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第35回 Apple Watch発売から2カ月 使い続けて分かったこと“ウェアラブル”の今

Apple Watchが発売された4月24日から2カ月が経過した。今、Apple Watchをどう使っているか、ユーザーはどの色を選んでいるか、何台くらい販売されているか、など分かってきたことを紹介したい。

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 Apple Watchについては、長期レビューのように、その時々の使い方の変化やアプリによる新しい側面などを、継続的にお伝えしていこうと考えている。今回は4月24日の発売から2カ月が過ぎ、明らかになってきたデータと、昨今の筆者自身の使い方について触れていこう。

Apple Watch
Apple Watchのミラネーゼループを愛用して2カ月が経過した

販売予測は280万台

 Appleは6月8日に開発者向けの年次会議「WWDC15」を開催したが、その場でApple Watchの販売台数についての言及はなかった。

 こうしたイベントの基調講演では、まず冒頭で、Appleの現状についての数字報告したり、Apple Storeの新店舗の写真やムービーを見せるのが通例だったが、WWDCでは、ティム・クックCEOは業績について「すべて上手くいっている」の一言で済ませている。

 Appleが公式にApple Watchの販売台数を発表する可能性がある「次のタイミング」は、2015年第3四半期のカンファレンスコール(決算発表)時になりそうだ。今のところ、米国西海岸夏時間7月21日14時(日本時間では)から予定されている。

 ただ、Apple Watchに関するデータについて、米国内での実際の測定から予測しているデータがある。

 米国のオンラインショッピングのオーダーや配送管理サービスを提供している企業Sliceは、Apple Watchの販売数を、280万台と予測した。このデータは、SliceがReutersに提供し、明らかになった。

 この数字は、2014年に販売された「Android Wear」搭載デバイスの約4倍、先行して人気を博しているスマートウォッチブランド「Pebble」の累計販売数の約2.5倍にも達する数字だ。注意したいのは、Apple Watchがこれを2カ月で実現していることだ。

 Apple Watchについて静観の構えであったスイスの時計メーカーの輸出額は、Apple Watchが発売された2015年4月に8%、約19億ドル落ち込んだ。Digital Trendが、スイス時計協会のデータを参照し、伝えている。

 必ずしもApple Watchの影響がすべてだと決めつけるわけにはいかない。特に落ち込んでいたのは香港だが、Apple Watchの発売というよりは景気の減速の影響が大きいようにも見られる。

 ただ、長期的に見れば、影響は出てくるとみている。Apple Watchの価格帯と重なる10万円以下の、アフォーダブルラインといわれるセグメントは、Apple Watchの影響を当面受けることになりそうで、発売国が増えるごとに、影響が広がることも予測される。

 なお、当のスイスではApple Watchが6月26日に発売されている。

人気のApple Watchは?

 Apple Watchの人気のトレンドは「価格」「無難さ」に集約されそうだ。

 前に触れたReutersの記事によると、Apple Watchで一番人気だったのは、「Apple Watch Sport」のスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンドの組み合わせだったという。次いでシルバーアルミニウムケースとホワイトスポーツバンドが続き、この2機種で全体の本数の65%を占めていたという。

Apple Watch Sport スペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンド
Apple Watch Sport スペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンドの組み合わせが一番人気だった

 価格が最も安く、色として無難な2色が選ばれており、Apple Watchを購入する人が、毎日装着し続けることを前提に、非常にベーシックなアイテムとして選んでいることが分かる。

 同時に、17%の人が交換バンドをオーダーしており、このバンドの一番人気もブラックスポーツバンドだった。交換バンドを買ったのは、例えば他の色のバンドのApple Watch Sportを購入した人や、ステンレススチールのApple Watchでメタルやレザーのバンドを選んだ人たちだろう。

 前者の場合は、スポーツ用にビビッドな色のバンドを選び、仕事向けなどに黒いバンドを利用する、という使い分けだろう。後者の場合は、スポーツやアウトドアでApple Watchを利用するためのバンドとなる。

 交換バンドの2番人気はミラネーゼループ。メタルながらしなやかでサイズ調整が自在のこのバンドは、Apple Watchらしいバンドと言える。また、同じメタルで用意されているリンクブレスレットより大幅に安い点も、選ばれる理由といえるだろう。

 ちなみに、米国で49ドルで売られているスポーツバンドの製造原価は2.05ドルだとも指摘されており、交換バンドから非常に多くの利益が得られていることも分かる。

夏場になってきての変化も

 春先は特に感じなかったが、夏場になってくると、Apple Watchに限らず時計をしている手首の汗が気になってくる。

 Apple Watchの心拍計が備わるケースの裏側はセラミック製でつるんとしており、手入れはしやすい方だと思うが、バッテリーで駆動しているデバイスは「ヒンヤリ」とした装着感とはいかない。

 ただ、充電直後でなければ、現段階ではさほど熱くなることもない。またバンドは、通気性があるミラネーゼループは有利かもしれない。レザーでなければ、水で洗い流すこともできるため、ベタ付きが気になるひとは試してみると良いだろう。

 長くなってしまったので今回はこのあたりまで。次回は、最近の使い方と、アプリについて触れていきたい。結論を先に言うと、watchOS 2と対応アプリがそろうまでは、わりと静かにApple Watchを使っているのが「時計らしくて」ちょうど良いのではないか、と思っている。

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