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SIMロックなんて要らない?――海外旅行ついでにSIMフリーiPhone4Sを買うすすめ旅するガジェット(1/3 ページ)

SIMフリーiPhoneならば、海外旅行や海外出張でも格安で常時接続が可能だ。円高のおかげもあり以前と比べ値頃感も出てきた今、タイを例に買い方&使い方をまとめてみたい。

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 今さら言うまでもない話だが、日本国内で販売されているiPhoneシリーズは、キャリアによるSIMロックが施されてきた。4S登場を機にソフトバンクモバイルに加え、auからも販売されるようになったが、残念ながら状況は変わらず、またしても落胆させられる結果となっている。

 別にドコモで使いたかったわけではない。海外旅行や海外出張が多い人間としては、SIMロックの有無はもはや死活問題なのだ。仕方ないので、海外で端末を調達することになる。日本で購入するより割高だが、背に腹は代えられない。

 先日ちょうどバンコクへ立ち寄る機会があった。ついでに最新4SのSIMフリー版を購入してきた。せっかくなので、海外でSIMフリーiPhoneを購入・活用したい人のために、諸々の最新状況をまとめておきたい、というのが本記事の主旨である。

 最初に軽くおさらいしておくと、iPhoneは国・キャリアによってSIMロックの有無が異なる。日本のようにロックされている場合もあるので、海外で購入する際にはSIMフリーの国・キャリアを選ばなければ意味がない。もっとも、世界の多数派はSIMフリーの方だ。各国の販売状況はアップルのサイトに記載されているのでチェックしておきたい。

 SIMフリーiPhoneといえば香港版が有名だが、日本人旅行者でも買いやすい国としてはタイも筆頭候補になるだろう。日本から比較的近く、親日的で、英語の通用度も高い。年間100万人近い渡航者が日本から訪れる人気の旅先の1つであり、旅行ついでに買うプランも十分に魅力的と言えよう。

 タイの携帯電話業界では、true moveAISdtacの3大キャリアがしのぎを削っている(他にもMVNOの通信事業者も存在する)。いち早く3G網を始めたのはtrue moveで、当初はiPhoneもtrue moveが公式キャリアとして販売していたが、今では3大キャリアすべてが取り扱うようになっている。首都バンコク市内には、それらキャリアのショップがあちこちにあって、旅行者でも端末だけ購入することができる。実際僕自身も以前にtrue moveのショップで購入した経験がある。その辺の話は「スマートフォン時代のインテリジェント旅行術」(講談社)に書いた。

画像 高級デパート「サイアム・パラゴン」内にあるtrue moveのショップ。お洒落でハイテクな店内には、壁一面にTweetDeckのタイムラインが表示されていた

 今回の4S購入では、別の入手経路を辿った。タイで4Sが発売されたのは昨年12月なのだが、滞在していた2月時点でもまだまだ市場在庫が足りていないようで、キャリアのショップだと品切れ状態だったからだ。僕は12月の発売直後にもバンコクにいたのだが、ショップの前に行列ができるほどの人気ぶりだった。今回も3〜4軒見て回ったが、在庫切れか、あっても64GBモデルのみしかないというパターンばかりで戸惑った。

画像 12月に訪れた際は発売直後なのもあり、ご覧の通りの行列だった。並ぶのは苦手なのでこの時はパスした

 お目当ての32GB白モデルを買えたのは、「iStudio」というショップだった。プレミアムリセラーと呼ばれるアップル製品に特化した販売店チェーンである。タイにはまだアップルストアはないが、代わりにiStudioがアンテナショップ的役割を果たしているようだ。iPhoneの他にもiPodやiPad、MacBookなど一連のアップル製品がずらり揃っている。市内に何店舗かあり、大きなショッピングセンターへ入るとよく見かけるが、今回は街の中心部サイアム駅に直結の「デジタル・ゲートウェイ」という名のITモール1階にある路面店で買った。

画像 「バンコクの原宿」などとも称されるサイアム・スクエアの一画で存在感を放つ「デジタル・ゲートウェイ」。スマホの他にも、PCやデジカメの店などもテナントに入っている

 値段についてはページ下部に表でまとめておく。これは仮にキャリアのショップで購入しても全く同じである。日本価格(実質価格)よりは高いものの、円高のおかげもあってか、どの容量のモデルもプラス1万円程度で済む。以前タイで買ったSIMフリーiPhone3GSでは32GBモデルで8万円以上もしたので、当時からすればだいぶお得感がある。

 ちなみにバンコクにはMBK(マーブンクロン)という、携帯/スマホを売る店が集まった有名なショッピングモールがある。念のためMBKも調査したら、どの店もキャリアやiStudioよりも高額な値付けのようだった。MBKは個人経営の小さなショップが集まった所で、売られている端末には出自が怪しげなものもあるし、英語が通じにくい店もある。在庫は潤沢のようだったが、旅行者なら原則的には各キャリア・ショップやiStudioで買った方が無難だろう。

画像 MBK4階には携帯/スマホを売る小さな店が多数集まる。ガジェット好きなら必見の観光スポットでもある

 さらに付け加えると、タイでもオンラインのみアップルストアがあって、ネット通販でiPhoneを購入する手段もある。なぜか料金はキャリアやiStudioよりも安いのだが、税金還付を考慮するとさほど違いはない(オンラインストアで還付できるかは未確認だが、性質上恐らく無理だと思われる)。ネット通販となると、受け取りの住所が必要になる。現地在住の友人・知人がいれば頼んでもいいし、宿泊予定のホテル宛で送付してもらう手もあるが、中上級者向けだろうか。

 購入代金には、タイでVATと呼ばれる付加価値税が含まれている。日本の消費税みたいなものだが、外国人旅行者は所定の手続きを取れば免税になり、帰国便に乗る際に空港で還付される仕組みだ。iPhoneの代金には7%の税金が含まれていると言われたが、パスポートを提示したら、iStudioのスタッフが還付のための必要書類を用意してくれた。ただし、以前にキャリアのショップで買った際には、iPhoneのみ還付対象外だった。MBKも無理だろうし、還付できるのはiStudioだけかもしれない。流動的な部分なので、これも都度要確認だ。

 なお、キャリアのショップで購入する場合には、回線契約とパッケージになった割引料金も用意されている。一定期間の契約を条件にしたもので、日本のいわゆる2年縛りなどと似た発想だ。旅行者には関係のない話ではあるが、念のため補足しておきたい。

 購入自体は何ら特別なことはない。容量と色の希望を伝え、在庫があればその場でお持ち帰りできる。端末のみの購入で携帯電話回線の契約などもないから、煩雑な手続きは発生しない。洋服なんかを買うのと、感覚的には大差ないだろう。言葉の問題を心配する人もいるかもしれないが、最低限の英単語が分かればまず大丈夫だと思う。支払いにはクレジットカードが使える。後日カード会社から請求されてきた明細を確認したが、為替レートも購入当日のバンコク市内の両替レートと比べても遜色なかった。

iPhone4S価格

タイSIMフリー版 ソフトバンク au
16GB 22,450バーツ/約58,987円 46,080円 51,360円
32GB 26,350バーツ/約69,235円 57,600円 61,680円
64GB 30,250バーツ/約79,482円 67,200円 72,000円
※1バーツ=約2.6275円(2012年2月購入時点)
※VAT還付手続きを取ると税金分7%が戻ってくる。その際、手数料として100バーツ引かれる
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