第20回 Apple Watchのケースとバンド、どう選ぶか:“ウェアラブル”の今
Apple Watchは、これまでのApple製品と比べて格段にバリエーションが多い。価格や色、サイズ、実機に触れてから決めるのかどうかも含め、いろいろな選択肢の中から選ぶことになる。
Appleの3月9日のイベントで、Apple Watchを「4月10日に予約・展示開始」「4月24日に発売」とアナウンスした。日本は米国・中国などと並んで最初の発売グループ9カ国に入り、時差の点で、世界で最も早くApple Watchを発売する国の1つになりそうだ。
Apple Watchは、既に詳細に報じられているとおり、最も価格が安いアルミニウムケースの「Apple Watch Sport」、ステンレススチールケースの「Apple Watch」、そして18Kゴールドを採用した「Apple Watch Edition」の3モデルが用意される。
Apple Watch Sportはスポーツバンドの色の組み合わせで5種類あるが、いずれも38ミリモデルが4万2800円、42ミリモデルが4万8800円。それ以外のモデルは、ケースと付属するバンドに応じて価格が異なる。
最も高い価格のモデルはApple Watch Editionの「38mm 18Kローズゴールドケースとローズグレーモダンバックル」もしくは「38mm 18Kイエローゴールドケースとブライトレッドモダンバックル」で、218万円となる(価格はいずれも税別)。
Apple Watch Editionは、他のモデルと違い、38mmモデルに、最高額の構成が設定されている。なお、各モデルともに、性能面での違いはない。
- →「Apple Watch」価格まとめ 最安Sportは4万2800円から Editionは100万円超え
- →Apple Watch、ケースとバンドの「全組み合わせ」98パターン大公開
- →Apple Watch 実機に触れて驚いたことと残念だったこと
機能は同じ、雰囲気はケースで変わる
Apple Watchは機能もさることながら、着け心地がとても重要な要素となるだろう。そこでAppleは、Apple Storeに加えて、日本では伊勢丹やDover Street Marketでも展示を行い、間近で見たり、腕に着けて試すことができるようにする。
100万円を超えるモデルしか用意されていないApple Watch Editionはいったん抜きにして、Apple Watchか、Apple Watch Sportか、という選択で悩んでいる人もいるかもしれない。
どちらのバージョンを選ぶかの1つの尺度に、「雰囲気」がある。
現在のApple製品は、ほぼすべてがアルミニウムでできており、Apple Watch Sportも酸化皮膜処理が施されたアルミニウムとガラスのケースだ。つまり、いつものApple製品らしさで時計が作られている、という印象を与える。
Apple Watchのステンレススチールケースの方が、普段の「Apple製品らしさ」が薄いという印象だ。より「時計」としてのアイテム性を強く持っているなら、Apple Watchの方が良いかもしれない。
雰囲気の点で言うと、アルミニウムのケースにもステンレススチールのケースにも、黒っぽいモデルが用意されている。Apple Watch Sportにはスペースグレーのモデルが、Apple Watchにはより黒が引き締まったスペースブラックのモデルがある。
スペースグレーのApple Watch Sportは他のカラーと同じ価格だが、Apple Watchのスペースブラックモデルはリンクブレスレットとの組み合わせのみが設定されているため、価格は38ミリモデルで12万6800円、42ミリモデルで13万2800円と、Apple Watchの中では最も高い構成となる。
バンドはサイズに注意してフィッティングを
もう1つ、雰囲気を構成するのはバンドだ。
Apple Watch Sportは、スポーツバンドとの組み合わせしか設定されておらず、同じ色のバンドが大小2本付属してくるため、自分の腕に合うものを装着して使うことになる。つまり、ユーザーが自分で取り外して交換できる、ということだ。
Apple Watchには、スポーツバンドに加えて、レザーやメタルのバンドが用意されている。ケースのサイズによって付属するバンドで対応できる腕の太さが異なり、また自分の腕のサイズに合ったバンドを選択する必要がある。
例えば、Apple Watchの「モダンバックル」は、38ミリモデルにのみ設定されているものだが、S、M、Lの3種類の長さがある。しかしLサイズでカバーできるのも周囲180ミリまでで、レザーバンドでそれ以上のサイズが欲しい場合は、42ミリモデルのレザーループか、クラシックバックルを選択する必要がある。
また、Apple Watchの「ミラネーゼループ」や「リンクブレスレット」は、38mm、42mmいずれのモデルにも用意されているが、ケースのサイズに応じてカバー範囲が異なる。全体を通じて、38ミリのケースで対応する腕は130ミリ〜180ミリ前後を、42ミリのケースは140ミリ〜200ミリ前後となっている。
詳しいサイズガイドはAppleがWebサイトで公開しているので、購入を検討しているなら確認しておきたい。
オプションバンドやサードパーティーも
Appleのバンドは、オプションでも購入できる。スポーツバンドの色違いが欲しい場合は5800円、レザーやメタルは1万7800円からだ。例えばApple Watch Sportにステンレスのリンクブレスレットやレザーのモダンバックルのバンドを追加して楽しむ事もできる。
レザーは大丈夫だが、金属のバンドはアルミニウムとの雰囲気が合わないかもしれない。恐らくこれらの交換バンドは、Apple Storeなどでの店頭で見ることができるようになるはずなので、自分のApple Watchに合うバンドの組み合わせを確認した方が良いだろう。
また、バンドが交換可能ということは、Apple以外のメーカーがバンドを作る可能性も残されている。
これまでのApple製品がサードパーティーのアクセサリによって魅力や便利さを高めてきたように、Apple Watchのバンドも、さまざまなメーカーやブランドが取り組むことになるのではないか、と期待できる。
例えばClickは、Apple Watchの本体カラーとマッチさせたバンドアダプター、「Watchband Adapter for Apple Watch」を企画し、Kickstarterキャンペーンを始めようとしている。このアダプターを使えば、一般の腕時計用のバンドをApple Watchで利用できるようになる。
また、別のKickstarterキャンペーンを展開しているMonowareは、Appleよりも安い価格でレザーやリンクブレスレット、スポーツバンドなどを発売する予定だ。
面白い製品は、バッテリーつきバンド「Reserve Strap」。本体背面で非接触充電を行うApple Watchの特性を生かし、バンド部分にバッテリーを、背面部分に充電端子を配置し、装着しながら充電することができるようにしている。
そこまでしてApple Watchのバッテリー寿命を延命すべきかはやや疑問もあるが、18時間というバッテリー持続時間に不満な人にとっての選択肢として面白いかもしれない。
予約と販売の方式にも注目
今回は、ケースとバンドの組み合わせについて紹介した。
基本的にApple Store(オンライン/リテール)ではフルラインアップが扱われることになるはずだが、特にApple Watch Editionを自宅に配送するような扱いをするとは考えにくい。Apple Storeでの受け取りなど、今までとは異なる販売方法が期待される。
また伊勢丹などの高級百貨店での販売に、Apple Watch Editionが含まれるかどうかも注目している。いずれにしても、Apple Watch以上の製品については、付属バンドのサイズの違いもあることから、フィッティングを含め、購入体験を大切にする対応が取られるべきだと考えている。
またApple Watch Sportについては、バンドが大小2本付属してくることから、特別なフィッティングなどの対応を行わなくても購入して使い始められるパッケージを目指しているように思われる。そのため、量販店などでの販売も、行われることになるのではないだろうか。
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