スマホと連携する腕時計サイズの血圧計、オムロン ヘルスケアが開発中
オムロンヘルスケアが、手首に巻いて腕時計や活動量計のように使える血圧計を開発中です。医薬品医療機器法未承認ですが、日本での発売にも期待したい、コンパクトな血圧計です。
日本人の死因の2位と3位に挙げられる、心疾患や脳血管疾患に共通する原因、「高血圧」。心疾患や脳血管疾患の発症には、夜間の高血圧や、急激な血圧上昇が大きく影響すると指摘されています。2016年、「血圧変動から、疾病リスクを把握し、予防する」という取り組みをスタートさせたオムロン ヘルスケアは、米国ラスベガスで開催されたCES 2016で、「脳・心血管疾患の発症ゼロ」を目指すためのキーデバイスとなる血圧計を参考展示しました。
血圧測定は、まだまだ病院でするもの、というイメージが強いですが、オムロン ヘルスケアは家庭でも簡便に血圧が測れる機器を開発し、提案してきました。しかし、いまだに高血圧に起因する疾患が死因として上位を占め、死に至らなくとも、寝たきりや言語障害につながることもあり、健康寿命(日常生活に制限のない期間)に大きな影響を与えています。
平均寿命が男女ともに80歳台なのに対して、平均健康寿命は70歳台にとどまる現状を少しずつでも変えていきたい――。そんな思いから、「血圧測定の頻度をあげ、1人1人の血圧変動の傾向を知り、疾病リスクを把握することが必要だと考え、その第一歩として、血圧測定をさらに身近に、またさらに簡便に行うための新しい血圧計を開発した」といいます。
CES 2016で展示された血圧計は2モデル。コンパクトなデザインで、いつでも血圧が測れる「超小型手首式血圧計」と、装着から測定までをスムーズに行える、本体とカフ(腕帯)が一体となった、「本体・カフ一体型上腕式血圧計」です。
超小型手首式血圧計は、本体に服薬状況などを記録する機能も搭載した便利な製品。活動量計のように、歩数や睡眠の質も計測できるといいます。こちらも通信機能付きで、スマートフォンでデータの管理が可能です。
本体・カフ一体型上腕式血圧計は、通信機能を備え、スマートフォンにデータを送って、アプリ上で簡単に血圧管理が行えます。
現時点では医薬品医療機器法未承認のため、販売・授与はできないそうですが、すでにiOSやAndroidスマートフォンと連携する血圧計を販売しているオムロン ヘルスケア。これらの製品の日本での発売にも期待したいところです。
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