第14回 「Apple Watch」の発売に向けて、準備を進めるApple:“ウェアラブル”の今(2/2 ページ)
1月27日に開催された決算会見で、「4月発売」が予告されたApple Watch。その存在は、Apple Storeのあり方やiPhoneの使い方にも変化をもたらすと考えられる。
2015年中は69カ国で販売か
日本のApple系情報サイト、MACお宝鑑定団によると、Appleが自社のWebサイトでApple Watchを紹介しているのは69カ国であると指摘した。
AppleのWebサイトは現在118カ国向けに用意されているが、このすべてにApple Watchのコーナーがあるわけではなく、すべてのiPhone販売国でApple Watchを発売するわけではないとしている。
AppleはそのMacについては各国で同時に発売としているが、iPhoneやiPadについては発売時の国を限っている。例えばiPhoneの場合、7〜15カ国程度からスタートし、2週間後、1カ月後、といったタイミングで順次追加しながら販売国を増やしていく方法をとっている。
前述のApple Watchを披露したイベントには、米国はもちろん、欧州、中国、日本から、テクノロジー系だけでなくファッション系の媒体の記者も招かれていた。また2014年10月の中国版のVogueの表紙を飾ったリウ・ウェンさんは、Apple Watchを身につけて写真に写っていた。パリコレクション会期中には、フランスの高級店ColletteでApple Watchの展示を行ったりもしている。こうしたApple Watchに関する活動からすると、米国はもちろんだが、フランス、中国などでも早い段階で発売される可能性がある。ここに日本も含まれていると良いのだが、MACお宝鑑定団は日本を含むアジア圏でのローンチを秋ごろと予測している。
1日100回以上のスマホチェックを、いかに代替できるか
販売の方法についてもまだ不明だが、Apple Watchは宝飾店のようにApple Watchを扱う事が予測される一方で、そうしたコンテクストを持った製品を、大行列を作って買いたいか?といわれると疑問符が残る。
特に、Apple Watch Editionは数千ドルにもなると予測されており、そうした製品を求める顧客を4月の肌寒い深夜から並ばせるほど、Appleも無神経ではないだろう。
Apple Online Storeで購入し、Apple Store店頭で受け取ることができる「パーソナルピックアップ」の活用や、店頭でのフィッティングを予約するなど、もう少しスマートな方法を採ることもできるはずで、そうした店頭での体験の変化にも注目している。
さて、Apple Watchは基本的に、iPhoneユーザーにとって便利であることにフォーカスされている。そのため「どんな人がつけたら良いか?」と聞かれると、「iPhoneユーザーです」と答えるしかない。少なくとも現状の情報だと、それ以上は分からないが、おおよそその予測で正しいと思う。
iPhoneに限らず、スマートフォンはプッシュされてくる通知によって、使用が始まることが多い。ニュースが届いたり、友人からのメールやメッセージ、自分が投稿したソーシャルメディアへの反応などを含めると、1日に100回以上、スマホの画面が勝手に点灯するのをのぞき込むことになるはずだ。
例えばその半数をApple Watchの画面で済ませるとしたら、皆さんの1日はどう変わるだろうか。もっと作業やコンテンツなどに集中できたりしないだろうか。
他方、歩いていると、ポケットの中でバイブレーションが鳴っても気付かないことが多い。こうした着実に知りたい通知についても、手首で必ず気付くことができるようになる。大きくではないが、少しずつ、スマートフォンとのつきあい方に変化を及ぼす、そんな存在になると予測しており、同時に期待を持っている。
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