隣の同僚と仲良くなれる? 日立マクセル「エアボルテージ」を使ってみた:iPhone 4をワイヤレス充電
充電器と専用カバーを組み合わせることで、iPhone 4をワイヤレスで充電することができる「エアボルテージ」を日立マクセルが発売した。なにこれ、会社で使ってみたい!
ホットプレートではありません
ポンと置くだけで簡単に充電してくれないものだろうか? ケータイやPC、カメラやゲームなど電気を要する機器が増える度に、何度もアダプタを入れ替え、バッテリーを取り出し充電器にセットする機会が増えていく。こうしてコンセントから伸びるテーブルタップからはニョキニョキと電源ケーブルが生えていき、ケーブルが成り行きまかせに絡み合っていく……。あぁ、せめて充電する際はワイヤレスになってくれないものか。
そんな希望をかなえるワイヤレス充電器「エアボルテージ」を、日立マクセルが発売した。充電器と専用カバーを組み合わせることでiPhone 4をワイヤレスで充電できる。
見た目はケトルを置けばお湯が沸かせそうだが、侮ってはいけない。電磁誘導方式を採用したエアボルテージの充電ステーションは、給電側と充電側のコイルの位置が合っていれば円滑に電力を供給できるよう設計されている。ステーション側のコイルが複数並んでいる「コイルアレイ方式」を採用しているので、iPhone 4の置き場所にある程度の自由度を与えてくれている。
また、ワイヤレス充電の規格「Qi」(チー)に国内で初めて準拠した充電器としても注目。Qiは、Wireless Power Consortium(WPC)が策定した、電磁誘導方式を使ったワイヤレス給電の規格で、同じQi規格に準拠していれば他社の製品でも充電することが可能だ。
例えば、先ごろ発表されたシャープがドコモ向けに開発したAQUOS PHONE「AQUOS PHONE f SH-13C」もQiに準拠している。同梱される専用の充電パッドと同様に、エアボルテージでも充電することができる。また、パナソニックも準拠する「Charge Pad」シリーズを6月に発売するとしている。
iPhone 4の充電器として充電用カバーとともに発売されたエアボルテージの充電ステーションだが、将来的にはQi規格に準拠しているさまざまな機器に対応する可能性を秘めている。なるほど、イライラしていたタップ周りの配線具合がすっきりとなるではないか! これは使ってみたい。
だが現状、エアボルテージの充電ステーションに対応しているのは、国内では同時発売された充電カバーが装着したiPhone 4だけ。自宅にiPhone 4が2つもないため、2台の機器を同時充電できる充電ステーションの素晴らしさを体感するには……会社ではないだろうか? そんなわけで、オフィスのデスクにそっと充電ステーションを置いてみることにした。
会社のデスクに「エアボルテージ」を置いてみた
「エアボルテージ」を置いてみると自宅よりもなにやらスタイリッシュな感じがする。iPhone 4に充電カバーを装着しておもむろに置いてみると、LEDライトが点灯し、前述したとおり多少位置がずれていてもちゃんと充電してくれる。とはいえ、限度もあるようだ。大体、ステーション側の「Qi」マーク周辺に置くようにしてもらいたい。
いちいちDockコネクタにケーブルを付け替える、といった手間もなく充電できるというのは気持ちがいい。面倒臭がりな自分としては、デスクすべてがQi規格のコイルアレイ方式だったら楽ちんなのにと思ったほど。将来的にはそうした展開も考えられているそうだ。
さて、充電ステーションにはUSB端子が搭載されている(ダブルタイプのみ)。給電機能のみだが、USBケーブルを接続すれば対応する機器に充電することができる。iPhone 4を充電しながら、別の機器もUSBを通して充電可能というわけだ。
しばらくデスクに置いて充電していると、隣に座っている同僚が声をかけてきた。彼もiPhone 4ユーザーのため、気になったのだろう。4月の部署異動を経て隣同士になったものの、あまり日常会話を交わしていなかったことに気がつく。こうして、目新しいガジェットが会話の糸口になることはよくあることだ。だが、残念ながらiPhone 4用の充電カバーは1つしかない。そっと自分のカバーを外し、貸してあげることにした。
充電ステーションの説明をひとしきりすると、1人用はないのかとこちらの思惑などどこ吹く風な質問をしてきた。1人用も6月中旬に発売される予定。寝室などベッドサイトに置けばちょうどいいかもしれない。
ちなみに充電にはどれくらいの時間が必要なのだろうか? iPhone 4のバッテリ残量が10%を切るあたりから充電を開始してみると、約2時間越えるくらいで満充電となった。ACアダプタから直接充電すると約2時間で満充電となることから、ほぼ変わらない充電効率ではないだろうか。一応、メーカーに聞いてみると充電効率は70%ほどを実現しており、バッテリ残量0%から満充電までは約2.5時間とのこと。
先ほどから隣の同僚が、専用充電カバーを装着した自分のiPhone 4を充電ステーションに置いたり取り上げたりしている。どこに置いたら反応しないのかを確かめているらしい。そのたびにiPhone 4からは「充電しています」のSE音が鳴っている。なるほど、ちょっと気にいったらしい……。少し2人の距離が縮まった……のか? とりあえずしばらくはオフィスに置いてみることにした。
シングルタイプの充電ステーションは6月中旬発売予定
今後、Qi規格に準拠した機器が増えていくと、充電ステーションの活用の幅はますます広がっていくだろう。iPhone 4の専用充電カバーがなくとも、さまざまな機器を入れ替わり立ち替わり“置く”だけで充電できるようになる。次世代iPhoneがQi規格に準拠してくれればカバーすらいらない。汎用性のある充電ステーションを手元にひとつ置いておくのは、十分メリットと言えるのだ。
はたして隣の同僚と会話が弾むのがメリットといえるのかはさておき、デスクやタップまわりをすっきりできる充電ステーションは、いつも“置く”だけなので充電のし忘れも未然に防げるはず。部内で導入してみるのもいいだろう。今回は、残念ながら同性の同僚とガジェット談義に華が咲いただけだったが、異性だったりしたら2人の思いもフル充電されたのではないかと妄想してみた。
日立マクセルといえば長年電池を製造してきた。バッテリに関して、どこよりも早くQi規格に準拠した充電ステーションを国内で販売するのは、そのプライドと実績があってこそだろう。WPC会員企業は5月現在84社に上っている。今後のQi規格の展開とともに互換性のある機器が多く世に送り出されることを期待してやまない。
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提供:日立マクセル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ガジェット編集部/掲載内容有効期限:2011年6月30日