夏のスタミナ料理といえば、ウナギの蒲焼に牛肉のニンニク炒め……といったものを思い浮かべがち。でも、実際のところ、肉=スタミナ、というわけではありません。それどころか、肉は夏バテに逆効果になるという説もあります。
では、夏の疲れや夏バテに良いのはどんなメニューなのでしょうか。
スタミナ料理ってそもそも何なの?
暑さによって、体力が消耗しやすい夏。そんなときは「スタミナ料理」が良いといわれています。しかし、そもそも「スタミナ」とは何なのでしょうか?
よく疲れてくると「スタミナが切れてきた」と表現することがあります。スタミナは、栄養素をエネルギーに変える力、代謝を高める力、持久力のことを指します。場合によっては、たんぱく質のことを指すこともあるようです。筋肉や組織の修復などに関わるたんぱく質は、不足すると疲れを感じやすくなります。
このことから、「スタミナ料理」とは、「たんぱく質+エネルギーに変える栄養素(ビタミンB1やミネラル)」を含んだ料理ととらえることができます。
この条件に合うのは、やはりたんぱく質の豊富な肉。例えば豚肉には、糖質代謝に関わる「ビタミンB1」が豊富です。また、脂質代謝に関わる「ビタミンB2」は豚肉と牛肉に多く含まれます。そしてうなぎには「ビタミンA」が多く、「ビタミンB1、B2、及びビタミンDやE」なども含みます。このように、肉料理やうなぎ料理には、エネルギーに変える栄養素が豊富に含まれるため、スタミナ料理の代表格となっているわけです。
夏バテに肉は逆効果だった!?
しかし、このスタミナ料理、実は夏バテには逆効果という説もあります。それは、スタミナ料理の多くは、ある面でパワーを使うからです。
例えば、肉料理は、脂肪が多いため、たんぱく質や糖質が主な食品よりも、その消化吸収に多くの時間とパワーを要します。よって、夏バテで胃腸が弱り気味のときに食べると、胃腸へ負担になってしまうのです。
肉の脂身、ソーセージ、ベーコンなどの加工食品は、特に脂肪が多いため、夏バテには逆効果になってしまいます。
夏バテに良いのはむしろお粥だった!
つまり、夏バテ向きなのは、消化吸収の良いものということになります。消化吸収が良いといえば「お粥」。たんぱく質なら、半熟卵や牛乳、大豆製品などが比較的、消化吸収が良いといわれています。胃腸が弱り気味で、夏バテを感じるときは、卵粥に納豆などのメニューがいいかもしれません。
しかし、これではちょっと味気ないという場合は、肉でも脂肪が少ない鶏ささみや牛・豚ヒレ、もも肉などを選ぶと良いでしょう。
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