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体重計は2個、片足ずつ乗ります――IT企業勤務から「操体」の専門家に 鈴木健介さん(2/2 ページ)

「操体」(そうたい)ってご存知ですか? 「体にとって気持ちいいコトをして、ボディバランスを整える」という健康法であり、施術法です。今回登場していただく鈴木さんは、IT企業勤務から操体の専門家に転身したという経歴の持ち主。

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姿勢を良くする、フライングバック・トレーニング

――筋トレとか、辛い系の運動はしないんですか?

 ムキムキになりたいとは思わないので、筋肉増強のためのトレーニングはしないですね。でも、姿勢をよくするためのトレーニングはします。腰を立てて姿勢をよくするために大切な、広背筋という背中の筋肉があります。

 筋肉って大きく屈筋(曲げる系)と伸筋(伸ばす系)の2種類があって、より強い力を発揮できるのは伸筋、伸ばすほうの筋肉なんです。例えば腹筋は屈筋で、背筋は伸筋。つまり、姿勢をよくするために重要なのは、背筋のほう。

 私がやっている「フライングバック・トレーニング」をお見せしましょう。

  1. 両足を肩幅に開く
  2. お尻を後ろに突き出し、腰を反らせて背骨を立たせる
  3. 顔は正面を向く
  4. 両腕をまっすぐ、背中に平行になるように伸ばす
  5. リズミカルに腕を上下に振る
※50回くらいを2セット
※鳥が腕をばたつかせているような姿勢になることがネーミングの由来

 詳しくは以下の記事が参考になります。

風呂は夜ではなく、朝に入る

――生活習慣で何かされていることってありますか?

 睡眠時間は7時間を目安にしていますね。今は夜12時までには床に入り、朝7時に起床します。睡眠は大事なので、削らないよう意識していますね。

 それと、最近始めた習慣として、「体温を計測」しています。もともと基礎体温が低い体質で、それが悩みでした。ごぼうを食べると効果があるよとか聞いたので試したこともありましたけど、飽きて辞めました(笑)。そのかわり、布団の中に湯たんぽを持ち込んで、足元を温めて寝ることにしました。

 さらに、起床30分前に目覚ましをかけて、ラジオで脳を覚醒させつつ、布団の中でゴロゴロ動いたり、軽くストレッチをして体を温めてから起き上がるのを実践したところ、基礎体温が改善されたんです。

 朝風呂に入るのも習慣です。真夏は夜にシャワーで汗を落としますが、基本は夜は入らず、朝に入る、です。何らかの科学的なデータに基づいているわけではないですが、自分にとってはこれが快適ですし、基礎体温アップに貢献している気がします。お湯の温度は40度前後。熱くもぬるくもない、ふつうの温度。頑張って熱い湯に入るってこともしませんね。その頑張りに意味があるとも思えないので(笑)。

60点主義から始めよう

――曽祖父の教えが、今の生活に生きているんですね?

 96歳まで生きたので、まあかなりの長生きだったかと思います。でもタバコはけっこうふかしていたみたいですけどね。今のご時世だと、医療関係者がタバコを嗜むっていうのはあり得ないですが、彼にとって「一服」は必要なモノだったんでしょう。私がプリンを食べるように(笑)。

――酒、タバコは嗜むんですか?

 いえ、どちらもやりません。このふたつに限った話ではないんですが、なるべく「中毒性の高いモノ」とは意図的に距離を置いています。操体を学ぶ上で、人間がどのようにモノやコトの中毒に陥るかも学んだのですが、モノやコトに依存する人間にはなりたくないんですね。自分のことは、自分でコントロールしたいんです。お菓子を食べるにしても、満腹になるまで食べないと満足できないのでは、モノに依存している証拠。

 あと、恋愛も中毒性のあるコトになり得ます。恋人がいないと心理的にダメになってしまうようでは、人に依存していることになりますからね。

――ズバリ、鈴木さんの健康になるための秘訣をヒトコトで表すと?

 60点主義! です。欲張っちゃダメなんです。人間ほどほどでいい。贅沢しなくちゃ満足できないじゃダメ。足るを知る、が大事ですよ。

――人生の酸いも甘いも噛み分けた仙人からのメッセージのように聞こえるんですが、鈴木さんっておいくつでしたっけ?

 38歳です(笑)。

――フライングバック・トレーニング、今晩から始めてみます! ありがとうございました。

鈴木健介さんの3つのコツ

1. 自分の意思でコントロールできる、「息・食・動・想」を大切に。

2. 満腹と満足は似て非なるものと心得る。

3. 完璧を目指さない。60点主義でOK。

中山順司(なかやま じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ちょっぴり健康が気になって、自転車でも始めようかなとお考えの方が、「こんなコンテンツが読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。


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