積極的に泣きたくなる? 実はすごい「涙」の効果
最近、最後に涙を流したのはいつですか? 随分泣いていないという人は、意図的に涙を流すのも良いかもしれません。その効果は意外と大きいものなのです。
大人が涙を流すシーンといえば、映画やスポーツ観戦で感動したときや、自分の身に起きた出来事に対して悲しさや悔しさ、ショックを感じたとき。そんな心が動かされたときに出る涙には、数々の効果が実証されています。
こうした情動の涙が出たときの効果を知れば、思わず自分から泣きたくなってくるはず。そこである程度意識的に“泣くコツ”もご紹介します。
涙が出るメカニズムとは?
人が感情による涙を流すときというのは、3パターンあるといわれています。それは、痛みやストレスを感じたとき、満たされず悔しさや悲しさを覚えたとき、何かに共感して感動したときです。それぞれ異なる脳が動き、涙が出てきます。自律神経が働くことで、目の脇にある「涙腺」が刺激されて涙が流れます。
泣くと流れ出るホルモンがストレス解消に役立つ?
では、涙を流すことには、どのような効果があるのでしょうか? 泣いて気持ちがスッキリした経験は誰もが持っているはず。言い知れない不安や苦悩、怒りなどの感情を泣きながら言葉にすると、それらの苦痛が解消され、安堵感や安心感を得ることができます。このことを、精神分析の分野では「カタルシス効果」と呼びます。
このほかにも、それまで交感神経が優位だったところ、泣くと副交感神経が優位に切り替わり、リラックス効果が得られることから、ストレス解消効果があるとも言われています。コルチゾールなどのストレスホルモンも分泌され、排出されることから、流れ出るのは涙だけではないことが分かります。
また、泣いた後には、脳内ホルモン「エンドルフィン」が増え、モルヒネのように苦痛をやわらげてくれる効果があることも確認されています。
自分から意識的に泣く方法は?
このような多数の涙の効果を知ると、思わず泣きたくなってしまいます。けれど、いざ泣こうと思ってもなかなかむずかしいもの。映画やドラマ、スポーツ番組などを見るのも良いですが、最も早いのは、自分が日々抑制してきた感情に気付いて、掘り起こしてあげることだといわれています。
悔しかったこと、つらかったけれどガマンして乗り越えたことなどを思い出し、客観的に、自分自身へ声をかけてあげる、というのが有効。疲れを感じているとき、一人になったときは、たまには意識的に涙を流し、ストレス解消と癒し効果を得てみてはいかがでしょうか。
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