「運動なし、2時間半睡眠」でも痩せられる――山本一郎さん(1/3 ページ)
話を聞いてみたいあの人に、生活習慣や健康のコツを聞く本連載。今回ご登場いただくのは、切れ味鋭い舌鋒で知られる人気ブロガー・山本一郎さんです。
どんな世界にも「周りが放っておかない人」がいるものです。周囲を巻き込む能力が高く、常に幾つもの仕事を抱えていて、それでも忙しそうな素振りは見せずに遊びにも全力で取り組んでいるように見える人たち。本連載では、そんな「引っ張りだこな人々」に、普段の生活習慣や健康のために意識していること、毎日を自分のペースで過ごしていくコツについてお聞きしていきます。
今回お話を伺ったのは、著作家、ブロガー、投資家、経営者など、数多くの顔を持つことで知られる山本一郎さん。多方面での精力的な活動に「いつ寝てるの?」なんて疑問も聞こえてきますが……山本さん、「年末までのスケジュールは全部頭に入ってる」って、ほんとですか?
- 連載「“引っ張りだこな人々”の習慣」過去記事はこちら
いつ寝てるんですか?
――実は、過去にご登場いただいた方たちに「誰に健康トークを聞いてみたいか?」を尋ねてみたところ、最もリクエストが多かったのが山本さんなんです。
ええっ、それは光栄ですが、ろくなことしてきてませんよ(笑)。独身時代は好き勝手に生きて、結婚後ようやく生活リズムが人並みになったくらいですから。まあ、確かに最近は体調は崩していないです。
――ご結婚前はどのような生活を?
したいことを、したいときに、したいだけする生活でした。酒、ゲーム、野球、睡眠、全て欲望のままでしたね。もともとあまり寝ないタイプで、これを言うと気持ち悪がられるんですが……小学4年生のころから今まで、ずっとショートスリーパー体質です。睡眠時間は短いときで2時間半くらい、普通はだいたい4時間から4時間半ほど眠っています。
疲れていたら短い昼寝をするくらいですね。それも基本的には30分以内にとどめるのがマイルールです。アラームをかけておき、20〜30分で起きる。それ以上寝ると、むしろ具合が悪くなってしまうんです。昼寝した時間をメモに記録しておいて自分なりに統計をとってみたんですが、もっと眠くなったり、集中力が途切れるのはだいたい昼寝の時間が40分を超えたあたりが境目でした。
別に寝ないでいようとがんばっているわけではなくて、ナチュラルに短いんです。そのかわり体力はありません。肉体労働はすぐ疲れますし、環境が変わると風邪をひいたり、熱を出したりもしやすいので、結婚してからはかなり留意しています。
――長時間、寝ようと思えば寝ていられるんですか?
横になって休むことはできます。でも、すぐに眼が覚めて脳が覚醒してしまう。何かニュースは入っていないか、株式相場はどうなっているか、夢中になっているゲームのことや子供のビデオの整理などなど、気になって起き上がってしまうんですよ(笑)。
オッサンになってきて、体調悪化の気配を感じとる能力が身についてきました。自分の体臭で「ヤバイな、体調崩す手前だな」と察知できます。海外出張から戻ってきたあとが多いですね。そんなときは予定をキャンセルして、人と接触を断って家にこもります。栄養ドリンク飲むといった外的な行為はあまり意味がないので、そういうことはせずに多めに睡眠をとります。
30歳で「運動禁止」に
――山本さんって、ものすごい量の仕事をこなされていますよね……まるでサイボーグのように。健康面で気を付けていることはありますか?
別に厳格な管理をしているつもりはないんです。あれは食べる、これは食べないって制約も課していないし。問題になりそうなモノやコトを自分の意志でやめているだけ。
30歳のときにAVM(脳動静脈奇形/のうどうじょうみゃくきけい)が見つかりました。頭の毛細血管の一部が先天的に欠損していて、動脈と静脈が直接つながった状態になっています。以来、医者から運動を禁じられ、それまでにしていた筋トレや草野球もできなくなりました。運動ができないので、バランスの良い食事でコントロールするしかないんです。
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