タイトルの3D映像が見られるコーナーが。そして、奥には今回プレイアブル出展されているタイトルのブースがずらりと並び、入場した人たちは、まず気になるタイトルのブースへと一目散に駆けつけ、10分もたたないうちに各タイトルともプレイ待ちの状況になっていた。

 一番の人気となっていたのは、やはり任天堂の看板シリーズ「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」で、最も混雑している時間は120分待ちの列が出来ていた。そのほか、3DSに内蔵される「3Dカメラ」や「ARゲームズ」も人気を集めていて、ソフトを買わないでも楽しめるかどうか、というところもユーザー的に注目ポイントなのかもしれない。最初は私もプレイ待ちの列に加わろうかと考えたのだが、そうすると午前11時から始まるステージイベントには間に合わなくなってしまう。そこで、ステージイベントが行われている間はなるべくそちらに集中し、混雑がとぎれた時間を狙ってプレイする、という作戦に切り替えることにした。


開場前には1000人以上の行列となり、ホール前のロビーに入れず、外に並ぶ人も
会場入口を過ぎると、CMキャラクターとなる「嵐」の写真が左右に並ぶ。ここで記念写真を撮る人も多かった
入り口左に展示された、ニンテンドー3DS本体とパッケージ。当初発売されるのは、アクアブルーとコスモブラックの2種類となる

開場からすぐに各ブースとも長蛇の列に。一番人気はやはり「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」で、10時20分の時点で110分待ちとなり以後列がとぎれることはなかった
プレアブルブースを待ちきれない、という人のために各タイトルの3D立体視画面を体験出来るコーナーも用意。ここでも、人気ゲームは結構な待ち時間があるようだった

お手軽Mii作成など4回のステージイベントを開催

 開場して1時間ほどたち、11時になると会場奥に設置されたステージでイベントが開始された。トップバッターは、お笑い芸人・チーモンチョーチュウの2人が、3DSで使えるようになったアバター「Mii」の作成とARゲームズに挑戦するというもの。得意のネタを披露したチーモンチョーチュウは、さっそく内蔵カメラとアバター作成ツール「Miiスタジオ」を使いMii作りにチャレンジする。

 Miiスタジオには、内蔵カメラで撮影した写真から簡単に本人そっくりなMiiを作れる機能が用意されていて、チーモンチョーチュウはあっという間に本人激似のMiiを完成してしまう。さらに続けて、作成したMiiを使いARゲームズを体験したり、Miiと一緒に「ニンテンドー3DSカメラ」で記念撮影をする、といった挑戦が流れるように行われ、その間わずか20分。とくに難しい操作もなかったので、これは相当お手軽に楽しめそうだ。作成されたMiiはニンテンドー3DSカメラやARゲームズだけでなく、「トモダチコレクション」とも通信可能とのことなので、3DSのキラーコンテンツとなる予感がする。

 正午過ぎからは、ドンキーコングやマリオ、ゼルダといった任天堂タイトルのゲームミュージックを演奏するライブがスタート。フュージョンサウンドにアレンジされた演奏が始まるとステージ周りはどんどんど人が集まり、最終曲の「ゼルダの伝説メドレー」のころには黒山の人だかりに。任天堂のライブステージには1000人ぐらいの人たちが集まっていたのではないだろうか。

 午後には「Metal Gear Solid Snake Eater」「光神話 パルテナの鏡」の紹介プレゼンテーションが開催された。「Metal Gear Solid Snake Eater」のプレゼンテーションには、長年小島秀夫監督の元で「Metal Gear Solid」シリーズに携わってきた松花賢和プロデューサーが登場。今回、同タイトルはデモ出展なのだがプレアブルブースが用意され、3D表現を体験できるようプレイヤー自身で視点が切り替えるデモが楽しめる。

 松花賢和プロデューサーは、3D立体視での注目ポイントとして「タイトルロール」と「スネークが吊り橋から落ちるシーン」「タバコを落として拾おうとするシーン」を上げたほか、3DSに搭載されたカメラや新しく搭載される「いつのまにか通信」を活用したプレイが盛り込まれることも明らかにした。

 「いつのまにか通信」は、特定の3DSタイトルがカートリッジなどに入っていない状態でも通信ができる機能で「こうしたコミュニケーションにより、Metal Gear Solidの世界がどう変えられるのか、いままさに練っているところです(松花氏)」とのこと。「新・光神話 パルテナの鏡」のプレゼンテーションには、プロジェクトソラの桜井政博代表取締役が登場し、冒頭では1986年に発売された前作「光神話 パルテナの鏡」をプレイ。そのうえで、2011年版がどのように進化したかについてを紹介していった。

 「新・光神話 パルテナの鏡」では、前作では飛ぶことが苦手だった主人公「ピット」が5分間空を飛べるようになり、5分制限の「空中戦」とそこからボスを倒すまでの「地上戦」のステージがセットとなる構成。1986年版で登場したキャラクターが、グラフィックを大幅に現代化して登場することも紹介され、1986年版や任天堂キャラ総出演の「大乱闘スマッシュブラザーズ」でピットのファンになったゲーマーにとっては待望の内容となりそう。

 プレゼンテーションの最後に「余談」として、五所川原で毎年夏に行われる「立佞武多」にパルテナの巨大な立ちねぶたを出展、すでにその製作に取りかかっていることを発表した。立佞武多といえば、地元出身の吉幾三が入れ込んでいることも有名で、地元の博物館「立佞武多の館」に「吉幾三と立佞武多」なるコーナーが作られるほど。この夏は五所川原でパルテナvs吉幾三という異色の競演が見られるかもしれない。


お笑い芸人「チーモンチョーチュウ」の2人が、司会のナビに従ってMiiを作りARゲームスを楽しみ、さらには記念撮影まで行ってしまうというプレゼンテーション。この間わずか20分というお手軽さだ

ホーンセクションとギター、ドラムス、キーボードによる任天堂ゲームミュージックライブには、1000人近い人だかりが

「Metal Gear Solid Snake Eater」のプレゼンテーションでは、3Dらしさが存分に現れるシーンとして、スネークが吊り橋から落ちそうになるシーンなどが紹介された

「新・光神話 パルテナの鏡」のプレゼンテーションでは、桜井政博社長自身がデモプレイを披露

飛び出るというより奥行きが豊かに表現されていて、なるほどこういう3Dはありだと感じた(30代男性)

 ステージイベントの終了後は、3DSのプレイをしつつ訪れたお客さんが3DSをどう感じたのか話を聞いてみることにした。今回話を聞けたのは、20代の男女カップルと30代男性1人、20代の女性2人組と子供2人と一緒に来た30代夫婦の4組。ゲーム業界関係者と男性1人のお客さんが多かった「東京ゲームショウ2010」と違い、家族連れやカップルの姿を数多く見かけたのが、幅広い層から支持される任天堂らしい。

 3DSを触った感想については「立体感がすごい(カップルの女性)」「いいんじゃないですか(30代男性)」「今日は本当に楽しめました(女性2人組のひとり)」「内蔵ソフトがよくて、3Dカメラは今まで使ったことがなかったので本当に3Dで映るんだー、と思った」と、満足そうだった。

 ただ、気になったのは4組中3組の方々が「画面がちらつく」ことを指摘していたことだった。そこで、私自身画面のちらつきがどれぐらいなのかを気にしながら「Winning Eleven 3D Soccer」「Biohazard Revelations」「nintendogs + cats」の3タイトルをプレイしてみた。すると、画面が真正面のときは問題ないものの左右に移動させると画面が二重に見え、確かにプレイ中にちらつきを感じてしまう。3DSには、3D立体視の奥行きを調節する機能が搭載されていて、この調節である程度ちらつきは軽減される(視点の揺れにシビアでなくなる)のだが、ゲーム中自分も動いてしまいがちなアクション系のゲームでは、3Dをオフにして楽しんだ方がいいのかもしれない。また、3D映画のように画面が飛び出してくるほどの激しい3D立体視ではないため、3D立体視により相手との間合いを計ったりリアリティを追求するタイプのゲームには向かないと思われる。

 3D立体視に対してやや厳しい書き方になってしまったが、今回話を聞いた4組の方々は「飛び出るというより奥行きが豊かに表現されていて、なるほどこういう3Dはありだと感じた(30代男性)」「3D映画と違い、プレイしていて疲れることがない(カップルの男性)」「最初は、こんな機械で3Dになるのかと思っていたけれど、プレイしてみたら本当に立体に見えて驚いた(女性2人組のひとり)」といった感じで、いずれも3D立体視については満足している様子だった。

 今回集まったタイトルを見ても、幅広い年齢層にアピールしそうな「DSらしい」タイトルが集まっており、私がプレイしたなかでは「nintendogs + cats」はDSらしいだけでなく3D表現を生かした楽しいゲームで、ワンちゃんが飛び出してなめなめするシーンなどは「このゲーム、3Dでよかった〜」と思わせるものだった。

 ファミコン時代から続く任天堂の蓄積は大きく「今日はパルテナだけで5回もプレイしちゃいました」と語った20代の女性が「どんどん昔のゲームが3Dで出てくるのも楽しみ」と期待を寄せるように、新作だけでなくリメイク版が人気を集めることも予想される。25000円という価格についても「Wiiと同じ20000円だったらとは思いますが、今日プレイしてかなり購入に前向きになりました(夫婦連れの女性)」「適正か、やや安いぐらいじゃないですか(カップルの男性)」と、ネガティブな話はなかった。

 任天堂の発表によると、初日に約8000人、2日目には約1万1000人の来場者があったとのこと。3日目に大幅に来場者が減るとは考えにくいので、約2万人以上の人が3DSをプレイするために幕張を訪れたことになる。発売前からこれだけ期待が高いニンテンドー3DSが、2月26日の発売以降どれだけのビッグセールスを記録するのか、そしてゲーマーにどのような形で受け入れられていくのか、今後の展開は大いに注目される。


個人的に、3DSの当たりコンテンツと思われたのが「nintendogs + cats」。今回、3D画面で紹介できないのが残念だが、犬のペロペロシーンやボールと遊ぶシーンなどは「かわいいっ〜!」のひとこと

(c) 2011 Nintendo
※ニンテンドー3DSの3D映像は本体でしかご覧いただけません。画面写真は2D表示のものです。

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