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2時間で12デッド! チキン野郎が挑む「ダークソウル」体験会――「ダークソウル」先行体験イベントリポート

E3にて、体験ブースが設置されて反響を呼んだ「ダークソウル」体験会が、6月11日に日本でも開催された。想像の上を行く難易度、その恐ろしさを存分に体験してきた!

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 フロム・ソフトウェアは6月11日、今年9月15日に発売予定のダークファンタジーアクションRPG「ダークソウル」の、100人限定ユーザー先行体験会「人間性を捧げよ -生存率0/20000-」を、東京東銀座の時事通信ホールにて開催した。

 「ダークソウル」は、以前に同社の発売したタイトル「デモンズソウル」の後継にあたる作品。油断すれば一瞬で死に至るが、必ずどこかに攻略の糸口のあるという絶妙なゲームバランスから、コアユーザーを中心に高い人気を獲得している。

 本イベントで置かれた試遊台は、先日アメリカにて開催された世界最大のゲームイベント、「E3」で用意されたものの日本語版。ちなみに、E3でのインプレッションも掲載されているので、興味のある方はぜひそちらもご覧いただきたい。


フロム・ソフトウェア製作1部の執行役員部長、宮崎英高氏

 まずイベントの冒頭、操作説明を兼ねたゲームの解説が行われた。壇上に登場したのは、フロム・ソフトウェア製作1部の執行役員部長、宮崎英高氏。

 宮崎氏は簡単な挨拶を済ませると「あまり私が発言しすぎても興ざめでしょう。死んじゃうとは思いますが、色々な意味で楽しんでいただければと思います」と締めくくった。本作「ダークソウル」がストイックなゲームなら、スタッフや制作陣もまた非常にストイックな性格の方々が集まるようだ。

 続くフロム・ソフトウェア宣伝セクション課長の小倉康敬氏により、今後のプロモーション活動に関する発表が行われた。

 発表された新たなプロモーションは、名づけて「ダークソウル シールドデザインコンテスト」。ゲーム内に登場するシールドのデザインを募集し、その中で優秀な作品をひとつだけゲーム内に登場させる、というものだ。6月11日〜6月30日の間で受付が始まっているので、詳細は公式ホームページをチェックしていただきたい。

 発表事項はかなり手短に終了し、イベントは試遊へと移行した。スタッフからは「早く遊んでほしい」、来場者からは「早く遊ばせてほしい」というウズウズした熱気が伝わってきた。では、ここから先は試遊のリポートをお届けしよう。


フロム・ソフトウェア宣伝セクション課長、小倉康敬氏
応募すれば、ゲーム内に自分のデザインしたシールドが登場する可能性が! 自信のある方は是非応募してみよう

「生存率0/60000」の体験会がついにスタート! 100人の戦士が一斉に剣を抜く!

 試遊台はA〜Eのセクションに分かれ、各5台前後が用意されていた。ひとりに許されたプレイ時間は10分で、時間が終了したら次のプレイヤーに渡す、といった具合でのローテーションで行われた。

 当然体験会スタートからさっそく試遊台へ! ……とはいかない。前作「デモンズソウル」初プレイ時から、遠距離魔法でチクチク進むチキンプレイばかりしていた筆者は、まず敵情視察とばかりに他の来場者のプレイを観察してみた。


 まず目に留まったのは、鎧を装着した巨大なボア(イノシシ)と、橋を守るように鎮座するドラゴン。しかし、開始から20分ほど経ったほどまで観察してみたが、一向に倒してる姿が見受けられない。浮かぶのはゲームオーバーの赤い文字ばかり、生存率0/20000はダテではないということか。

 L1でガード、L2でパリィ、R1とR2で攻撃、×で回避行動……。と基本動作やアクションは「デモンズソウル」と大きな差はないことを確認し、筆者も意を決して試遊の席へついた。

 今回プレイするのは体験版なので、使用するキャラクターは事前に用意された「Solder」「Knight」「Witch」「Pyromancer」「Solaire of Astro」「Black Knight」の6種類。このあたりもE3での体験版と変化はない。周囲のプレイヤーは「Solaire of Astro」「Black Knight」を選んでいたが、敵から逃走するための身軽さを考慮して「Solder」を選択。

 実際にプレイしてみると、ダッシュ中に×ボタンでジャンプ+着地後ローリングや、スティック前+R1で相手のガードを崩す「蹴り」といった新アクションが追加されているのが分かる。どのアクションがどう役に立っていくのかは、まだ分からないが、覚えておけば損は無いはず。

 体験版のステージは、巨大な石造りの城。本作の雰囲気の中では珍しく、空が明るく晴れていた。とりあえず、盾を構えながら道なりに進むと、明らかに「近づいたら炎吐くんでよろしく」と言わんばかりに佇む巨大なドラゴンが! 先程後ろから見て存在は確認していたので、とりあえず別の道を探すことに。

 道を戻るとレバー操作で開く鉄格子を発見。そりゃ最初からあんなドラゴンと戦わせられるわけないよね。と思って先に進むと、壁の穴から敵兵がダッシュで斬りかかってきてパニックに! 「ちょっと待って」と言っている間にまず1回目のゲームオーバー。緊張感を解いた瞬間に襲いかかってくる感覚、まさに前作「デモンズソウル」のそれである。

 持ち時間10分の間はリトライし放題なので当然リトライ。奇襲してきた敵を華麗に避けてバックアタックを決め、続く敵もパリィでサクサクと倒していく。「あれ? 意外になんとかなるかも」と思うと、目の前に鎧を着込んだボアが登場。チキン野郎な筆者は当然真っ向から立ち向かったりはせず、とりあえず距離をとってみる。するとボアさんがこちらに猛突進! 一撃で体力の7割が消し飛び、慌ててローリングで逃げようとするも、上から降ってくる弓に当たって二度目のゲームオーバー。くそう、リトライだ!

 とりあえず2度目は、ボアを無視して迂回ルートを通る。すると先程トドメを差してくれた弓兵が立っていたので、憎しみのこもったバックアタックで撃破。準備が整ったので、ボアさんに挑みかかってみる。

 まずは突進を避けて、体に攻撃を加えてみるが、見た目通り固く、ほとんどダメージが通らない。ここめでは予想通り。どこかに弱点があるはずだ、と探してみると、お尻に鎧のスキマを発見! 攻撃するとやはりダメージが通る。攻略法を発見したことに喜んでいたら、専用モーションの後ろ蹴りが発動して吹っ飛ばされてしまった。え、こんなのあり!?

 どうしたらいいのか分からなくなって後退すると、またも突進攻撃。食らうとまたゲームオーバーなのでローリングで回避すると、ボアは焚き火に突っ込んでそのまま動かなくなってしまった……、なんとういう幸運だろうか。敵の大群を細い道に誘いこんで一挙に倒したり、落とし穴に落としたりと、自然物やマップの形を利用してパズル的な攻略ができるのも、この作品のポイント。プレイするたびに「デモンズソウル」の恐ろしい記憶が呼び覚まされていくようだ。

 そんなこんなで開かれた道を前に進むと、なにやら、キャラ選択のBlack Knightに非常に似て、かつ赤黒いオーラを放つ、なんだか禍々しい敵が出現。そしてなぜかこの敵の挙動が妙に鋭く、ガードも凄まじく固い。なによりフェイント動作が上手で、対人戦を行っているかのような気分になった。これに負けてゲームオーバーとなり、10分が経って席を離れることに。

 すると、このあたりでフロム・ソフトウェアの会場スタッフから「先程まで、何度か赤い騎士の強敵を見た方がいるかと思われますが、それはBlack Knightがアイテムを使って他のプレイヤーの世界に侵入した姿です」と「赤いオーラのBlack Knight」についてネタばらしが行われた。まるで人間、とも思ったがなんのことはなく、実際に人間と対戦していたというわけ。キャラクターのタイプによって、ネットワークに参加する方式が違い、強力するもの、できないもの、敵対するものに分かれるようだ。すると、製品版ではステージに関わらず、突然プレイヤーが敵として登場するということだろうか。なんと恐ろしい、もといワクワクする仕様だろう。

 もう一回挑戦するために再度列に並んでいると、どこからともなく「カラーン」という鐘の音が流れてきた。体験会のスタートから約1時間ほど経ったところで、どうやらクリア者が出始めたらしい。負けてはいられない、と筆者も再プレイを開始する。

 しかし、ボアの先に進んだとて、その後には赤いマントを羽織った騎士が2人で追い掛け回してきたり、雷と炎をまとった騎士が襲いかかってきて、追い詰めたと思ったら回復薬飲みやがったりと、どこまでもプレイヤーを追い詰めてくれる。逃げ腰プレイヤーにとっては、この回復薬はとにかく恐ろしい。そのため、筆者はなかなか最後までたどり着けずにいた。すでにこの時点でのゲームオーバー回数は、既に10回に達しているが、それでも「ちくしょう、もう一回だ!」と立ち上がれる不思議な魅力がある。

 当然のように4回目の列に並んでリトライ。すると、画面には見たことのないボスの姿が映っていた。どうやらこの体験版の最終ボス「ガーゴイル」のようだ。体験会のシステム上、前の参加者がプレイした状況が保存されるため、この状況になった。これはラッキー! とばかりに、ありがたく挑戦させてもらった。

 巨大なハルバードと、尻尾、炎による間合いの広い攻撃が強力だが、過剰なまでに距離を開けるチキンなプレイをしているため、どれも見てからのローリングが間に合い、反撃も可能だった。尻尾を切り落とし、ローリングで攻撃を避けて背面攻撃のパターンが完成したため「これは、もしかしたら勝てる?」と一瞬思ってしまう。それこそ人が最も気を緩める瞬間で、この作品はいつだってその隙を突いてくる。その瞬間に「ある出来事」が起きて筆者はそこでゲームオーバーとなったが、何が起きたのかは、ぜひとも製品版でご確認いただきたい。デモンズソウルプレイヤーにとっては懐かしい、新規プレイヤーにとっては新鮮な恐怖を感じられることを保証する。

 ここで、筆者による体験プレイは終了となった。プレイして分かったことは「前作を楽しめた人ならば間違いなく楽しめるだろう」ということだ。プレイヤーの操作面では、新アクションの追加で戦略の幅が広がり、距離による行動変化など、敵のAIが従来より強力に進化し。いわゆる正統進化を遂げた作品に仕上がっていた。

 この恐ろしくも魅力的な世界にもし興味が湧いたのならば、公式ホームページをチェックしてみてほしい。9月まで待ちきれない場合は、現在も前作「デモンズソウル」のベスト版が発売されているので、そちらで予習をしておくのもいいだろう。そこには望んだ通りより、ちょっと斜め上のクレイジーな世界があなたを待っている。


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