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一番正確なのはどれだ? ロードバイク用おすすめ「サイコンアプリ」比較レポート!自転車はガジェットだ!

スポーツバイクで使うGPSを使ったサイコンアプリが実際のサイクルコンピューターに精度で迫れるのかを4アプリで検証してみました。

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 ロードバイクやクロスバイクでサイクリングをしていると、気になるのが「今は何キロ走ったかな」「平均速度は何キロなのかな」というデータだと思います。ホイールにセンサーを取り付けるサイクルコンピューターを搭載しているのであればまだしも、スマホのGPSで記録するタイプで重要なのは、「本当にこれ正しいの?」という正確性ではないでしょうか。

 そこで今回は有名なサイコンアプリ4つを同時に使い、どれがもっとも精度が高いのか検証してみました。

ベースはサイクルコンピューターで

 しかしながら、正確性というと基準が必要となります。そこで、基準としては筆者愛用のCATEYE製「CC-RD500B」を使います。このサイクルコンピューターに限らず、一般的なサイクルコンピューターはホイールに取り付けたセンサーにより、正確な数字(1回転の距離 x 回転数)がでてきます。そのため、それを基準として、どのアプリがどのぐらい正確なのかを検証してみましょう。

 ちなみにコースは、筆者の自宅近くにある練習用コース。おおよそ1キロメートルで60メートル程度登る(斜度6%)のと、下るのを行う周回コース。1周2キロメートルでヒルクライムとダウンヒルの練習となる良いコースなのです。今回は自宅との往復と、練習コース5周した結果で試してみました。

 また、スマホの設定では精度重視としてWi-FiとGPSをオン、Bluetoothをオフにし、信号などでの一時停止の設定は標準のままとしてみました。

「サイクルコンピューター」でのデータ

 まず、基準となるデータは以下。

項目 サイコン
計測時間 1時間29分29秒
走行時間 55分24秒
走行距離 16.28km
平均スピード 17.5km/h

 となりました。計測時間が走行時間よりも30分ほど多いのは、練習中にペダルのセッティングや休憩を行ったためです。

Runtastic Road Bike(iPhone版)

 最初に試したのは、スポーツバイク乗りには超鉄板と言われるほどのサイコンアプリ「Runtastic Road Bike」です。自転車に特化しているだけあって、オフライン地図ダウンロードや気温表示、風速表示にも対応しています。

 面白いのが、獲得(累積)標高の表示や、斜度の表示にも対応しているところ。スポーツバイク乗りにはなんとなく気になる情報を取得できるのもうれしいですね。

 その「Runtastic Road Bike」でのデータが以下。

項目 Runtastic Road Bike サイコン
計測時間 1時間32分5秒 1時間29分29秒
走行距離 16.8km 16.28km
平均スピード 10.9km/h 17.5km/h

 平均スピードが遅いのは、一時停止時に計測が続いていたためと思われます。また、走行距離はサイクルコンピューターよりも少し多いようです。

(左)地図表示やデータの見やすさや分かりやすさがポイントかも。(右)珍しいのが勾配データの割合表示で、登った場所がどのぐらいのキツさなのかを視覚的に分かります

RunKeeper(iPhone版)

 自転車以外にも、ジョギングやスキーなどフィールドスポーツ全般に使えるスポーツアプリ。2種類以上のスポーツをしている人が1つのアプリで済むというメリットがあるほか、ペース走行のトレーニングも可能な本格的なアプリとなっています。

 「RunKeeper」でのデータです。

項目 Runkeeper サイコン
計測時間 1時間31分21秒 1時間29分29秒
走行距離 16.36km 16.28km
平均スピード 10.74km/h 17.5km/h

 こちらも、一時停止時に計測が継続されるため、平均スピードは遅めとなっています。しかしながら、走行距離はサイクルコンピューターと遜色ないものになっているようです。

(左)どの時点で何キロ走っていたのかを地図で表示してくれるためロングライドで場所と距離の記録が分かりやすい。(右)スピードや標高のグラフも時間軸で統一されていて分かりやすいアプリです

 続いて、ここから先の2アプリはAndroid専用アプリとなります。

IpBike ANT+サイクルコンピューター(Android版)

 ありとあらゆるサイクルコンピューター向け機能を詰め込んだアプリとなっており、初期設定で自分のバイクデータや体重を入れることで、正確な計測ができるようになっています。内容としては非常にマニアックに作られていて、詳細グラフの閲覧や、走行データのエクスポートにも対応しています。

 「IpBike ANT+サイクルコンピューター」のデータです。

項目 IpBike ANT+サイクルコンピューター サイコン
計測時間 1時間32分18秒 1時間29分29秒
走行時間 59分33秒 55分24秒
走行距離 16.553km 16.28km
平均スピード 16.6km/h(一時停止あり) 17.5km/h
平均スピード 10.7km/h -

 マニアックなアプリだけあり、データの内容も充実しています。また、一時停止が加味されているようで、計測時間と走行時間を別々に記録できるのもポイントのひとつ。走行距離もサイクルコンピューター比で、少し多いですがデータ内容はおおむね正確と言えるでしょう。


とにかくデータの鬼となったようなアプリは最初に見方を覚える必要がありそう

データグラフもマニアックなので表示させるグラフを選択することで強力なアプリに

My Tracks(Android版)

 Google純正のGPSトラッキングアプリ。自転車以外に、飛行機や自動車といったスポーツではないカテゴリも選択できます。あらゆる移動に関してデータの計測や保存ができる、シンプルながら驚異的な機能を持ったアプリだと言えるでしょう。

 「My Tracks」のデータです。

項目 My Tracks サイコン
計測時間 1時間32分23秒 1時間29分29秒
走行距離 16.27km 16.28km
平均スピード 10.57km/h 17.5km/h

 びっくりしたのは、走行距離。サイクルコンピューターとほぼ同じデータとなっているのです。つまり、距離だけ見るにはこのアプリがもっとも正確なアプリと言えるかもしれません。

(左)シンプルな表示ながら、最低限必要なデータを表してくれる記録画面です。(右)標高と速度を重ねて表示してくれるグラフでは、どの場面で速度が落ちたなども分かりやすい

結果は……

 以上、4アプリで計測してみた結果です。表にもまとめてみました。

項目 サイコン Runtastic Road Bike Runkeeper IpBike ANT+サイクルコンピューター My Tracks
計測時間 1時間29分29秒 1時間32分5秒 1時間31分21秒 1時間32分18秒 1時間32分23秒
走行時間 55分24秒 - - 59分33秒 -
走行距離 16.28km 16.8km 16.36km 16.553km 16.27km
平均スピード 17.5km/h 10.9km/h 10.74km/h 16.6km/h(一時停止あり) 10.57km/h

 ちなみに、サイクルコンピューターよりもアプリの計測時間が長めなのは、サイクルコンピューターは自転車が停車すると自動的に停止するのとは違い、アプリは手動で停止させたからだと思われます。つまり、スマホを取り出してからアプリ停止させるまでの時間がカウントされてしまったのでしょう。

 最終的に4アプリを使ってみた結果、走行距離がもっとも正確だったのは、Google純正アプリ「My Tracks」です。サイクルコンピューターと遜色ない結果でした。iPhone向けには総合トレーニングアプリの「RunKeeper」が良さそうです。

 今回はどのアプリも初期設定のまま利用しましたが、どのアプリにも一時停止時のカウント設定があるため、上手に設定することで本物のサイクルコンピューターに遜色ないデータを出すことができそうですね。いずれも無料のアプリなので、使い比べてみても良さそうです。

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