「カプセルQミュージアム」日本の動物コレクションなどを初公開 海洋堂新製品発表会:なぜいま復活?(1/2 ページ)
海洋堂が、1億個以上を売り上げた「日本の動物コレクション」を復活させる。ティラノサウルスや岡本太郎画伯作品なども、カプセルフィギュアで2013年1月20日から。
なぜあのときやめて、なぜいま復活なのか?
11月20日に東京で行われた海洋堂新製品発表会で海洋堂 代表取締役 宮脇修一氏は、「当時、食玩があまりに増えてしまって、我々としてはおもしろくなくなってしまった」と数々のヒットがありながら食玩から手を引いた理由を述べた。そして、今回、カプセルフィギュアとして復活することになった経緯について、「最近、あまり良いものもないし、(ラインアップも)薄いので、頃合いかなと思った」とも。昨今、中国の彩色職人の賃金が上がったり、なり手が不足していることが、小型の立体造形物の生産を難しくしているという。
そこで、「カプセルQミュージアム」のフラグシップと位置づける「日本の動物コレクション」では、動物に対する広範な知識と造形者としての技術をあわせ持つ松村しのぶ氏に造形、解説原稿執筆などを依頼し盤石な態勢で挑む。
そのほかにも1月20日リリース予定の第1弾には、「恐竜発掘記ティラノサウルス」「岡本太郎アートピース集〜光の饗宴〜」と恐竜の中でも人気のティラノサウルスだけのシリーズに加えて、日本人なら知らない人はいないであろう岡本太郎画伯作品と強力なラインアップをそろえ、“数”を販売することでコスト高の中でもシリーズを軌道にのせる戦略を打ち立てた。そして、軌道にのった際には、回虫や細菌、リアル(見ようによってはグロテスク)な人体解剖模型など本来、海洋堂としては作りたかったマニアックな、「何かとんでもないもの」をリリースしたいとの意欲を示した。
ひと通り、「カプセルQミュージアム」の説明があった後で、ゲストの作家・荒俣宏氏が登場。「私は夜しか起きていなくて、ご近所からしたら何をやっているか分からない人。引っ越しの挨拶に行って『作家をしています』といったら、『ポジションはどこですか?』といわれました」とサッカープレイヤーに間違われたエピソードを披露した。それに対して宮脇氏も「今は『フィギュア』で通じますが、昔は『フィギュア』を作っていますというと『アイスリンクですか?』とか『スケート靴を作ってるんですか?』とかスケート関係の人と必ず間違われていました」と、勘違いエピソードを披露、その当時を考えるといまは製品展開しやすいと語った。
さらに荒俣氏は、自宅1階のガレージを改造して、棚を作り、海洋堂フィギュアを展示したところ、近所の保育園の子供たちが見にやって来て「おじさん、ゲージュツカだったんだね!」といわれたと海洋堂のフィギュアの思わぬ効能に触れつつ、「最近、もうそろそろ死んでも良いかなと思うんだけど、海洋堂がいろいろたくらんでいるのでもう少し生きていようと思います」と、冗談交じりにエールを贈った。
「シークレットあり」と書くようなことはしない
「カプセルQミュージアム」に、「シークレットがあるのか?」という質問に対して宮脇氏は、「多くのメーカーは『シークレットがあります!』とパッケージにシルエット入りで書くような馬鹿なことをする」と言及。海洋堂はそんなことはせず、「(あくまでも)シークレットはシークレット」と、「カプセルQミュージアム」にも、シークレットが用意されそうなニュアンスを持たせるだけにとどめた。
ちなみに食玩「日本の動物」シリーズのシークレットであるツチノコは、「初期ツチノコは、舌の造形が細かすぎて折れやすかったので、途中から舌を太くしているんです。だから初期のツチノコは希少価値があるんです」と裏話を語っている。
第1弾 3シリーズ 2013年1月20日リリース
日本の動物コレクション I 東北/北限のサル 全11種 1回300円
恐竜発掘記ティラノサウルス 全6種 1回300円
岡本太郎アートピース集〜光の饗宴〜 全10種 1回400円
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