空気を汚さず乾燥もしにくい、デロンギのオイルヒーターは温める概念が違う:売れるのには理由がある(1/2 ページ)
デロンギといえばオイルヒーター、オイルヒーターといえばデロンギ。そこまでに定着し、他社を寄せ付けないオイルヒーターの定番中の定番だが、愛用される理由はどのあたりにあるのだろうか?
根本的にエアコン、ファンヒーターとは違う
―― 今回は愛用している人は手放せないというオイルヒーターについて、その代名詞ともいうべきデロンギの日本法人、デロンギ・ジャパン マーケティング部の田井隆輔氏にお話をうかがいます。最初にオイルヒーターがほかの暖房器具と違う点と、デロンギのオイルヒーターの特長を教えてください。
田井氏 それではまず、オイルヒーターの3つの特長から説明させてください。1つ目は、空気が汚れず乾燥しにくいということです。オイルヒーターの仕組みは、オイルを電気ヒーターで暖めてフィン(放熱板)に循環させることでフィンを暖め、暖まったフィンで壁や床を暖めて部屋全体を暖めるというものです。
そのため、ストーブのように灯油などの燃料を燃焼させることもありませんし、エアコンのように温風が吹き出すこともありません。二酸化炭素や一酸化炭素は発生しませんし、強制的に空気を動きませんから、ほこりが舞い上がることもなく、ハウスダストや花粉などのアレルギー症状がある場合でも、室内環境を快適に保つことができるといえます。臭いもありませんし、音も静かです。
独自設計の低温フィン
田井氏 2つ目は、火傷をしてしまうとか、火事になるという心配がほかの暖房器具に比べて少なくて済むということです。他メーカーのオイルヒーターでは外郭(がいかく)部が100度を越すものもあるのですが、当社のオイルヒーターは60度から80度ぐらいまでにしかなりません。さすがにずっと触れていれば低温火傷してしまいますが、何かの拍子にちょっとぶつかってしまったぐらいでは火傷しないようになっているのです。
田井氏 寝室で使ってらっしゃるお客様も多いのですが、万が一、寝具が触れてしまったとしても燃えたり、焦げたりすることもありません。小さいお子さんや赤ちゃんがいるご家庭でも安心してお使いいただけます。
オイルの補給などは必要なし
田井氏 3つ目はメンテナンスが楽だということです。オイルヒーターは名前に「オイル」と付くからといって、オイルを燃やしているわけではありませんから、オイルの補充であるとか交換は一切必要ありません。お手入れは、ほこりや汚れが付いたら掃除していただく程度というお手軽さです。
繰り返しになりますが、暖房器具として安全なのは元より、暖房による空気の乾燥がなく、喉や目、お肌に優しいのが特長です。お客様の中には、乾燥に弱い体質でエアコンが使えないという方もいらっしゃいます。生まれたばかりの赤ちゃんも環境の変化に弱いですから、産婦人科で使っていただいているところも多いのです。産婦人科で出産のため入院中にオイルヒーターを使い、そこで初めデロンギを知ってお買い上げいただくというケースもあるんです。
―― なるほど特長が分かったところで、製品の歴史を教えていただけないでしょうか。デロンギはイタリアで創業された企業ですから、最初のオイルヒーターもイタリアで開発されたと思うのですが、いつぐらいに開発されたのでしょうか?
田井氏 デロンギのオイルヒーターは、1975年にイタリアで第一号機が発売されました。開発にいたるきっかけは、1973年のオイルショックだったんです。それまで海外では一般的だった、建物を全館丸ごと暖める方式から、部屋ごとの暖房に切り替えよう、化石燃料を使用しない暖房に切り替えようという、世の中の動きに合わせて開発されたのです。
―― それが今では、日本を含めて世界中で販売されているということですね。
田井氏 そうです。現在、イタリアだけでなく世界60カ国で販売され、累計販売台数は約5000万台(デロンギ・アプライアンス調べ)となっています。
―― 製品の耐久性はいかがでしょうか。何年ぐらい使用できるものですか?
田井氏 使い方にもよりますから一概に言えないのですが、日本の気候を考えて1年間のうち、4、5カ月の使用であるとすれば、最低でも6年間。中には、10年間程度、大事に使っていただいているお客様もおられます。我が社としては、オイルヒーターをお買い上げいただいてから3年間を保証期間としており、6年間は修理用パーツを確保しています。
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