栄養価たっぷりの「ブロススープ」その効果と作り方
一時期、ニューヨークで流行したという「ブロススープ」。日本でもひそかなブームがきた時期がありました。このブロススープ、健康や美肌、アンチエイジングに効果を発揮するといわれています。
冬といえば、街を歩くときにカフェのほかほかのコーヒーを片手に歩くのが楽しみの1つでもありますよね。でもそんなとき、ニューヨークの街角では、ある「スープ」を飲むことが、ここ数年ブームなのだとか。
そのスープとは、「ブロススープ」といわれるもので、肉や野菜のエキスがたっぷり溶けただし汁。「だし汁を飲むの?」と驚くかもしれませんが、その背景にはちゃんと理由があるようです。
そこで、ブロススープに詳しい料理家のタカコ ナカムラさんに、その効果や作り方を聞きました。
ブロススープって何?
ブロススープとは「ブロス(だし)」スープのこと。その種類は大きく分けて2種類に分かれます。肉や魚の骨を使った「ボーンブロス」や「チキンブロス」などと呼ばれるものと、野菜の皮・種・へたを使った「ベジブロス」です。
どちらも、骨や切れ端など本来捨てる部分を用いて、長時間かけてコトコト煮込み、食用部分からは得られにくい栄養素がたっぷりと溶け込んでいるのが特徴。
肉や魚のブロスからは、ゼラチンやコラーゲン、野菜のブロスからは、ポリフェノールやカロテノイドをはじめとしたファイトケミカルや、水溶性の食物繊維などを摂取できます。
ブロススープの栄養効果とは?
このブロススープに溶け込んだ栄養素は、身体にうれしい効果があるといいます。ナカムラさんにそれぞれの効果を教えてもらいました。
ボーンブロスの栄養効果
「牛・豚・鶏、魚の骨を長時間かけて煮込むため、骨から抽出されるカルシウムやマグネシウムのほか、軟骨部分のコラーゲンやゼラチン、グルコサミン、グリシンなどがたっぷり摂取できます。美肌効果のほか、骨粗しょう症、関節痛、更年期障害なども予防・緩和するため、アンチエイジング効果も見込めます」
ベジブロスの栄養効果
「野菜の皮や種、ヘタなど、本来捨てる部分には、“ファイトケミカル”という栄養素が豊富に含まれています。ベジブロスとして長時間煮込むことで、このファイトケミカルがたっぷり溶け出します。
ファイトケミカルには、強い抗酸化力や免疫力の増強効果があります。生の野菜を絞ったジュースとゆで汁とを比較したところ、ゆで汁には、生絞りジュースの約100倍の抗酸化力があることが分かりました。
また、ファイトケミカル入り野菜スープを2週間飲んで、白血球が平均約43%も増えたという研究データもあります。つまり、免疫力増強にも役立つのです。白血球が減少して免疫が低下することは、がんにもつながることから、抗がん作用があるともいえます」
ブロススープを作ってみよう
実は、「ベジブロス」は、ナカムラさんが「野菜の皮や根で煮出す野菜のだし」のことを、1988年に名付けたもの。そのベジブロスには、どんな材料を使うのでしょうか。基本的なブロススープの作り方を教えてもらいました。
ベジブロスの基本材料
- タマネギの皮・ヘタ
- 長ネギの青い部分
- ニンジンの皮・ヘタ
- シイタケの軸・石づき
- セロリの葉
など
ベジブロスの作り方
- 大きめの鍋に水を1300ml入れた中に、基本材料をよく洗ってから入れる。
- 火をつける前に、臭みを消し、うま味を引き出すために、料理酒を小さじ1入れる。
- 火をつけて弱火で20〜30分煮る。アクはファイトケミカルなのでとらない。
- ボウルの上にザルを置いてこしたら、でき上がり。
飲み方
- ストレートで
- 塩をちょっと加えて「即席スープ」として
- みそをちょっと加えて「みそ汁」として
- 梅干しをちょっと加えて「和風スープ」として
- ナンプラー&ごまをちょっと加えて「中華風スープ」として
ナカムラさんによれば、ベジブロスはスープとして飲むほかに、料理にもそのまま使えるそうです。水の代わりにベジブロスでご飯を炊いたり、お湯の代わりにインスタントラーメンを作ったりするのもおすすめだとか。
日ごろ、インスタント食品を多く食べていて、栄養が偏りがちな人には強い味方になってくれそうです。
その健康・美容・アンチエイジング効果が得られるのはもちろん、うま味がたっぷり出ているので味も深みがあり、おいしいのもブロススープの魅力。その肉の骨や野菜の切れ端、捨てずに煮込んでみてはいかがでしょうか。
取材協力:タカコ ナカムラさん
一般社団法人ホールフード協会 代表理事。料理家/フードディレクター。
山口県の割烹料理屋に生まれる。アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚め
発酵食や乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発やオーガニックカフェのプロデュースに関わる。現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコナカムラWhole Foodスクール」を主宰。「塩麹」「50度洗い」「ベジブロス」の仕掛け人として次々と食のトレンドを発信。業界関係者からも厚い信頼と注目を集めている。著書に「奇跡の野菜だし ベジブロス」など多数。
関連記事
- 太っていても「低栄養」? 問題点と対策
今、高齢者の間で「低栄養」が問題になっています。高じると、死亡リスクが高まるといわれています。まだ30〜40代であっても、低栄養予備軍である可能性が! ぜひチェックしてみましょう。 - 栄養、偏ってない? 卵かけご飯に合わせたいメニュー3選
卵かけご飯は、ちょっと工夫するとさらに健康的に食べることができます。偏りがちな栄養バランスをおかずで補っていきましょう。 - 「メタボなのに栄養失調」な人が多い理由
メタボな体型に悩む人が数多い現代ですが、その分、さまざまなダイエット情報もはんらんしている現代。そんな迷える子羊たちへのアドバイスを、管理栄養士の米倉かなさんに聞きました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
-
【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
-
「プロ野球チップス」で誤字 伊藤大海投手を「176m」と記載してカルビー謝罪
-
「ママ友襲来10分前」→さぁ、どうする……? 大爆笑の“あるある”再現が400万再生突破「腹ちぎれました」「バナナ食べんでもええやん」
-
富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
「大型魚の餌に!!」 熱帯魚店の“思わず目を疑うPOP”に恐怖 「サメでも飼うの?」
-
2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに手をスリスリされた瞬間…… 愛と幸せあふれる空間に笑顔になる「これぞ天使だ」
-
漂う違法感 東京に戻る息子へ持たせた“大量のブツ”に「九州人あるある」「帰省からの帰りいつもこれ」の声
-
異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」