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「Wii U」ついに公開 ゼルダの調べにのせてNintendo's E3 Media Presentation

「ゼルダの伝説」のオーケストラ演奏で幕が開いた任天堂のメディアカンファレンスは、次世代家庭用ゲーム機「Wii U」の発表で最高潮を迎えた。

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「ゼルダの伝説」を祝うオーケストラの演奏で幕が開いた

全世界でフルオーケストラの「ゼルダの伝説」のコンサートを順次開催される

 今年で発売から25周年。その記念を祝って「ゼルダの伝説」のオーケストラ演奏から任天堂のメディアカンファレンスは始まった。

 ステージに登壇した宮本茂氏は、先日更新されたニンテンドーeショップのバーチャルコンソールで、「ゼルダの伝説 夢を見る島」が配信されること、6月16日には「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」が発売されること、2011年9月にDSiウェアで「ゼルダの伝説 4つの剣」が無料ダウンロードで提供されることを報告。2011年のホリデーシーズンには「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」を全世界で発売するとも。どうやら「ゼルダの伝説」仕様のWiiモーションプラスの制作も予定しているとか。


「ゼルダの伝説」25周年企画はほかにもある宮本茂氏

 「ゼルダの伝説」25周年記念としては、楽曲の数々がフルオーケストラで蘇るコンサートが全世界で開催されることが発表された。日本では10月10日に、指揮者・竹本泰蔵氏と東京フィルハーモニー交響楽団の共演により、すみだトリフォニーホールで開催されることが決定している。チケットは、「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」購入者に限って販売される。

 また、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のサントラCDがクラブニンテンドーでプレゼントされ、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のフルオーケストラによるサントラCDも企画されている。

あなたのための「Wii U」 テレビとネットとより深い関係を構築できるか

 続いて登場したのは任天堂代表の岩田聡氏。ニンテンドーDSとWiiで掲げたゲーム人口の拡大にある程度の成果を得たと、次なる目標として「あらゆる層が満足できるゲーム機」と設定。この後発表する次世代家庭用ゲーム機が「(従来のゲーム機よりも)奥深いゲームを可能にすると同時に、(Wiiよりも)幅広いユーザーにアピールできる、すべてのプレイヤーのためのものになる」と、Wiiの後継機の正式名が「Wii U」であることが発表された。2012年の発売を目指す。


高さ約46×幅約172×奥行き268.5ミリメートルの「Wii U」の充電式のコントローラー

電源ボタン、HOMEボタン、十字ボタン、A/B/X/Yボタン、L/Rボタン、ZL/ZRボタンがついている。また、加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、カメラ、マイク、スピーカー、センサー部、タッチペンを備えている

 「Wii U」は、Wiiが“We(私たち)”に通じたように、“You(あなた)に向けたハード”というコンセプトと説明。タッチスクリーンに対応した6.2インチのモニターを搭載したコントローラーが特徴で、加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、マイク、スピーカー、カメラなどを搭載し、本体からワイヤレスでゲーム画面を表示する。

 従来ならば、ゲームはテレビを専有しなければならなかったが、このWii Uのコントローラーがあれば、テレビで別の番組を見ながらでも遊ぶことができるようになる。

テレビとコントローラーのモニターとの連携も可能で、カンファレンスのデモ映像では、コントローラーの手裏剣をテレビの目標に向けて飛ばすといった使い方を提案。関連周辺機器とも互換があるので、Wiiリモコンをドライバー代わりにし、ボールが表示されたWii Uのコントローラーを床に置き、テレビのグリーンに向かってナイスショットを飛ばす……なんて使い方もできる。デモではイラストを描いたり、ブラウザで表示したコンテンツの一部を拡大したりとさまざまな可能性があることが紹介された。

テレビが消えていてもコントローラーで引き続きゲームが楽しめる。ゲームによっては連携して操作するものも

周辺機器との互換も実現。最大4人まで持ち寄ったWiiリモコン+Wii Uコントローラー5人で楽しむことができる

 では実際にゲームにどう生かされていくのか。すでに特設サイトで公開されている「社長が訊くE3特別篇 Wii U」で宮本氏は、「デザイナーが自由に選べるので、いろいろな可能性を持っています。いろいろなアイデアがあって、どれから手をつけたらいいか迷う」とその魅力について語っています。

 岩田氏は、Wii Uによってゲームとテレビ、そしてインターネットとのつながりがより強くなると強調。悩みとしては、新しいアイディアが浮かび過ぎて困っていること、と強気だ。それを裏付けるように会場が大きく沸いたのが、桜井政博氏と相談した結果開発されることになった、Wii Uと3DSと連携させた「大乱闘スマッシュブラザーズ」の開発だろう。今回、一番の盛り上がりだったかもしれない。

 Wii Uがあれば、Wiiリモコン4本を持ちより5人でゲームを楽しむことも可能だ。新ハード用12センチ高密度光ディスクおよび、Wii用12センチ光ディスクをプレイ可能なセルフローディング式(自動的にディスクを引き込む方式)のドライブを1つ搭載。1080p、1080i、720p、480p、480iに対応。 HDMI、コンポーネント、D端子、S端子、コンポジットの各ケーブルに対応。AVマルチ出力端子からの出力およびHDMI 端子からのPCMリニア 6CH 出力に対応。内蔵フラッシュメモリに加え、SDメモリーカードや外付けUSBハードディスクドライブを利用することで容量を拡張することができるとのこと。4つのUSB 2.0端子を備え、Wiiのゲームとの下位互換を持っている。

Wii U本体はシンプルな作り

 なお、IBMがプロセッサを供給する。これはIBM Powerを基にカスタマイズしたもので、45nm Silicon-On-Insulator(SOI)技術によるeDRAM(混載DRAM)を採用し、省電力・高速処理を実現している。任天堂はこれまでも2001年に発売したゲームキューブや、2006年に発売したWiiでもIBMのプロセッサを採用している。

 サードパーティーからはTHQの「DarksidersII」や「Metro Last Night」をはじめ、コードマスターズの「Dirt」、セガの「Aliens Colonial Marines」、ユービーアイソフトの「ゴーストリコン オンライン」、バンダイナムコゲームスの「鉄拳」、そしてコーエーテクモゲームスの「Ninja Gaiden 3: Razor's Edge」などがWii Uに対応すると発表。エレクトロニック・アーツのジョン・リカテロ氏がゲストとして招かれ、Wii Uでの開発を進めていることを報告した。

 とはいえ、今しばらくはニンテンドー3DSの拡充に努めなくてはならないのが今の任天堂だ。「マリオカート」(日本は未定、北米では2011年ホリデーシーズンに発売予定)、「スターフォックス64 3DS」(日本では7月14日、北米で9月に発売予定)、「スーパーマリオ」(日本は未定、北米では2011年内発売予定)、「光神話 パルテナの鏡」(日本では2011年、北米では2011年後半発売予定)、そして「ルイージマンション2」(発売日未定)を紹介。サードパーティーのタイトルとしては「エースコンバット3D」、「テトリス」、「Cave Story 3D」、「バイオハザードリベレーションズ」、「Driver Renegade」、「パックマン&ギャラガ ディメンションズ」、「鉄拳3D」、「メタルギア ソリッド スネークイーター 3D」なども披露された。

 カンファレンスの最後に任天堂オブアメリカCEO、レジー・フィザメイ氏は、「ニンテンドーDS、Wii、ニンテンドー3DS、そしてWii Uと、すべてにイノベーションという共通の血が流れている」と語っていた。幅広くライト層を取り組みつつ、コアゲーマーの要望をかなえることができるのか。ようやく披露されたWii Uの真価は対応タイトルやサービス面にあるように思う。どうユーザーに迎え入れられるか、期待して続報を待ちたい。

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