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なんだラジコンか……って、ジェットエンジンで時速300キロですかっ!?

「あれ? 旧日本軍機が復元されたんだ」と思ったら、ラジコンじゃないですか。外観もリアルだけどそれ以上にリアルなエンジン音。実はこのラジコン、ジェットエンジンを搭載してるんです。

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 旧日本陸軍、幻のジェット戦闘機「火龍」が復元され大空を飛びました。ラジコンですけど。

 ここで「なーんだラジコンか」と思ったアナタ、とにかく公開されている動画をご覧ください。というより、聴いてみてください。


 そう、この「キーン」という甲高い音は、まごうことなきジェットタービンが奏でるサウンドですよ! なんとこのラジコン、ジェットエンジンを搭載してるんです。

 実は筆者は飛ぶもの、飛ばすものが大好き。もういてもたってもいられず、動画のアップ主であるところのJETSETさんに連絡してみました。代表の田原氏にうかがったところ、JETSETはジェットタービンラジコンを扱っている専門店だそうで、今年で開業10年目だとのこと。

 「現用機のムービーもありますよ」と教えてもらった、F-22の動画もスゴイです。ちょっと本物よりエンジン音が高いかなあ? と思わないでもないですが、引いた映像だと実機かと見まがうリアルさ。


 気になるジェットエンジンのラジコン飛行機のご予算は、全部セットで総額50万円から(映像のF-22は160万円とのこと!)。

 操縦するには、レシプロ(プロペラ)ラジコン機の操縦経験が必須だそうで、ジェットエンジンのラジコン飛行機は、「後から“つく”ような独特なレスポンスがある」ため、難易度が高いのだそうです。

 機体性能としては、最高速度が時速300キロメートルぐらい、最高高度は200メートル以上。高度に関しては性能限界というよりも、「それ以上に離れてしまうと、見失って操縦できなくなってしまう恐れがある」から。

 基本的に機体とジェットエンジンは別売りなため、エンジンパワーがあるタイプをセレクトすれば実機のごとく垂直上昇も可能。

 ジェット燃料というものはそもそも灯油の成分に近いそうで、燃料は灯油にタービンオイルというものを5%加えたもの。1回の給油で、10分程度の飛行が可能なんだそうです。

 映像中は「だいたい50%から60%までしかスロットルは入っていないです」とのことで、魅せるフライトのためにはスピードを出すのではなく、逆に「スピードを落とすことが大事」で、それがより実機っぽく見せる秘訣だそうです。

 田原さんがジェットエンジンのラジコン機を始めた動機は、「実機は操縦できないから、なるだけ実機に近いラジコンを飛ばしたい」というもの。さぞかしそういうオーナーさんが多いのかと思いきや、ジェット旅客機の現役パイロットや航空自衛隊の戦闘機パイロットOBもけっこういて「実際に操縦していると、飛んでいる機体のカッコイイ姿が(外側から)見られないから」という理由で、ジェットエンジンのラジコン機でもフライトを楽しんでいるのだそうです。

 ちなみに、うっかりレスポンスのことを忘れてスロットルを入れっぱなしにすると、愛機は視界の遙か彼方へすっとんで行ってしまうそうです。

 高性能なだけに扱いを誤ると非常に危険なため、飛ばす場所も含めて「相談にのったり、指導することもしています」とのこと。興味(と覚悟と軍資金)がある方はJETSETのサイトを見てみてはいかがでしょう。

画像 テストフライト最終段階で大空に舞い上がる「火龍」。ラジコンとは思えない迫力、存在感なのはジェットエンジン搭載機ならではでありましょう
画像 エンジン始動の風景。後方の鉢植えの花がなびく様子で、エンジン推力の大きさが分かる。操縦者はジェットラジコン操縦歴13年の田原氏

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