「iPhone SE」にApple Care+は必要?
3月30日に発売になる、コンパクトサイズが魅力の「iPhone SE」。保証プログラムのApple Care+には加入するべきなのかどうか、考えてみます。
3月24日16時1分からスタートした「iPhone SE」の予約。すでに予約を済ませたという人もいるかもしれませんが、契約までに考えておくべきことの1つに、延長保証の「Apple Care+」に加入するべきかどうか、という問題があります。
Apple Care+は、Appleが提供する延長保証プログラムで、新しいiPhoneの購入と同時か、購入日から30日以内に加入する必要があります。通常は、製品購入後1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償電話サポートが提供されますが、Apple Care+に加入すると、保証期間が2年になり、無償電話サポートも2年間受けられるようになります。バッテリーやアクセサリーも保証の対象になるので、長く使う場合は便利なシーンもあります。さらに、過失や事故による損傷に対する修理などのサービスが、規定の料金で2年間に最大2回まで受けられます。
「iPhone 6s」や「iPhone 6s Plus」では、Apple Care+ for iPhoneの価格が1万5984円(税込)と、大幅に値上げされました。ディスプレイモジュールに3D Touchのセンサーが組み込まれたせいか、修理代金も1回1万2744円(税込)とかなり高くなっています。そのため、Apple Care+に加入しても、ディスプレイを2回割って交換してまだ元が取れないような価格設定になりました。iPhone 6sやiPhone 6s Plusを購入する場合、Apple Care+には加入しなくても損をすることはほとんどありません。
ではiPhone SEの場合はどうなのでしょうか。
iPhone SEのApple Care+価格と修理代金
iPhone SEのApple Care+は、1万3824円(税込)で提供されています。これで、保証期間が2年になり、電話サポートも無料で2年間利用できます。過失や事故による損傷の修理代金は、1回7800円(税込)です。
Apple Care+に加入している場合の修理代金は、画面の破損の場合7800円です。これはディスプレイだけでなく、損傷がボディにまで及んだ場合や全損、水没などでも、2年間に2回までは同じ料金になります。
ではApple Care+に加入していない場合はどうでしょうか。
Apple Care+に加入していない場合、保証期間を過ぎての故障や、過失や事故による損傷は保証対象外料金で修理することになります。この場合、ディスプレイを割ってしまった場合の修理代金は1万5984円(税込)です。全損など、本体の交換になるような修理になると、代金は3万4344円(税込)。バッテリーの交換になる場合は、1万152円(税込)です。
分かりやすく表にしてみましょう。
修理内容 | AppleCare+なし | AppleCare+あり |
---|---|---|
画面の修理1回 | 1万5984円 | 2万1624円(7800円+1万3824円) |
画面の修理2回 | 3万1968円 | 2万9424円(7800円+7800円+1万3824円) |
本体の修理1回 | 3万4344円 | 2万1624円(7800円+1万3824円) |
本体の修理2回 | 6万8688円 | 2万9424円(7800円+7800円+1万3824円) |
バッテリーの修理 | 1万152円 | 1万3824円 |
iPhone 6sやiPhone 6s Plusとは異なり、Apple Care+利用時の修理代金が7800円と比較的安いため、画面の修理を2年間で2回すると、元は取れる計算になります。全損のリスクを考えたら、Apple Care+ありの方がお得です。2年間で、ディスプレイを1回割ってしまうほどの事故があるかどうか、というところが判断の分かれ目になりそうです。
ふとしたタイミングで手やポケットなどから滑り落ち、ディスプレイにヒビが入ってしまうといった事故は、比較的よく起こります。電車の中などで、画面が割れたままのスマートフォンを使っている人を見かけることがあるかと思います。ディスプレイだけが割れているように見えて、実は内部の部品にも不具合が生じていることもあり、修理時のチェックの結果、全損判定されるといったこともあります。こうした事故は、ケースやバンパー、強化ガラスフィルムなどを装着することで回避できることもありますが、今回はその分の予算をApple Care+に回してもいいかもしれません。
またApple Care+に加入していれば、修理を依頼する際に、宅配業者が交換用のiPhoneを持ってきて自宅で引き替えができる「エクスプレス交換サービス」が利用できたりもします。アップルストアまで出向いたり、Genius Barの予約を取ったりしなくてもさっと代替機に変更できるのは利点と言えるでしょう。毎年iPhoneの最新モデルを買い替えるような人には不要かもしれませんが、2年間不自由なくiPhone SEを使いたいなら、Apple Care+に加入しておくほうが安心でしょう。
なお、金額は変わりませんが、auとソフトバンクのキャリアショップでiPhone SEを購入する場合、AppleCare+の料金は24回の分割払いになります。auは初回162円(税込)で2回目から24回目が594円(税込)、ソフトバンクの場合は576円の24回払いです。NTTドコモは、月額576円でApple Care+に加入できますが、同社が独自に設定している「ケータイ補償サービス for iPhone」の方が月額648円で保証期間が長く、1年に2回まで補償サービスが利用できたり、紛失・盗難時も補償の対象になったりと、サービスが充実しているので、加入するならこちらの方がいいでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- iPhone 6sのAppleCare+が値上げ それでも加入するべき?
iPhone 6sとiPhone 6s Plus向けの延長保証「AppleCare+」は、iPhone 6やiPhone 6 Plusの頃と比べてだいぶ値段が上がっています。全損や水没のリスクをどう評価するかで、加入すべきかどうかが変わりそうです。 - 画面が割れたiPhoneの修理代金は?
画面が割れたままのiPhoneをそのまま使い続けている人、案外たくさん見かけますが、そのまま使うことはあまりお勧めできません。iPhone 6sとiPhone 6s Plus発売後、修理代金が大きく変わっているので、概要をまとめました。 - iPhoneユーザーなら絶対設定しておくべき「メディカルID」の作成方法
「メディカルID」設定していますか? iOS 8以降が導入されたiPhoneのユーザーなら、今すぐヘルスケアアプリから設定をチェックしましょう。作成は簡単にできます。ただし注意点もあります。 - 落としたり壊したりする前に iPhoneの画面を割らないためにやっておくべきこと
気を付けていても、不慮の事故などでiPhoneの画面が割れてしまうとかなりショックです。そうならないために、細心の注意を払うのは当然ですが、iPhoneは落とすもの、という前提で対策を考えてみることも大事かもしれません。