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「ICO」&「ワンダと巨像」ファンのための超ディープな裏話満載――「Great Scene Sharing」キャンペーンプレミアムイベント(2/3 ページ)

HDリマスター版の発売が決定した「ICO」と「ワンダと巨像」。それを記念して、その製作に関わったディレクター上田文人氏と外山圭一郎氏によるスーパーディープな対談が実現!

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ファン必見! シーンひとつひとつを、深くまで分析&解説!

 続いては、現在twitter、Facebook、mixiを利用して、公式サイトで8月15日より行われているキャンペーン「Great Scene Sharing」をテーマにして語っていただいた。

 これは、ユーザーさんに「ICO」と「トリコ」の“自分の中の名シーン”を選んでいただき、各SNSにて共有(Sharing)してもらう、というプロモーション企画。その中で、特に多く選ばれたシーンを紹介するほか、おふたりにも、自分の中の「Great Scene」を選んでいただいた。

 紹介されたのは、外山氏の選んだ「崩れる橋」、上田氏の選んだ「その手を放さない」、ユーザーの選んだ「囚われの少女」といったICOの3シーン。ワンダからは、同じく外山さんとユーザーが選んだ「最後の一撃はせつない」と、上田さんの選ぶ「崩れる橋」と、ユーザーが選んだ「友とともに大地をゆるがす」の3シーン。以下からは、各シーンに対する2人のコメントを掲載する。

ICO「崩れる橋」

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上田氏 橋が崩れてヨルダを助けることで、プレイヤーに「ここからは手をつないでヨルダを守ってあげてね」というアピールをするために作ったイベントですね。

外山氏 このシーンでは遺跡の“廃墟感”には惹かれますね。仕事柄よく取材で(軍艦島などの)廃墟に行くのですが、これほどにリアルな、生々しい廃墟は、なかなか作れません。

上田氏 まぁ、取材とかは一切行ってないんですけどね。

外山 最初それを聞いた時は、本当に驚きましたよ(笑)


ワンダ「崩れる橋」

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上田氏 こちらはワンダのエンディングですね。エンディング全体の話なのですが、何度も何度も音楽を合わせて、全体を通してかなり良くできたという手応えがありまして。選ばせていただきました。

外山氏 崩れる、というシーンが続きますが、実は何か“崩れの美学”的なこだわりがあるのですか?

上田氏 いえ、そういうことでは無いです(笑)。ただ、当時は物理演算のエンジンなんかは不安定だったので、岩や破片なんかは、全部手作業で動かしていたのが、記憶に残ってます。

ICO「その手を放さない」

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上田氏 ここは、プレイヤーがジャンプしないとヨルダを助けられません。ですが、プレイヤーに対して「ジャンプしてください」とは言いませんよね。そこでうまく、プレイヤーが「ジャンプしなきゃ!」と思わせる必要があったわけです。

外山氏 苦労したのがよく分かります。

;上田氏 周囲の状況も、雰囲気も全部整えて、ようやくできることですから。印象深いシーンです。

ICO「囚われの少女」

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上田氏 ユーザーさんに選んでいただいたシーンですね。お互いに知らないキャラクター同士の、微妙な距離感を描くために、カメラワークを工夫したのをよく覚えています。カメラを寄せすぎないように気をつけました。

外山氏 確かに、特にヨルダの見せ方には気を使っているように見えますね。

上田氏 それはこれに限りませんが、確かにそれはあります。プロモーションで使う映像では、ヨルダのこの角度は映さないでくれ! とかね。

ワンダ「最後の一撃は、せつない。」

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外山氏 ここ、というよりもこの後に、巨像が崩れ落ちるシーンなのですが、それが印象に残っています。巨大なボスを倒した瞬間は、どんなゲームでも一番褒めてくれるところじゃないですか。そこですごい背徳感を覚えるんです。

上田氏 それには裏話があります。このシーンを制作しているときに、元々の予定とは真逆の、悲しい曲を勝手に入れてみたんです。

外山氏 勝手にですか!?

上田氏 はい、こっそり入れました。プレイしたスタッフは爆笑、といういういい結果が生まれまれたわけです。“多数決でモノを作る”ことには、当然利点もあるのですが、危険性もあるのだと実感しました。ある種思い出深いですね。

ワンダ「友とともに大地をゆるがす」

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上田氏 これは僕が唯一、ゲームを作るときに取材に行ったことを思い出します。馬に乗る、というリアリティを出すために、乗馬の取材に行ったのです。シーンというよりも馬のアグロに、ですが。

外山氏 それもまたすごい話ですが。

上田氏 馬はほかの乗り物、車や自転車とは違って、人間とは別の意志を持っている生き物です。それを操作するというのが、あまり自分の意のままに動いてはおかしいじゃないですか。ちょっと先に進みすぎてしまったり、生き物らしいところが参考になりました。

外山氏 上田さんはバイクが好きですよね。その距離感と少し似ていませんか?

上田氏 アグロは、ワンダのペットや友達ではなく、相棒。もっと誤解を恐れずに言うならば“道具”とも言えます。バイクとの距離感に似ている、というのは多分そのせいで、とても信頼した、自分の足とも言える存在なんです。アグロという馬に対してユーザーさんたちが、深く愛をもって接してくれた、というのは嬉しいですね。

外山氏 本来別の意志を持っている存在と通じ合う、という意味では、最新作の「人喰い大鷲のトリコ」に通じる部分もありそうですね。

上田氏 確かにそうですね。アグロとワンダの関係は、少なからずトリコ、という企画にも影響を与えています。

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