インタビュー
» 2015年08月01日 06時00分 公開

衝撃的にウマい「油で揚げないポテチ」誕生秘話 地方メーカー・テラフーズの挑戦の歴史(2/2 ページ)

[小林誠,ITmedia]
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「素焼き」のポテトチップスがおいしい理由 他社と大きく違う作り方

――では商品開発のお話を伺いたいのですが、従業員は何人くらいなのですか?

 10人ほどだね。

――えっ!? 少なくありませんか?

 工場は全自動で、研究・開発センターで、しかも油を使わないから清潔ですよ。

――その「油を使わない」製法ですが、ほかのスナック菓子メーカーとの違いを教えてもらえますか?

 普通のポテトチップスは高温の油の層(フライヤー)の中で処理されて膨らませます。油で揚げる時に空気が含まれて、あのサクサクパリパリの食感ができるんです。

――しかし御社の場合は油を使わないのにサクサクパリパリです。

 われわれは遠赤外線を使った素焼きです。例えば「焼きじゃが PREMIUM」では、ジャガイモのパウダーをペレット化(固形化)して、それを圧と熱と時間で処理するのでサクサクになる。これがまさに特許の部分で、他社がやっても同じようにはできません。瞬時に処理するのが難しく、膨張剤を使う方法などではおいしくない。

テラフーズの膨化設備

――ジャガイモをそのままスライスしているわけではないんですね。

 わが社のポテトチップスは、ペレットだから外から味付けするのではなく、例えばガーリックなどを練り込んで中から味付けできる。味付けは自由自在。このペレットもいろんな種類がある。例えば以前売っていた「ポテかるっ」や「焼きじゃが」はかなりおいしい。

――え? どういうことですか?

 使っているペレットが、生のジャガイモをスライスしてペレット化したものだからね。均一性が悪いのでロスが出やすいが(そう言って、会長は開発中の「生」のペレットを用いたチップスを試食させてくれた)。

――あっ、確かにジャガイモの味が強い!

 そちらを原料に切り替えた商品も出しますよ。付加価値をつけて売れるからね。もう一つ生に近いペレットとして「マッシュポテト」を使ったペレットもある。これもおいしい。

テラフーズの遠赤外線焼成機。油を使わない素焼きだが、独自の特許製法によりサクサクパリパリに仕上がる

 米やコーンを使っても作れます。今はキムチを使ったチップスも考えている(と言って再び開発中のキムチチップスを試食させてくれる)。

――これキムチですよ! チップスなのに味はキムチそのもの!

 油を使わないうちの製法だからキムチの味をそのまま出せるんですよ。

小さい会社だけど大手と組んで事業を拡大 健康重視のスナック菓子普及へ

――今後も大手と組んで事業を続けていくのですか?

 ええ、今もプライベートブランドでうちの技術を欲しがる大手さんはたくさんいますからね。とくに「焼きじゃが PREMIUM」を知って、皆がこれをやってみたいというお話がたくさんあります。

 ただ先ほども述べたようにR&Dの工場なので生産力がそれほどない。そこでネームバリューのある大きい会社を選択して一緒にやっている面があります。そのほうが宣伝もしてもらえますからね(笑)。

――商品そのものが宣伝材料なんですね。

 ええ、広告代わりです。「油を使わない」商品がある、というね。

――今後の商品で考えていることは?

 日本国内の原料調達を増やしたい。大分の杵築は「お茶」と「みかん」が特産品で、このチップスも作っている。

 そして今後も健康的で身体に優しい商品の開発を続けます。トランス脂肪酸やアクリルアミド(発がん性がある)の問題で日本は対応が遅い。日本のメーカーも努力はしていますよ。米国では油の揚げる量を減らしたりね。だけど“そこそこ”の努力では足りない。味もおいしくない。油の弊害(危機)である(1)アクリルアミド(発がん物質)、(2)トランス脂肪酸(心臓病リスク)、(3)高カロリー/肥満・・・…それを一挙に解決する技術は、うちの特許製法がオンリーワンでありベストワンであると信じて進めています。

――なるほど。その自社製品へのプライドが、これだけの味を作り出しているんですね。渡邊会長、本日はありがとうございました!

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