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ソーシャルゲームが急成長――JOGA オンラインゲーム市場調査報告発表会

ソーシャルゲームを含むオンラインゲーム国内市場規模が過去最大の2365億円に達した。国内事業者数などは横ばいだが、海外への輸出金額が急増している。

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 日本オンラインゲーム協会(JOGA)は7月13日、2010年のオンライン市場調査の結果を公表。ソーシャルゲームを含むオンラインゲーム国内市場規模が約2365億円に達し、海外市場でのオンラインゲームサービス売り上げが約75億円になったと報告した。

 2004年以降毎年市場調査を実施してきたJOGAだったが、ソーシャルゲームについての調査は実施されていなかったが、今回シード・プランニングの協力を得てオンラインゲーム市場が1329億円に、PCと携帯電話におけるソーシャルゲーム市場が1036億円になり、広義のオンラインゲーム市場が約2365億円になった。

 内訳としては、パッケージゲームソフトの販売売り上げが294億円、ゲーム運営サービス売り上げが1035億円となる、前者は2009年と比べて約5%減、後者は約5%増と、前年比で103%の増加となった。

 報告ではほかにもオンラインゲームサービス事業社数やタイトル(PC)の推移を発表。国別分類の推移では国産と中国・台湾が増加傾向にあり、男女比についても女性ユーザーの急増が提示された。オンラインゲームとソーシャルゲームのユーザー層比率では20代がPCオンラインゲームの比率が高いのに対し、30代ではPCソーシャルゲームの比率が高い傾向にあるとのこと。




 海外輸出(ライセンスアウト)売り上げ、および企業が海外に進出し海外拠点においてゲーム運営サービスを行った売り上げについては、2010年の海外輸出売り上げが4億7785万円(前年比144%増)、海外拠点での売り上げが75億6182万円となり、国産タイトルおよび企業の海外進出は増加傾向にある。


 調査報告発表会でJOGA会長の植田修平氏は「Webゲームタイトルが増えている。市場規模もそれに伴い押しあげている印象があり、国産ゲームも増えている。今後も国内市場の活性化と海外への展開を手助けしていきたい」と方針を示した。

 また発表会では国内のソーシャルゲーム市場規模についても言及。Mobage、GREE、mixiのSNS経由でのソーシャルゲーム課金売り上げを対象に行われた調査結果を報告した。各社のIRデータや主要事業者へのヒアリング(SNS、SAP)をもとに推計したところ、モバイル端末向けを中心に、2010年の国内ソーシャルゲーム市場規模が1036億円(対前年比448.5%)と急成長したことが分かった。

 ソーシャルゲーム市場が急成長した要因としては、2009年から2010年にかけてMobage、GREE、mixiが次々とオープン化したことで、ソーシャルゲーム市場の参入障壁が大幅に低下、多種多様なソーシャルゲームがSNSを通して供給されたことが挙げられる(2000〜3000タイトルに及ぶソーシャルゲームが市場に供給)。また、ユーザー間でコミュニケーションをしながら楽しめるゲームであることからライトユーザー層の取り込みに成功。基本プレイ無料+アイテム課金型のモデルが受け入れられたことも大きい。

 登壇したシード・プランニングのエレクトロニクス・ITチーム 主任研究員の野下智之氏は今後もソーシャルゲーム市場の成長は続くと見ている。2011年は対前年比150%以上の水準での成長を達成する見込みだ。成長要因としては、スマートフォンへのシフトや中長期的にPC・タブレット端末も含めたマルチデバイス化、海外展開などを挙げる。ただ、あらゆるゲームのソーシャル化が進むことで、「どこまでがソーシャルゲームなのか?」と、ソーシャルゲームそのものの定義が困難になる可能性も指摘した。

 なお、スマートフォンゲームユーザーの課金率は18%に及び、課金ユーザーのうち1カ月に1000円以上のお金を支払う比率が42.2%に達したことも報告された(※)。

※2011年6月実施のスマートフォンゲームユーザー500名に対するアンケート調査結果による
JOGA会長の植田修平氏(左)とシード・プランニングのエレクトロニクス・ITチーム 主任研究員の野下智之氏(右)が報告

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