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SCEが作る“プレステ”ディスプレイの実力は?――「3Dディスプレイ」を体験してきたPCをつないでもいいじゃない(2/2 ページ)

SCEが発売する、3D立体視対応の24型フルHD液晶ディスプレイ「3Dディスプレイ」を体験した。3D立体視映像のクオリティが高く、コストパフォーマンスが高い製品だ。3Dメガネを装着した2プレイヤーそれぞれに異なる画面を見せる「SimulView」機能は必見。

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3D立体視映像のクオリティに自信

 早速、デモとしてシューティングゲーム「STAR STRIKE HD」をプレイしてみたが、クロストークがほとんどなく非常に快適にプレイできた。黒背景の中で明るい白の弾を上に打つという映像(二重像が見えやすい)でも、弾はくっきりと見える。高橋氏は「クロストークが起きてしまうと、プレイヤーの気が散ってしまい、ゲームへの没入感は減ってしまいますね」と語った。ゲームだけでなく、3D立体視対応の映画などを見る際にも、このディスプレイは向くだろう。

 続いて、「グランツーリスモ5」で本製品の1番の特徴であるSimulView機能を試した。レースゲームなどで2人で対戦する場合、今までならば画面を上下、または左右に分割するのが普通だが、SimulView機能を使えば「3Dメガネ」を装着した2人が別々の映像をフルスクリーンで見ることが可能となる。

 3D立体視では、左目用の映像と右目用の映像が用意されるが、SimulViewでは左目用と右目用の映像の代わりにプレイヤー1の映像とプレイヤー2の映像を用意し、交互に映像を流す。それに合わせてプレイヤー1とプレイヤー2の3Dメガネのシャッターが開閉をする(両目同時に)ことで、プレイヤーはお互いに相手方の映像を見ずに済むというわけだ。

photophoto 2人のプレイヤーの映像が重なり合っているが(写真=左)、3Dメガネを装着すると片方のプレイヤーの映像になる(写真=右)。3Dメガネ上部のボタンで映像は切り替え可能だ

 このSimulViewという機能は、思想としては昔からあったものだという。筆者としても、グランツーリスモやマリオカートで遊んできたので、画面分割の不便さはよく分かる。なぜ、今になってこの機能が実装されたのか高橋氏に尋ねた。

 「3D映像のクオリティが上がったからSimulViewが可能になった、という言い方が正しいと思います。クロストークがほぼなくなったのが1番の理由です。クロストークがあるということは、相手のプレイ画面が見えてしまう、ということですからね。それでは意味がない」(高橋氏)

photo 3Dメガネは、本体上部に充電のためのUSBポートがある

 現在、SimulViewに対応しているのはグランツーリスモ5とSTAR STRIKE HDのほか、「KILLZONE 3(キルゾーン 3)」の3タイトル。今後は野球やテニスといったスポーツゲーム、協力プレイを行うゲームなどでSimulViewに対応したソフトが増えていきそうだ。また、SimulViewに対応するかどうかはソフト側の問題なので、発売済みのタイトルが追加パッチでSimulViewに対応することも考えられる。

PCのディスプレイとして買うのもオススメ

 そもそも、なぜディスプレイを単独で開発するに至ったのだろうか。高橋氏は次のように答えた。「開発には大体1年くらいかかりました。もともとPS3が3Dに対応したのがきっかけなのですが、当時3D対応のテレビは大型のものしかなくて。もっと、プライベート向けというか、自分の部屋に置けるようなディスプレイがあれば、というのがこの製品のコンセプトになっています」

 確かに、3D対応ゲームタイトルを遊ぶ際に3Dテレビの調達というのは大きなハードルになる。24型というサイズも、個人の部屋に置くことを想定したものだ。開発の際に苦労した点を尋ねると「やはり3D映像のクオリティですよね。ここまでたどり着くには結構時間がかかりました」とのこと。

 ディスプレイとしてはかなりの完成度を誇るこの製品。最後に、今後どのように開発を進めるのかについて尋ねると「せっかくゲーム会社が作っているのだから、ディスプレイからゲームを盛り上げる方法をもっと追求したい。今回のSimulViewもその1つですよ」と答えてくれた。

 液晶ディスプレイとしての基本的な性能がしっかりとしている上で、クロストークがほとんどなく、3Dコンテンツの視聴に向いている。テレビチューナーがないのが少々残念だが、PS3向けデジタルチューナー「torne(トルネ)」があれば、テレビ番組も視聴できる。SimulView用に3Dメガネを追加で購入(5980円)しても5万円程度だ。PS3を持っている人はもちろんのこと、PCのディスプレイとしても検討する価値は十分ある。

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