体の動きを記録・比較できるトレーニング専用スーツ「Enflux Smart Clothing」:近未来の健康ガジェット
活動量計よりも、さらに細かく全身の動きを記録し、たのデータと比較ができるという、高性能なトレーニング用スーツが資金を調達中です。腕や足、胴体など、10カ所にモーションセンサーを搭載しています。
ワークアウト、特に負荷の大きいバーベルワークアウトなどは、代謝率を高めるための筋肉量アップに効果的ですが、正しいフォームやスピードで行なわなければ効果が少ないどころか怪我の原因にもなります。また、こうしたトレーニングには、自分の動きがを把握し、指導してくれる、コーチのような別の人間の存在が不可欠です。
そこで今回紹介したいのが、ワークアウトやスポーツなどの正しい身体の動きをアドバイスしてくれるトレーニング用スーツ「Enflux Smart Clothing」です。
Enflux Smart Clothingは3Dモーションセンサーを全身10カ所に埋め込んだトレーニング用スーツです。センサーにより腕、脚、胴体の動きを追跡し、その位置やスピードをリアルタイムでスマートフォンの専用アプリケーションに転送します。
よくあるリストバンド型ウェアラブルデバイスとは異なり、Power(強度)、Form Efficincy(フォーム効率)、Work Capacity(作業容量)、Joint Angles(関節の角度)、Joint Rotation Rates(関節の回転率)、Range of Motion(関節の可動域)、Balance(平衡)、Velocity(速度)、Eccentric & Concentric Time(偏心と同心の時間)、Tempo(拍子)、Heartrate(心拍数)、O2 Saturation(酸素飽和度)、Time Under Tension(緊張下の時間)など、身体全体の非常に多くのデータを測定できるのが特徴です。
Enflux Smart Clothingはシャツとパンツに分かれています。シャツには胸部に中央モジュール、両手首と両肘に3Dモーションセンサーがあります。パンツにはベルトのバックルの位置に中央モジュール、両膝と両すねに3Dモーションセンサーが埋め込まれており、それぞれはケーブルではなく導電性の布を通じて接続されています。
導電性の布は伸縮性と耐久性を備えており、また中央モジュールや3Dモーションセンサーは汗や水が侵入しないように密閉されています。全体では継続的な浸水に耐えるIP58相当の防塵・防水性能を実現するため、ワークアウトの汗で汚れても一般的な全自動洗濯機でほかの衣類と一緒に洗うことが可能です。
利用方法はシンプル。Enflux Smart Clothingを着たらスマートフォン用アプリケーションを起動し、目的別の初心者用プログラム“推奨ワークアウト”、上級者向けのカスタマイズ可能なプログラム“カスタムワークアウト”、メニューを決めずに自由にトレーニングするための“フリースタイル”のいずれかを選ぶだけ。あとはスマートフォンを傍らに置いてトレーニングを始めれば、自動的に計測が開始されます。
Bluetoothイヤフォンなどを装着すれば、スマートフォンから離れていてもフォームやトレーニングの進捗状況について音声で指示や報告を受けられます。
ワークアウト終了後には直近のフォームを、過去のワークアウトや、理想的なワークアウトのフォームと“3Dゴーストアニメーション”で比較できます。この3Dゴーストアニメーションは、細かくフォームをチェックするために任意の角度へ自由に回転可能です。
ワークアウトの結果はもちろん時系列で参照できます。また計測データはEnfluxのサーバに自動的にアップロードされるので、離れた場所にいる友人やコーチなどとトレーニングの進捗や結果を共有することが可能だといいます。
Enflux Smart ClothingはKickstarterで資金を募っており、16日間を残す3月21日時点で予定金額の8割を超える8万8475ドルを調達しています。プロジェクトの成立は間違いなさそうな勢いです。
2017年3月にリリースされる最初のバージョンでは、ウエイトトレーニング、プライオメトリクス(ジャンプトレーニング)、ランニングなどのサポートにとどまるようですが、正式リリース後にバスケットボール、サイクリング、野球、ゴルフ、サッカー、バレーボール、ヨガなどほかのスポーツにも対応する予定とのこと。もしユーザーがネット上で自由にフォームを共有できるのであれば、遠隔地とのダンスの練習などにも利用できるかもしれません。スポーツ以外に、医療分野などでも活用ができそうです。日本でも正式に発売されるのが非常に楽しみな製品です!
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