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Ingressメシ【第11回】5000人以上が参加した公式イベント「SHONIN-証人-」(とおいしいごはん)を京都で堪能してきた消費カロリー台なし企画

歩き回ったらお腹が空く。ダイエット? 知らんがな! うまいもん食べたい!

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 本連載Ingressメシは、「Ingressでやせる!」などという無茶なことは言わずに、ゲームを楽しみがてらポータル付近のおいしそうなものを思うさま喰らって、「せっかく歩き回って消費したカロリーを台なしにして帰ってくる」ことを目的とするものである――。

 第11回でやってきたのは、西の都・京都。目的はただ一つ、3月28日に開催されたIngressの公式イベント「XMアノマリー SHONIN-証人-」に参加するためだ。短期間ではあるが京都の街でIngressとおいしい料理を存分に堪能してきたので、イベントの詳細リポートは各メディアの素晴らしいまとめにお任せし、本記事ではいつも通り飯テロを実行する所存である(解説の都合で写真の時系列が前後することがあります)。

XMアノマリー SHONIN-証人-って?

(左)スキャナーを見ると、長蛇の列が一目瞭然に(右)入場制限で筆者は会場に入れず

 とはいえさわりの説明はしておこう。「XMアノマリー」とは、世界各地で開催されているIngressの公式イベントのこと。大まかなルールを解説すると、指定されたエリア内にある複数の指定ポータルを14時、15時、16時、17時の0分から10分までの10分間で両陣営が奪い合う。その10分間のどこかで瞬間的に計測されるポータルの所有数やリンク数によってそれぞれの陣営にポイントが入り、イベントの勝敗が決まるのだ。

(左)伊藤園がお茶を配布(右)参加者はIngressグッズが入った"パケット"が貰える

 「SHONIN-証人-」はシリーズ名にあたり、2月から3月にかけて全世界5カ所で行われているものだ。そのうちの1カ所がここ京都というわけ。ちなみに昨年末に行われた「Darsana」シリーズでは開催地の一つに東京が選ばれ、海外を含む全国から5000名以上ものエージェントが集まった。イベントを有利に進めるために日本全体を緑のCFで囲む大規模作戦が実行されたときの興奮はいまだ記憶に新しい。今回もまたとんでもないことが起きるのではとエージェント達の期待は膨らむばかりだ。

XMアノマリーの戦い

(左)最初の計測時間を待たずにマップが真っ青に(右)と思ったら、今度は緑の大草原に

 公式発表によれば、本イベントには5600名以上もの人々が参加したという。ちなみに今回のイベントも大規模な作戦が実行されたようで、関西一帯がレジスタンスの広域CFで囲まれたかと思えば、今度はエンライテンドが八丈島と台湾、ロシアのカムチャツカ半島を結ぶ広域CFを構築。前回のDarsanaを上回る本気度を感じる……。

(左)17時頃の御靈神社周辺(右)戦いのあとはお参りに

 こちらは4回目の計測である17時頃の御靈神社周辺の様子。例の10分間が近づくと指定のポータル周辺にはエージェントがぞろぞろと集結し、壮絶な攻撃と防御が行われるのだ。エンライテンド陣営の筆者も微力ながら加勢し、目まぐるしく状況が変わるスキャナー画面を見ながら、この日のために蓄えてきたバスター(武器)を放ちまくる。

 正直に言えば、大勢が同じ場所でスマホを見つめている姿はかなり異様で、その風景はまるでフラッシュモブが行われているかのよう。今回は住宅街も近かったので周辺住民の皆様には申し訳ないという感じではあったのだが、みな静かにしているのでどうか許してほしいところ。

 ちなみに指定の10分間以外はすべて自由。チームで綿密な作戦会議するもよし、ポータル求めて京都観光もよし、ご飯を食べに行ってもよしだ。筆者は愛機のカメラ「α7S」を持って京都の街を写真に収めつつ、おいしいものを求めてふらふらしていた。そういう楽しみ方もありなのだ。

 ――それではさっそく筆者のIngressメシをご紹介しよう。

意外とあっさり食べられる「油そば ねこまた」

 イベントの受付を済まして八坂神社周辺を通過、東大路通りを北上していると猫のかわいらしいイラストを看板に掲げるお店に目を奪われた。それが京都で最初に訪れた「油そば ねこまた」だ。店内はテーブル席とカウンター席が用意され、一人でも入りやすい。

 席についてから、サクッとお店について調べてみると(インターネットユーザーの悪い癖である)、どうやら"とり天"がオススメとのことなので、油そばと一緒に頼んでみる。

 こちらが「元祖 油そば」。丼の底にある自家製タレと香味油を麺、ネギ、メンマ、ナルト、焼き豚に絡めていく。醤油のいい香りが辺りに漂い食欲を非常にそそるところで麺を口に運んでみると、モチモチ食感の平べったい太麺にタレが非常によく絡んでおいしい。思ったよりもタレは濃くなく、あっさり食べられる。物足りない人はテーブルに備え付けられたごまラー油や黒七味、お酢などで味の調整が可能。試しにごまラー油でピリ辛にしてみると味にパンチが効いて非常に食べごたえが感じられるようになった。トッピングで温泉卵を入れるとカルボナーラ風の食感も楽しめるとのこと。気になる……。

 こちらが名物という「とり天」。噛むと中からじゅわっとジューシーな肉汁、柔らかいお肉とサクサク衣のハーモニーがたまらない。確かに名物と言われるだけのことはある。こういうのは油そばの上にドーンと乗せて豪快にガツガツ食べるのにうってつけだろう。

 味の濃いものは胃にガツンと効いて食欲を真正面から満たしてくれるので、歩き疲れたところにピッタリ。若者にはウケがかなり良さそうだ。ちなみに店内は1カ所ポータル範囲内なので忘れずにハック!

油そば ねこまた

京都府京都市東山区清水4丁目138 営業時間 11:00〜21:00 定休日水曜


絶品お肉が楽しめる「はふう 本店」

 イベントの後日に訪れたのが、静かな住宅街に佇む「はふう 本店」だ。ここは以前から存在は知っており、絶対に行きたいと思っていたお店。なんだか高級感のある入り口から店内に入ると、カウンター席がまっすぐ並ぶ。奥には座敷もあるようだ。10分ほど並んで席へ案内された。

 ステーキやハンバーグ、ビーフシチュー、カツサンドなど魅力的なメニューが並ぶが、今回お願いしたのは「はふう特選ビフカツ」といういわゆる"牛カツ"と呼ばれるもの。関西でカツと言えば牛だそうだが、まずはこのビジュアルをみてほしい。綺麗な赤身が素敵すぎではありませんか。レア肉好きの筆者はもはや良い意味で悶絶である。

 さっそくデミグラスソースに絡めていただく。柔らかくて、癖がなくて、噛むと肉の旨みが口の中に存分と広がってくる。濃厚なソースと肉の旨みがしっかり共存していてお肉をしっかり堪能、そこに白飯をかっ込むとそこは天国……日本人で良かった。いつまでも味わっていたくて、思わず食べるスピードがゆっくりになってしまう。

 余ったソースはパスタに絡めていただく。ただの付け合せではなく、しっかりアルデンテ。色々な楽しみ方ができて欲張りさんも大満足。そうそう、濃いめの味噌汁も絶品。これだけでご飯が何杯もいけそう。口の中が幸せでいっぱいになったらサラダで口の中をリセット。またお肉を堪能。うーん、最高のループだ。

 食後はコーヒーか紅茶がサービス。店構えからして一見ハードルが高く感じられると思うが、そんなことなくむしろ落ち着いて食べられる素敵な場所であった。お肉好きならぜひ訪れてほしい。

肉専科はふう 本店

京都府京都市中京区麩屋町通夷川上る笹屋町471-1 営業時間 11:30〜13:30 17:30〜21:30 定休日水曜


ネーミングに惑わされてはいけない「セアブラノ神」

 あまりイメージがないのだが、実は京都はラーメン激戦区。あの天下一品も本店は京都だということを知り、こってり大好きの筆者も俄然興味が湧いてきた。そして今回の滞在中に訪れたラーメン屋はここ「セアブラノ神」である。店名からして油っぽい感じを勝手にイメージしていたのだが、実際はお洒落で清潔感がある綺麗な店内、そして丁寧な接客と、ラーメン屋らしくない感じにびっくりしたのを覚えている。

 とりあえず看板メニューの「味玉背脂煮干しそば」をオーダー。こちらも予想とは違い、なんともお上品に感じる面構え。


麺は太麺と中太麺から選べ、今回は太麺を選んだ

 背脂が浮かぶスープは見るからにコッテリ……と思いきや、一口スープを含んでみると全然重くない。むしろあっさりしていて不思議な気分に。煮干しの風味とベースの醤油、そして背脂で甘みを感じるスープに、麺とメンマを絡めてをつるっと。うん、おいしい。たまに口の中に入ってくる刻み玉ねぎが味のアクセントとなり新鮮な味わいとなる。

 そして心を奪われたのがチャーシューだ。少し赤みがかったお肉は旨みたっぷり。肉厚で噛みごたえがありつつも柔らかくて食べやすい。いくらラーメンがおいしくてもチャーシューがイマイチだとすべて台なしになってしまうと筆者はいつも思うのだが、これは今まで食べた中で一二を争うおいしさと感じたチャーシューであった。

 そして最後まで取っておいた味玉をぱくり。魅惑の半熟トロトロ。黄身まで味が染みていてスープと絡めて食べると本当においしい。ごちそうさまでした。

セアブラノ神

京都府京都市中京区壬生相合町24-4デイスターアベニュー1F 営業時間 11:00?15:00 18:00〜22:00 定休日第3日曜日


次はどこへ行こうか


京都の街と、咲き始めの桜を堪能しながらIngress、なかなか"粋"であった

 SHONINイベント当日は歩いていると汗ばむ陽気。桜も咲き始めて多くの観光客がカメラを向けていた。一方、Ingressをプレイしているユーザーはスマホの画面に夢中なので非常に分かりやすいの一言。桜よりも周辺から溢れ出るXM(エキゾチック・マター)に引き寄せられてしまうのがエージェントなのかもしれない。

結果発表や、有志によるIngressグッズの頒布が行われるアフターパーティーも大盛り上がり

 スマートフォン向けゲームアプリでこのような大規模リアルイベントが行われるのはIngressならでは。「ハングアウト」や流行のチャットツール「Slack」などで(LINEではないのが年齢層を表していて面白いところ)、地域別のコミュニティも発達しており、Ingressをキッカケに新たな友人づくりに一役買っている面もある印象だ。6月には仙台で次回イベント開催が決定しており、ますます参加者は増えると思われる。

 本連載は、そんなIngressの世界を普通に紹介するのではなく、「外を歩く」という特性を生かしてゲームをプレイしながら食事に立ち寄ったおいしいお店を紹介してきた。我ながら、ITmediaヘルスケアという媒体にこんな内容でいいのか、と思わないでもなかったが、おいしいものを我慢するのも健康に悪いということで……。

 これで少しでもIngressの面白さが伝わり、読者のお腹が「グー」と鳴ってくれれば幸いだ。カロリーは気にしなくても大丈夫、だって歩いてるし!

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