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コラム

セブン、ローソン、ファミマ――各社が販売する「コンビニドーナツ」を比較する

コンビニドーナツ競争が激化する中、セブン、ローソン、ファミマのドーナツの違いを戦略の面から探ります。

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 コンビニのレジの脇に登場したドーナツケース。手軽に買えるドーナツといえばミスタードーナツが真っ先に思い浮かびますが、このたび、セブン-イレブンやローソン、ファミリーマートなどがこの「お手軽ドーナツ市場」に参戦したことは多くの方がご存じのことでしょう。そこで、それぞれのコンビニドーナツの方向性と方法論の違いから、各社の特徴を簡単に分析してみました。

ミスタードーナツのオールドファッション(左)とセブン-イレブンのチョコオールドファッション(右)
ミスタードーナツのオールドファッション(左)とセブン-イレブンのチョコオールドファッション(右)

ミスドそっくりのコンビニドーナツたち

 2014年10月末、セブン-イレブンがドーナツ販売に着手してからというもの、ローソン、ファミリーマートもそれに続くように店内にドーナツ販売コーナーを導入。各店10種類前後のドーナツを販売し、コーヒーと共にコンビニカフェを盛り上げています。

 しかし、一見してドーナツ好きなら誰しも分かるのは、あのミスタードーナツとそっくりのルックス。おなじみのオールドファッションやフレンチクルーラー、「ポンデリング」風のもちもちドーナツ、クリーム入りドーナツなどが並びます。

 いずれも100円前後で気軽にコーヒーと一緒に注文・購入でき、あくまで“カフェ”風にこだわることで、ミスドとの差をつけているようです。

戦略から見る3社の違いは?

 コンビニ同士の戦いは、ルックスの面ではなかなか判断はつきにくいもの。唯一、ファミマドーナツはレジ横ではなく、パンのコーナーにある点で違いがあります。さらに、各社が発表している資料などからその違いを見てみると、セブンは「コーヒーとの相性の良さ+大人向け」、ローソンは「揚げたて+食体験で差別化」、ファミマは「ベーカリー風イメージ+食べ応え」という特徴が挙げられます。

セブン

 セブンでは、ドーナツはあくまでコーヒーの販売促進の役割という位置付け。ビジネスパーソンが一息つく昼過ぎから夕方までのコーヒーとの相性を良くするために、全体的に甘さ控えめで、チョコもビター寄りと大人向けに仕立てられています。

ローソン

 ローソンもカフェ路線で攻めていますが、味はセブンよりも若い女性寄り。さらに、ハワイアンドーナツ「マラサダ」を店内で揚げ、付属の砂糖をかけて食べさせる体験にこだわりを見せ、他コンビニとの差別化を積極的に図っています。

ファミリーマート

 ファミリーマートは、ブラウン色を使い、ベーカリー風のブランド路線で攻めています。どこかほのぼのとするイメージを演出。どちらかといえば「カフェスイーツ」というより「パン」で、食べ応えは最もあるといわれています。

ミスドはどう出る? ドーナツそのものへの「深堀力」とは何か

 いわゆる「真似された」ミスタードーナツは、今後どういう戦略を打ち出してくるのか? と周囲から注目が集まっています。

 ミスタードーナツ・事業本部長の和田哲也氏は、2015年4月に行われた新商品発表会で「コンビニに対抗して(ミスタードーナツが)何かを変えていくといったことは考えていない」とし、「ドーナツそのものをもっと深堀すること」が重要だとコメントしています。

 ミスドが追求するというドーナツそのものへの「深堀力」がどういったものなのかは今後に注目ですが、2014年4月に発売して大ヒットした「ミスタークロワッサンドーナツ」などをはじめとした海外の流行に沿った展開や、ベーグルやクッキーの生地を活用した新感覚のドーナツを販売していく点などは、ドーナツ専門店の底力を活かした戦略と言えそうです。

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