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ゲイムマンもたまにはガジェットっぽい話をしないと。「クイックス」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

ITmediaガジェットの記事の中で、この連載だけどうも浮いてるような気がする。そこで、第95回となる今回はガジェットらしく、ニンテンドー3DSで配信された「クイックス」(タイトー)を取り上げてみよう。

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3DSでバーチャルコンソールが始まったぞ記念

タイトーの開発センターがある海老名市にて。海老名駅前のショッピングモール・ビナウォーク

 せっかくITmedia GamezからITmediaガジェットに移ったのに、今までこの連載で、ガジェットっぽい記事を一切書いてない。だからトップページを見ても、わたしの記事だけなんか浮いてる。これでは記事のページビューにも影響しかねない。なので今回はガジェット絡みで書いてみることにした。

 で、ニンテンドー3DSの話である。レトロゲーム好きとしては、バーチャルコンソールがWiiに続いて3DSでも始まったことがうれしい。ゲームボーイのソフトを、3DSで買って遊ぶことが可能になったのだ。過去に当連載で取り上げたことのある、「スーパーマリオランド」「星のカービィ」「ドンキーコング」「レッドアリーマー」もラインアップに入っている。

 今回は、3DSバーチャルコンソールのラインアップの中から、もう1本取り上げてみよう。「クイックス」である。ゲームボーイ版は1990年に任天堂から発売されたが、もともとは1981年にタイトーから登場したアーケードゲームだ。ゲームボーイ版発売の時点で、既にレトロゲーム扱いだったような記憶がある。

 本来ならファミコンに移植されててもおかしくないゲームなのだが、どうもファミコンの性能では、このゲームの基本動作である、“線を引く”という表現が難しかったらしい(ナムコの「リブルラブル」も同じ理由でファミコンには移植されなかった)。

 ……と書いた後で調べてみたら、ゲームボーイ版発売後の1991年、海外版ファミコンのNES(ニンテンドーエンターテインメントシステム)に、「クイックス」が移植されていたらしい。知らなかった。

 あと、「ガジェット」という単語の意味が、いまだによく分かっていない。

「クイックス」は、プレイステーション2「タイトーメモリーズ下巻」に収録されている
こちらはゲームボーイ版。ゲームキューブで表示させているから色がついてるが、もともとはモノクロ4階調

点と線

 「クイックス」のゲーム画面には、人間や動物や車といった、実在の何かを模したキャラクターがない。自機も敵も線や点で構成され、あとはフィールドがあるだけ。1981年当時としても異質なグラフィックになっているのは、タイトーアメリカが開発したからだろうか。

 アメリカでは「アステロイド」(アタリ)など、ベクタースキャン方式で表示されたゲームが多数登場した。日本で唯一発売された、ベクタースキャン式の家庭用ゲーム機「光速船」(バンダイ)も、もとはアメリカのGCEという会社が出した「ベクトレックス」というゲーム機だ。

 「クイックス」自体は、通常のブラウン管テレビと同じラスタースキャンで表示されているが、そのゲーム画面は、直線で画面が構成されるベクタースキャンに近い。だからベクタースキャンのゲームが多かったアメリカでは、「クイックス」の画面は違和感なく受け入れられたのかもしれない。

囲まれた面が色分けされるという表現は、ベクタースキャンでは難しいけど

 「クイックス」は、自機“マーカー”を操作し、敵の“クイックス”と“スパーク”を避けながら、フィールドに線を引いて囲むゲーム。フィールドの75%以上を囲むとクリアとなる。操作は4方向レバーと2つのボタンを使用。ボタンに触れずにレバーを動かすと、既に囲んだエリアとまだ囲んでないエリアとの境界線を移動する。ボタンを押しながらレバーを操作すると、新たに線が引ける。

 ボタンが2つあるのは、線を引くときの移動速度が2種類あるから。エリアを囲むとその面積に応じて得点が入るのだが、低速で線を引いて囲むと、得点は高速で囲んだときの2倍になる。

 ゲーム自体のタイトルにもなっているクイックスは、フィールド内のまだ囲まれてないエリアを、縦横無尽に動き回る。マーカーが線を引いている途中で、クイックスにマーカーもしくは引きかけの線が触れるとミスになる。

 スパークはフィールドの、囲んだエリアと囲んでないエリアとの境界線を移動する。2体いて、それぞれ逆方向に移動するので、ぼーっとしてるとマーカーが挟み撃ちに遭う。スパークは、引いている途中の線には入ってこないので、近づいてきたら線を引いて避けよう。もっとも、時間が経つとスパークはもう2体増えるし、さらに時間が経つと、今引いている線にも入り込んでくるようになるのだが。

マーカーのみならず、引いている途中の線に触れてもアウト。線を引いてないときは、クイックスに触れても大丈夫
線を引かなければクイックスには当たらないが、スパークには当たる。引いている途中はその逆
時間が経つと、引きかけの線にスパークが入ってくる。ただしゲームボーイ版は、こうなってもそこそこ粘れる

75%じゃ物足りない

 囲んだ面積が75%になればステージクリアだが、75%を1%上回るごとに、1000点のスペシャルボーナスが得られる。もちろん75%を超えた時点でクリアしてしまうので、75%未満の状態から、どれだけ大きな面積を、一発で切り取れるかが、このゲームいちばんの勝負どころといえるだろう。ただし大きな面積を確保するには、それだけクイックスに近づかなければならず、ミスする危険性も高くなる。

 3面めからは、クイックスが2体現れる。うまく分断するとステージクリアとなり、次のステージの得点が2倍になる。もっとも、囲む面積が少ない分、75%をクリアするより得られる点数が減る。そして、クイックスが2体となると、分断せずにクリアするのは難しい。

高速で細かく陣地を伸ばし、低速で広い面積を確保するのがセオリー
2体のクイックスを分断してクリアしたところ

 「クイックス」はゲームボーイのほか、プレイステーションとプレイステーション2、PSPに移植されている。プレイステーション版は2000年、サクセスの「SuperLite1500」シリーズの1作として、「クイックス2000」というタイトルで発売された。また、2005年に発売されたプレイステーション2の「タイトーメモリーズ下巻」、さらにPSPの「タイトーメモリーズポケット」や「QIX++」にも収録されている。

 プレイステーション版「クイックス2000」には、オリジナルモードとアレンジメントモードがある。アレンジメントではグラフィックが変わり、またスピードアップアイテムが現れる。

プレイステーション版ではオプションで縦画面と横画面どちらかを選ぶことができる
横画面だとレイアウトが変わるが、フィールドの縦横比はあまり違和感がない
プレイステーション版はスパークの動きがオリジナルとやや異なる。線を引いて避けても追いかけてくることがある

 プレイステーション 2で「クイックス」をやってみたが、まあ難しい。クイックスの動きは不規則で読めないし、スパークが速い。3面行けたらいい方だ。もっとも自分の場合、「スペースインベーダー」も3面までしか行けないんだけど。

 プレイステーション 2版は、他機種版に比べて特に難しいようだ。こないだ、秋葉原のナツゲーミュージアムにアーケード版「クイックス」が入っていたのでプレイしてきたが、アーケード版の方がまだ易しかった。アーケード版とSuperLite版がだいたい同程度の難易度で、プレイステーション 2版はそれらより難度が高いといった感じ。

プレイステーション2版のクイックスは速い上に動きが読めない。開始早々にミスしかねない
スパークも速い。まだこれしか線を引いてないのに、フィールド上部からマーカーの位置までもう来てしまう

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