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コラム

「ネコを飼うと健康になれる」という研究成果がある?

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 ただぼーっとしているだけでも「かわいいなあ」と呟いてしまう奇跡の動物、ネコ。学者や医師も「こんなにかわいいんだから、きっと一緒にいたら体にもいいだろう」と考えたのでしょう。「ネコを飼うことには健康効果がある」という研究や調査が多数発表されています。

「ネコを飼うと健康になれる」という研究成果がある?

ゴロゴロ音が自然治癒力を高める?

 フランスでは近年、ネコのゴロゴロとのどを鳴らす音がストレスの緩和や不眠の緩和、さらには「骨折の治癒を3倍に早めた」という話まで出ています。フランスではこの「ゴロゴロセラピー(ronron therapie)」に関する書籍が出版されているほか、ちまたのネコカフェでも「ゴロゴロセラピーで癒されよう」という内容の看板を掲げているのだとか。

体の免疫機能がアップする?

 ウィスコンシン大学マディソン校、ジェームス・ゲルン氏によれば、ペットを飼っている家庭は、子供のアレルギーやぜん息の発症率が、ペットのいない家庭と比べて低くなっているというデータがあるのだそうです。まだ原因は究明できていないそうですが、日常的にアレルギー物質を体に付着させているペットと触れ合っていれば、抗体もできやすい――など、何らかの因果関係があるのかもしれません。

ストレスを軽減してくれる?

 これについては1971年にAshley Montog氏の研究によって、動物とのスキンシップが高齢者のストレスを緩和し、情緒を安定させることが分かっています。あるいはMindlab Internationalの調査でもペットとの時間が調査対象者の半数以上の心をリラックスさせたり、日常の心配事による重い気持ちを軽くしているという結果が出ています。

血圧を下げてくれる?

 『あなたがペットと生きる理由―人と動物の共生の科学』などを書いているアーロン・キャッチャー氏らの研究によれば、ペットをなでると心拍数や血圧が安定し、鎮静効果がもたらされるそうです。高血圧は放置していると脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や狭心症、慢性腎臓病の原因にもなります。その意味ではネコを飼う健康効果の中でも、最も御利益があるのはこの血圧の低下といえるでしょう。

 紀元前の4000年後半古代エジプトでは、バステトという名前でネコは神様でした。ねこ島という通称で知られる宮城県田代島には「猫神社」という神社でネコの神様が祀られています。身近なところでは「招き猫」も不思議な力を持っているネコの一種です。

 古くから人間はネコに神秘的な何かを感じてきました。古代の人たちが感じていたネコのパワーには、ひょっとするとここで挙げたような科学が証明する健康効果とリンクする部分があるのかもしれません。

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