快適な眠りをもたらすウェアラブルデバイス「2breathe」 その機能の秘密とは(1/2 ページ)
ねむログが販売する「2breathe」は、入眠をサポートするウェアラブルデバイスです。これを使うと快適に眠れるというので試してみたところ、実際によく眠れました。その機能の秘密を、開発者に聞きました。
深い呼吸で眠りに導く「2breathe(ツーブリーズ)」
帝人グループで睡眠関連のサービスを提供する「ねむログ」が、米国2Breathe Technologiesの「2breathe(ツーブリーズ)」という興味深い製品を販売しています。
2breatheとは、寝付きの改善をサポートするために開発された製品。腹部に巻いて使用するセンサー付きのウェアラブルデバイスと、スマートフォンのアプリで構成されています。デバイス自体は、電源ボタンが1つと、LEDが1つだけというシンプルな構造で、ゴム製のバンドを入れても約40gと超軽量です。
腹部に巻くデバイスはスマートフォンとBluetoothで接続され、専用のアプリ上でユーザーの呼吸の深さ、長さなどをリアルタイムで視覚化します。2breatheは、そのときのユーザー固有の呼吸データをもとに、その場でガイド音を生成するのです。
ユーザーはアプリから発せられるガイド音やガイド音声に従って呼吸します。ガイド音は徐々に長い呼吸になるよう調整されるため、音に合わせて呼吸を繰り返していくうちに、自然とゆっくり深い呼吸ができるようになり、リラックスしていつのまにか眠りに落ちていく――という仕組みです。
ガイド音に合わせて呼吸することは「セッション」と呼ばれますが、アプリ側で最短で5分、最長で60分まで長さを指定できます。また、1分間の目標呼吸回数も、3回から8回まで、1回ずつ6段階で指定できます。初期設定では1セッション30分、1分間に5回の呼吸になるよう設定されています。いつも布団に入って1時間は眠れないという方でも、十分対応できるでしょう。
翌朝、セッションレポートとして、 ガイド音との同期率、眠るまでの時間、呼吸の長さ、吐く時間の割合、セッション中の同期状態のグラフを見られます。また、起床後には目覚めたときの感じや中途覚醒の有無などが聞かれ、「睡眠レポート」として記録されます。
使ってみたら、あっさり眠れた!
非常にシンプルな仕様ですが、実際試してみるとかなり効果的だと分かりました。もともと寝付きは悪くないほうなのですが、ガイド音に従って呼吸を繰り返していると、いつもより早く、あっという間に眠くなってしまうのです。
セッションレポートを後から見ると、どうも10分もかからず寝ている模様。ガイド音に合わせて呼吸していると、ほどなく意識が遠のいてしまうため、すぐズレてしまうというのは自分でも感じておりました。おかげで翌朝のセッションレポートでは「もっと練習しましょう」などと怒られる始末。早く眠らせるそっちが悪いといいたいくらいです。
ガイド音に合わせようと意識を集中しているので、余計な考えに支配されることがないというのもメリット。眠れないとき、気がつくといろんなことを考えているものです。その多くは今抱えている心配事や、過去におきた不快なできごとなど、ネガティブなものが多いはず。その嫌なイメージに集中するあまり、緊張状態が続いて眠れないわけです。ですが2breatheを使っている間は、呼吸に意識が集中するため、いいことも悪いこともふくめ、余計なことを考える余地がないのです。
これは、これまでにないいい切り口の製品だと感じました。早く寝ようと思うほど眠れないことはよくありますが、これはほぼ確実に眠くなってしまうので、さっと寝て、パッと起きて仕事の続きを・・・・・・という使い方にもよさそうです。
「眠れない」にフォーカスし、ダイレクトに解決
日本では、5人に1人が睡眠に問題を抱えているといいます。アメリカのNational Sleep Foundationの報告でも、先進国の中では日本が一番睡眠時間が短いと報告されているようです。
一口に「睡眠に問題がある」と言われても、横になってもなかなか眠れないというものから、夜中に何度も目が覚める、早く目が覚めて眠れなくなる、時間は足りているものの昼間眠くて仕方がない、寝た気がしないなど、その内容は多岐に渡ります(そもそも生活習慣が乱れている、外の騒音に悩まされている、猫に起こされるなど、環境に問題がある場合もありますが)。
睡眠サイクルを計れる活動量計を使えば、これらの問題をある程度可視化することができます。仮にその結果から、自分に起きている問題を読み取れたとしても、問題の解決法にたどり着ける人はどの程度いるでしょうか。実際、悩みの解決を目的とした製品はほとんど見られないのが現状です。
2breatheでは、睡眠の問題の中でも「眠れない」にフォーカスし、その問題をダイレクトに解決しようという製品なわけで、その点が非常に画期的といえます。
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