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コラム

iPhone 6s Plusの3D Touchを1週間使って感じたこと

「画面を強く押し込む」という新しい操作をもたらした「3D Touch」はどんなシーンで便利だったか、実際に使ってみた感じたことをまとめました。

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3D Touch

 Appleが「マルチタッチ以来の変革」と位置付ける、画面を押し込む操作を取り入れた「3D Touch」は、本当に便利なものなのでしょうか。

 iPhone 6s/iPhone 6s Plusが発表されてからこちら、さまざまな意見や感想を目にしました。現地の発表会で実機に触れた人たちのレビューは、基本的に称賛するものが多かったのですが、個人的には、誰かに教えてもらわないと気付き得ない機能になるという懸念を感じたりもしていました。

 実際にiPhone 6s Plusを手にしてから約1週間で、3D Touchについて感じたポイントをいくつか挙げてみます。

使い慣れないのでついいつも通りの操作をしてしまう

 3D Touchの機能は、現状キーボードショートカットやコンテキストメニューのような位置付けで実装されているように思えます。知っているとより便利で快適になるものの、知らなくても今まで通りの手順で操作ができるので、使いどころが難しいというか、意識して「ここで押し込もう」と思わないと使わないことが多いです。

 例えばWebブラウザ「Safari」でのPeekとPopは、結局飛び先のページを読み込むのにページを開くのと同じくらいの時間がかかる上、押し続けた手を離すのと、ページを開いてから戻るボタンを押すのとで、それほど作業量や操作時間に大きな差はないので、3D Touchが特段便利だとは感じません。アプリ内のブラウザでは3D Touchの操作ができないものもまだ多いので、Safariと操作感が異なるのも、積極的に押し込む操作をしようと意識が切り替えられない要因かもしれません。

 「新規作成」のような「クイックアクション」操作は、多くのアプリで3D Touchで実行できるようになっていますが、あまり普段利用しないせいか、気付いたらアプリを開いていることが多くありました。電話やFaceTime、メッセージなどで、最近連絡を取った人3人分にすぐアクセスできる、といった機能は、通知から返信することも多く、あえて使うシーンはありませんでした。

大量のメールをさばくのには便利

 一方で、意識して3D Touchを利用しようとすれば、快適なシーンもありました。例えば大量のメールやメッセージをさくさく処理していくのには、3D TouchのPeekとPopは確かに便利です。差出人や件名だけでは必要か不要か判断しにくいメールを、指を押し込んでPeekし、不要なものはそのまま左にスワイプして削除する、という操作は、最初は慣れが必要であるものの、身に付いてくると快適です。

3D Touch3D Touch メールを押し込んでPeekし、左にスワイプするとその場で削除できます
3D Touch3D Touch 右にスワイプすれば未読に戻せ、上にスワイプすれば返信や転送もできます

 これまではGmailアプリやInboxアプリを使っていたのですが、この機能のためにメールアプリを使うようになりました。PeekとPopは、他のアプリでもはやく取り入れてほしい機能といえます。

キーボードがパッドになる驚き

 日本語入力時のキーボードを押し込むとカーソル操作ができる機能は、気付きにくい機能の筆頭だと思いますが、これは存在を知ってしまうと手放せなくなる機能の1つだと感じました。指で任意の場所をタッチしてカーソルを動かす場合は、どうしても両手で操作しなくてはいけないことが多かったのですが、キーボード上で指を押し込むカーソル操作は、片手のまま操作ができるので重宝します。

3D Touch
標準のキーボードで強く押し込むと、文字入力モードからカーソル移動モードに切り替わります。画面をタッチパッドのように利用できて便利です

 普段はATOKを使っているのでしばらくこの機能の存在を知らなかったのですが、Apple純正のキーボードをよく使うようになりました。ATOKにも是非搭載してほしい機能です。

カメラのモード切り替えなども快適

 カメラを起動するときに、3D Touchでビデオモードにしたり、インカメラで起動したりできるのは、ホーム画面からロック解除せずに写真が撮れるようになったときと同じくらい、利便性が向上したと感じました。

 また写真と動画を一緒に撮れるLive Photosを呼び出すのに3D Touchを利用するのは、とてもいい組み合わせです。画面の左端を押し込むことでアプリの切り替えができる機能も、片手で操作しやすく、3D Touchをうまく使っている部分だと思います。

押し込む感覚に慣れが必要

 3D Touchは、これまでのタッチパネル操作とは明らかに異質なものなので、やはり慣れは必要だと感じました。画面上で指を滑らせればよかったこれまでとは違い、意図して押し込むという操作は、頭の切り替えを要します。理屈を理解して、初めて使いこなせるという印象です。また最初は何度も試して、押し込むときのほどよい力加減を探る必要がありました(感度の調整は可能です)。そういう意味では、ちょっと直感的ではなく、“分かっている人向け”の機能だと思いました。フリック入力のように、時間をかけて認知が広まっていくのでしょう。サードパーティ製のアプリで、3D Touchがどう活用されるようになるかも注目です。

 マルチタッチのタッチパネルは今や当たり前になっていますが、果たして数年後に3D Touchの押し込む操作も、あって当然になっているのでしょうか。個人的には、マルチタッチよりも認知されるのに時間がかかるのではないかと感じています。

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