iOS 9でiPhoneのヘルスケアはどう変わったか

iOSのアップデートにより、iPhoneのヘルスケアアプリにも機能が追加されています。新たに用意された項目を中心に、変更点を見てみましょう。

» 2015年09月18日 11時30分 公開
[園部修ITmedia]
iOS9 ヘルスケア

 9月17日早朝に配信が始まったiOSの最新バージョン「iOS 9」では、さまざまな新機能がiPhoneやiPadに追加されていますが、「ヘルスケア」機能にも変化がありました。今回はヘルスケアアプリに追加された項目を中心に、変化を見てみましょう。

 iOSのヘルスケアアプリは、さまざまなアプリからデータを収集し、他のアプリと共有するための格納庫のような場所です。そこに項目が増えるということは、(対応アプリが増えれば)連携の幅がさらに広がるということを意味します。

 ヘルスケアアプリと連携するアプリは現在増えつつあり、特に活動量計用のアプリなどは収集データを共有するものが主流になりつつあります。ただ、まだ普及の途上ということもあり、そのデータを活用するアプリはそれほど多くありません。項目が増えることで、この活用の幅も広がる可能性があります。

リプロダクティブヘルスが新たに追加

 今回ヘルスケアアプリを立ち上げるとすぐに分かるのが、ヘルスケアデータの中に「リプロダクティブヘルス」が追加されたこと。これが一番大きな変化です。

iOS9 ヘルスケアiOS9 ヘルスケア ヘルスケアアプリに新たに追加された「リプロダクティブヘルス」

 リプロダクティブヘルスとは、WHO(世界保健機構)が定義する、生殖にまつわる健全さと権利を指す言葉です。

リプロダクティブ・ヘルスとは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指す。したがって、リプロダクティブ・ヘルスは、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由をもつことを意味する。1994年、カイロ国際人口・開発会議で採択された文章に基づいている。

(Weblio辞書「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」より引用)

 アプリ内の細かな項目としては、基礎体温、月経、性行為、点状出血、排卵検査結果、頸管粘液の質が追加され、これらをデータとして保持できるようになりました。かなりパーソナルなデータですが、主に女性の健康管理に役立つ項目といえます。「ルナルナ」などのアプリが対応すると、この項目の活用が活発化するかもしれません。

Apple Watchで計測できる「スタンド時間」も追加

 このほか、「カロリー」という表記が「エネルギー」に変更されており、アクティブカロリーと安静時消費カロリーが、アクティブエネルギーと安静時消費エネルギーになりました。スタンド時間と合わせて、いずれもApple Watchで計測できるデータが格納・確認できるようになると思われます。watchOS 2の配信が延期されたこともあり、まだ明らかになっていない部分がありますが、Apple Watchにもヘルスケアアプリが追加されることになるようです。

iOS9 ヘルスケアiOS9 ヘルスケア Apple Watchで計測できるスタンド時間も項目として追加。Apple Watchにもヘルスケアアプリが追加されるようですが、どういう形で連携するのかはwatchOS 2のリリースを待つ必要がありそうです

 Apple Watchの計測データは現状「アクティビティ」アプリで参照しますが、外部のアプリから活用できなかったので、これはありがたいポイントではないでしょうか。

紫外線と皮膚に関する項目なども

 興味深いのは、UV指数、フィッツパトリック・スキン・タイプといった、紫外線と皮膚に関する項目が追加されていること。

 UV指数は、紫外線を受けた量を計測できるデバイスなどから収集したデータを格納する物だと考えられます。体内でのビタミンDの生成を助けるほか、日焼けはがん疾患、しわ、しみ、皮膚がんの原因ともなると説明されています。

 フィッツパトリック・スキン・タイプとは、「日光に当たって皮膚が赤くなりやすいかどうか、皮膚色が濃くなるかどうかといった皮膚のタイプを分類する」ものだと説明にあります。I〜IVまでの分類があるようです。

 このほか細かいところでは、糖分が食物中の糖分、という表記に変わっていました。摂取した水分を記録する、水分という項目も増えています。最近登場したアプリやデバイスに積極的に対応した結果ではないかと予想されます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/11/news132.jpg 第5子妊娠中の宮崎麗香、子どもたちとの“奇跡の1枚”が撮影される ギャップ満載な“現実”ショットも話題に
  2. /nl/articles/2409/08/news001.jpg 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  3. /nl/articles/2409/11/news038.jpg 「僕ですかこれ」 垢抜けたい男性が“劇的イメチェン”→その大変身に「すげええ!」「泣けたわ」と仰天
  4. /nl/articles/2409/11/news024.jpg たまりがちなスタバ紙袋、リメイクで予想外の“便利グッズ”に大変身 580万再生のアイデアに「天才かよ」「素晴らしい……」
  5. /nl/articles/2408/18/news012.jpg 「これは思わず……」 田舎のホビーオフに1万5400円で売っていた“まさかの商品”に仰天 「何でも売ってる」
  6. /nl/articles/2409/10/news038.jpg 50代女性、尋常性白斑によりホワイトヘアに→ばっさりショートにすると…… 誰もが見惚れる姿に「どハンサム」「本当にカッコ良すぎ」
  7. /nl/articles/2409/08/news032.jpg 「コレ入れると草が生えない」 外構工事のプロがやっている“究極の雑草対策”に注目
  8. /nl/articles/2409/07/news027.jpg “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  9. /nl/articles/2408/10/news024.jpg 「こんなものも売ってあるの?」 ホビーオフに13万2000円で売っていた“まさかの商品”に「超欲しい」
  10. /nl/articles/2409/10/news191.jpg 「さすがに不快」 PARCO「ラブベリ」展でファッションモデルの“ほぼ全裸”投稿に批判 主催者「削除依頼している」
先週の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  3. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  4. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声
  5. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  6. 猛毒ガエルをしゃぶった30分後、口がとんでもないことに…… 直視できない異常症状に「死なないで」「この人が苦しむってよっぽど」
  7. 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  8. 「コレ入れると草が生えない」 外構工事のプロがやっている“究極の雑草対策”に注目
  9. 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
  10. 秋葉原のトレカ店が“買い占め被害” 近隣店とその常連客が共謀し“全口購入の人員確保” 「大変遺憾で残念な限り」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」