iOS 9でiPhoneのヘルスケアはどう変わったか
iOSのアップデートにより、iPhoneのヘルスケアアプリにも機能が追加されています。新たに用意された項目を中心に、変更点を見てみましょう。
9月17日早朝に配信が始まったiOSの最新バージョン「iOS 9」では、さまざまな新機能がiPhoneやiPadに追加されていますが、「ヘルスケア」機能にも変化がありました。今回はヘルスケアアプリに追加された項目を中心に、変化を見てみましょう。
iOSのヘルスケアアプリは、さまざまなアプリからデータを収集し、他のアプリと共有するための格納庫のような場所です。そこに項目が増えるということは、(対応アプリが増えれば)連携の幅がさらに広がるということを意味します。
ヘルスケアアプリと連携するアプリは現在増えつつあり、特に活動量計用のアプリなどは収集データを共有するものが主流になりつつあります。ただ、まだ普及の途上ということもあり、そのデータを活用するアプリはそれほど多くありません。項目が増えることで、この活用の幅も広がる可能性があります。
リプロダクティブヘルスが新たに追加
今回ヘルスケアアプリを立ち上げるとすぐに分かるのが、ヘルスケアデータの中に「リプロダクティブヘルス」が追加されたこと。これが一番大きな変化です。
リプロダクティブヘルスとは、WHO(世界保健機構)が定義する、生殖にまつわる健全さと権利を指す言葉です。
リプロダクティブ・ヘルスとは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指す。したがって、リプロダクティブ・ヘルスは、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由をもつことを意味する。1994年、カイロ国際人口・開発会議で採択された文章に基づいている。
(Weblio辞書「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」より引用)
アプリ内の細かな項目としては、基礎体温、月経、性行為、点状出血、排卵検査結果、頸管粘液の質が追加され、これらをデータとして保持できるようになりました。かなりパーソナルなデータですが、主に女性の健康管理に役立つ項目といえます。「ルナルナ」などのアプリが対応すると、この項目の活用が活発化するかもしれません。
Apple Watchで計測できる「スタンド時間」も追加
このほか、「カロリー」という表記が「エネルギー」に変更されており、アクティブカロリーと安静時消費カロリーが、アクティブエネルギーと安静時消費エネルギーになりました。スタンド時間と合わせて、いずれもApple Watchで計測できるデータが格納・確認できるようになると思われます。watchOS 2の配信が延期されたこともあり、まだ明らかになっていない部分がありますが、Apple Watchにもヘルスケアアプリが追加されることになるようです。


Apple Watchの計測データは現状「アクティビティ」アプリで参照しますが、外部のアプリから活用できなかったので、これはありがたいポイントではないでしょうか。
紫外線と皮膚に関する項目なども
興味深いのは、UV指数、フィッツパトリック・スキン・タイプといった、紫外線と皮膚に関する項目が追加されていること。
UV指数は、紫外線を受けた量を計測できるデバイスなどから収集したデータを格納する物だと考えられます。体内でのビタミンDの生成を助けるほか、日焼けはがん疾患、しわ、しみ、皮膚がんの原因ともなると説明されています。
フィッツパトリック・スキン・タイプとは、「日光に当たって皮膚が赤くなりやすいかどうか、皮膚色が濃くなるかどうかといった皮膚のタイプを分類する」ものだと説明にあります。I〜IVまでの分類があるようです。
このほか細かいところでは、糖分が食物中の糖分、という表記に変わっていました。摂取した水分を記録する、水分という項目も増えています。最近登場したアプリやデバイスに積極的に対応した結果ではないかと予想されます。
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