画面が割れたiPhoneの修理代金は?
画面が割れたままのiPhoneをそのまま使い続けている人、案外たくさん見かけますが、そのまま使うことはあまりお勧めできません。iPhone 6sとiPhone 6s Plus発売後、修理代金が大きく変わっているので、概要をまとめました。
どんなに気を付けていても、ある日突然やってくるiPhoneの落下事故。運よく側面にキズが付く程度ならいいですが、当たり所が悪いと画面にヒビが入ったり、画面が割れたりしてしまいます。iPhoneの画面割れは、多くの場合タッチ操作を含めそのまま使い続けることが可能なため、よく画面が割れたまま使っている人も見かけますが、強化ガラスの薄片がはがれ落ちてとがった部分ができたり、割れたガラスで指をけがしたりすることもありますので、早めの修理をお勧めします。
iPhone 6s/iPhone 6s Plusの修理はいくらかかる?
iPhone 6sとiPhone 6s Plusの修理代金は、2014年に発売されたiPhone 6/iPhone 6 Plusまでとは大きく変わっています。AppleのサポートページにiPhoneの修理代金の表がありますが、画面が割れたiPhoneを修理する料金は、Apple Care+に加入している場合と加入していない場合で違いがあります。
Apple Care+ for iPhoneは、アップルが提供するiPhoneの延長保証プログラムで、過失や事故による損傷も2年間で2回まで割引料金で利用できます。Apple Care+の価格は1万5984円(税込)で、新しいiPhoneの購入と同時か、購入日から30日以内に加入する必要があります。
なおサポートページに書かれている金額は、税別と税込の表記が混在していますので、以下に各iPhoneの修理代金を税込価格でまとめます。
AppleCare+非加入 | AppleCare+加入 | |
---|---|---|
iPhone 6s Plus | 1万8144円 | 1万2744円 |
iPhone 6s | 1万5984円 | 1万2744円 |
iPhone 6 Plus | 1万5984円 | 7800円 |
iPhone 6 | 1万3824円 | 7800円 |
iPhone 5s、iPhone 5c | 1万5984円 | 7800円 |
iPhone 5 | 1万5984円 | 4400円 |
ちなみにiPhone 6sとiPhone 6s Plusが発売されたときに、Apple Care+に加入すべきかどうかを検証してみましたが、iPhone 6s、iPhone 6s Plusに関しては、画面の修理を2回しても元は取れず、本体を交換するような故障や破損でない限りはあまり得にはなりません。Apple Care+に加入していなくても、修理代が高く付くわけではないので、非加入でも積極的に修理をするべきです。
AppleCare+非加入 | AppleCare+加入 | |
---|---|---|
iPhone 6s Plus | 1万8144円 | 2万8728円(1万2744円+1万5984円) |
iPhone 6s | 1万5984円 | 2万8728円(1万2744円+1万5984円) |
iPhone 6 Plus | 1万5984円 | 2万1624円(7800円+1万3824円) |
iPhone 6 | 1万3824円 | 2万1624円(7800円+1万3824円) |
iPhone 5s、iPhone 5c | 1万5984円 | 2万1624円(7800円+1万3824円) |
iPhone 5 | 1万5984円 | 1万8224円(4400円+1万3824円) |
こうして見てみると、iPhone 6sとiPhone 6s Plusの修理代金が大きく上がっているのが分かると思います。これは、ディスプレイのパーツに「3D Touch」用のセンサーが組み込まれたからではないかと予想されます。本体価格の上昇と合わせ、ユーザーには痛い出費になりますが、割れたまま放置するのは危険ですので、ぜひ修理を検討してください。
修理は正規サービスプロバイダで 非正規の修理店には注意
iPhoneを修理する際は、全国のアップルストアのGenius Barを予約して、自分のiPhoneを持ち込むか、アップルの正規サービスプロバイダに持ち込むのが間違いのない方法です。Genius Barは数日先でないと予約が取れないことが多いですが、正規サービスプロバイダなら当日修理が可能なところもあります。家電量販店などが近くにある場合は、この正規サービスプロバイダを当たってみるのがいいでしょう。
最近、スマートフォンの画面割れなどを修理してくれる、非正規の業者も多数ありますが、これらの業者を利用するのは、リスクがあるのでお勧めはできません。その場で修理が可能だったり、古い機種なら正規の料金より安く修理できたりすることもありますが、使用している補修用のパーツが、純正品ではないものだったり、品質の悪いものだったりすることがあります。こうした業者で修理したiPhoneは、その後一切保証が受けられなくなる点も注意が必要です。
また、スマートフォンを分解修理するのは電波法に違反する可能性があります。総務省では、登録修理業者制度を導入し、「修理方法及び修理体制並びに修理の結果が総務省令で定める技術基準への適合性維持が確認される場合は、総務大臣の登録を受けることが可能」としていますが、登録している業者はまだほとんどありません。
ドコモ、au、ソフトバンクには独自の保証プログラムも
ドコモ、au、ソフトバンクでは、iPhone購入時に加入できる保証プログラムを用意していますので、加入していれば修理代が安くすむケースもあります。キャリアショップでiPhoneを購入したのであれば、こうしたサービスに加入していないか、修理に出す前に確認しましょう。
NTTドコモの場合
NTTドコモは、独自のサポートプログラム「ケータイ補償サービス for iPhone & iPad」を用意していて、Apple Care+より手厚い保証を提供しています。iPhone購入日を含め14日以内に加入が可能です。
料金はiPhone 6s、iPhone 6s Plusが月額810円、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5sが月額648円、iPhone 5cが月額540円(いずれも税込)。1年に2回まで、iPhone 6sとiPhone 6s Plusなら1回あたり1万1880円、iPhone 6やiPhone 6 Plus以前のiPhoneなら1回当たり8100円で、水濡れ・全損・紛失・盗難・破損・故障・購入から1年を超えた自然故障に対応してくれます。電話かネットで、ケータイ補償お届けサービスセンターで手続きをすると、1日〜2日以内に交換品(リフレッシュ品)が直接宅配便で届く仕組みです。
交換品が届いた後は、10日以内に壊れたiPhoneを返送すればOK。古い端末を送付しない場合は、違約金が4万円発生する場合があります。紛失・盗難の場合は、なくなった端末が発見され次第、送付する必要があります。
なおドコモショップやドコモの販売店では、Apple Care+への加入は受け付けていません。Apple Care+に加入していて、ケータイ補償サービスを利用した場合、以降はApple Care+を利用した保証は受けられなくなる場合があります。
ソフトバンクの場合
ソフトバンクは、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダーでの修理や、Appleのピックアップ&デリバリーサービスを利用して修理した際の修理代金を一部還元するサービスがあります。
「あんしん保証パック(i)プラス」という、月額702円のサービスで、故障や破損、水濡れの場合は修理代金の80%以上(機種によって異なります)を、月々の利用料金から割引するか、ソフトバンクカードの「プリペイドチャージ」へ一括還元してくれます(iPadをのぞく)。全損、または盗難や紛失にあった場合は、会員価格で同一機種か指定機種に機種変更が可能です。バッテリーの消耗による修理なども料金から割引きが受けられます。還元の申請は、ソフトバンクショップで手続きをする必要があります。
料金は細かく定められていて、割引の上限額が決まっています。iPhone 6sの場合、割引率は80%で上限が3万1000円、iPhone 6s Plusの場合は割引率80%、上限3万4000円です。Apple Care+に加入していなくても、修理代金の大部分はまかなえることになります。機種ごとの金額と割引率の詳細はあんしん保証パック(i)プラスの利用方法を解説しているページで確認できます。
なお、2015年8月31日までは、「あんしん保証パック(i)」というサービスも提供されていましたが、現在は受け付けていません。iPhone 6以前の機種を利用している場合は、価格体系が異なる場合があります。
Apple Care+の料金は、アップルストアで購入すると一括払いしか選べませんが、ソフトバンクショップなら24回の分割払いも可能です。iPhone 6s/iPhone 6s Plusは月額666円(総額1万5984円)、iPhone 6以前の機種は月額576円(総額1万3824円)です。
KDDI(au)の場合
KDDI(au)は、独自の保証サービスは提供していませんが、Apple Care+を24回の分割払いで購入できます。料金はiPhone 6s、iPhone 6s Plusの場合初回1080円、2〜24回目が648円。iPhone 6以前の機種は初回162円、2〜24回目が594円です(いずれも税込)。
またアプリの使い放題サービスや会員専用特典、セキュリティ機能などをまとめて提供するサービス、「auスマートパス」(月額372円)の会員向けに、「修理代金サポート」プログラムを提供しています。これは、購入から2年間、2回まで、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダーで修理をした場合に、iPhone 6s、iPhone 6s Plusなら最大1万円、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s、iPhone 5cなら最大7800円、iPhone 4S、iPhone 5、iPadは4400円を後日返金するというもので、Apple Care+を利用した修理代金が、iPhone 6以前なら全額、iPhone 6sやiPhone 6s Plusなら一部が返金されることになります。
auスマートパスに加入している必要があり、Appleでの修理後に書類を郵送する必要があるなど、少々手間はかかりますが、審査完了後、2〜4週間程度で申請書記載の口座へ、修理代金が振り込まれます。
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