アイマスク型快眠グッズ 「Sleep Shepherd Blue」 ユーザーの脳波を元にバイノーラルビートを再生:近未来の健康ガジェット
単に睡眠の状態を記録するだけでなく、よりよい眠りをもたらしてくれる製品が、Kickstarterで支援者を募集しています。すでに目標額を大幅に上回る金額を集めているこの製品、どんな機能を持っているのでしょうか。
睡眠時間とその質は健康のバロメーターであり、また日々の身体のコンディションを大きく左右します。現在、各社からが数多く発売されている睡眠計(スリープトラッカー)は、基本的に睡眠状態を記録するもので、よりよい眠りをもたらす機能を持った製品はほとんどありません。
そこで今回紹介したいのが、Kickstarterで締め切りを19日残した3月6日時点に目標金額の1861%にあたる46万5253ドルもの支援金を獲得したスリープトラッカー「Sleep Shepherd Blue」です。
Sleep Shepherd Blueは、薄型スピーカーと、導電繊維の脳波計(Electroencephalograph:EEG)センサーを内蔵したヘッドバンド型スリープトラッカー。ほかのウェアラブルスリープトラッカーと異なるのは、脳波活動を測定し、特許出願中のバイオフィードバックシステムで、よりよい睡眠を促進する機能を搭載していること。
Sleep Shepherd Blueに内蔵した脳波計で脳の活動を監視・測定しつつ、装着者の脳波の活動に応じて、薄型スピーカーからわずかに異なる2つの周波数の「バイノーラルビート」を発生します。バイノーラルビートは聴覚脳幹の一経路である「上オリーブ内側核(medialsuperiorolive:MSO)」で発生し、それにより脳のほかの部分が影響を受け、自然に睡眠状態に導かれるとのことです。単純なバイノーラルビートの音源とは異なり、Sleep Shepherd Blueはリアルタイムに計測した脳波データに基づき、その時点で発生させる周波数の組み合わせを決定しているので、より効果的だとメーカーは説明しています。なお脳波計センサーには医療グレードに匹敵するNeuroSky製が採用されています。
Sleep Shepherd Blueは脳波活動を記録しつつ、ヘッドバンド内のモーションセンサーで動きや頭の向きなども記録します。つまりどの向きで眠ったほうが、より質のよい睡眠を得られるのか確認できるわけです。
またSleep Shepherd Blueにはスマートアラーム機能が搭載されています。起床用の特殊なバイノーラルビートで緩やかに脳を覚醒状態に移行させることで、快適な目覚めに導くことが可能とのことです。
起床後にコンパニオンアプリを起動して「END SLEEP」ボタンを押すと同期を開始し、睡眠時間、睡眠品質、睡眠中の頭の向きなどの情報をグラフで表示します。コンパニオンアプリはiOS用とAndroid用が用意されており、すでにApp StoreとPlayストアで配信されています。
バイノーラルビートは深い瞑想状態に見られるシータ波(θ波)を誘発するという説もありますが、現状その因果関係が科学的に解明されているわけではありません。Sleep Shepherd Blueのメーカーも、よくある質問コーナーで「すべての脳は働きが異なります」と記載しており、効果には個人差があるとしています。とは言え睡眠欲は人間の五大欲の1つに数えられているほどで、より快適な睡眠を望む人は多いはず。製品化の暁には、ぜひ入手してその効果のほどを試してみたいところです。ちなみに今なら199ドル(約2万3000円程度)で1台購入でき、6月以降の発送になるようです。
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