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クレーンゲーム機の定番中の定番、セガの「UFOキャッチャー」売れるのには理由がある(1/3 ページ)

クレーンゲームの定番、セガの「UFOキャッチャー」命名の秘密から、その歴史、プレイヤーのみならず、店舗運営者にも支持されるその理由を聞いた。開発者直伝の正しい「UFOキャッチャー」の楽しみ方も。

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アミューズメント施設でお馴染み「UFOキャッチャー」

 あなたはその昔、クルマのリアウィンドウに人形を並べたりしなかっただろうか? あるいはそういったクルマを目にしたことはなっただろうか? 今回は、誰もが一度はその人形をゲットすべくプレイしたことがあるのではないか、というぐらい日本ではお馴染みのあのクレーンゲーム機を取り上げる。

 クレーンゲーム機といえば、アミューズメント施設やショッピングモールのゲームコーナーでお馴染みだが、もしかしたらクレーンゲーム機という呼び方よりも、「UFOキャッチャー」という製品名のほうが馴染みがあるかもしれない。それほどに名前が浸透している「UFOキャッチャー」だが、開発当初の名称は「UFOキャッチャー」ではなかったのだという。

 また「ニューUFOキャッチャー」は、クレーンゲーム=UFOキャッチャーというイメージを定着させたベストセラー機で、BGMや効果音に初代「ソニックザヘッジホッグ」のものが使用されていた。そのため、このサウンドを聴くとクレーンゲームを連想するプレイヤーも多いかもしれない。

画像 ロングセラー製品「UFOキャッチャー」シリーズの中でも、1991年にリリースされた4代目「ニューUFOキャッチャー」は、出荷台数が数千台でヒットとされる業務用ハードで、出荷台数1万5000台を超える大ヒット製品だ。初代に比べて、さらに景品が見やすくなっている

画像 「UFOキャッチャー」をはじめとした大型筐体の製品企画を担当している、プロダクト研究開発部 企画デザインセクション 深澤光晴(ふかざわ みつはる)氏(右)と筐体デザイン設計を担当している、同社 プロダクト研究開発部 機構設計セクション 高杉耕起(たかすぎ こうき)氏(左)にお話をうかがった

開発当初は、イーグルキャッチャー?

 「あまり古い話になると、先輩から聞いた話になりますが……」と、ことわりながらセガで「UFOキャッチャー」シリーズの製品企画を担当する深澤氏が語ってくれたところによると、「UFOキャッチャー」以前のクレーンゲームは、アームのツメが3つで筐体も低く、上からのぞきこんでプレイするものが多かったそうだ。

 今でも、ラムネやキャンディなど、おかしをすくい取る小型の筐体があるが、「UFOキャッチャー」以前のクレーンゲームもそういったタイプだったのだ。そこでセガは、もっとプレイヤーに楽しさをアピールでき、プライズが遠くからでも見えるものを目指して新形態のクレーンゲーム開発が始まったのだが、当初の名称はイーグルキャッチャーだった。

 「なぜイーグルかというと、『鷲づかみ』からですね(笑)」と、とにかく深澤氏は分かりやすいネーミングだったと笑う。「でも、実際の筐体のクレーンは、どこから見ても鷲というより、UFOみたいだったんです」と、「UFOキャッチャー」シリーズの筐体設計を担当する高杉氏が、正式名称決定の経緯を教えてくれた。

画像 1985年にリリースされた記念すべき第一号、初代「UFOキャッチャー」。それまでのクレーンゲーム機に比べて筐体に高さがあり、積み上げたプライズが遠くから良く見える

画像 実は日本では2本ツメのクレーンゲームが主流だが、海外のクレーンゲームは3本ツメがほとんど。2本のツメにすることでつかむ際のバランスが重要となってゲーム性が高度になり、つかんだプライズが良く見えるという利点もある(画像は「UFOキャッチャー8セカンド」のツメ)

 初代「UFOキャッチャー」が、クレーンゲーム機の楽しさをアピールするだけでなく、アミューズメント施設全体の雰囲気を楽しく演出できる装置としても評価され、以降、ショーケースのようにプライズを高い位置に配置できるクレーンゲーム機がスタンダードなものになっていく。

UFOキャッチャー7

画像 2001年にリリースされた、7代目の「UFOキャッチャー」。それまでのピンク系が目立つカラーリングから、白を基調としたものに変更し、筐体ではなく中のプライズが主役なのだということを際立たせるために、内部の照明も明るくした。3つめのボタンが搭載され、「高さ調整ボタン」などとして設定できるようにもなった

UFOキャッチャー8

画像 2008年にリリースされた8代目「UFOキャッチャー」。従来よりクレーンの位置が高くなったことで、よりレイアウトの自由度が増している


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