全国の47都道府県それぞれ比べてみると、さまざまな部分で大きな違いがあることが分かります。例えば、病気の死亡率を見ても、大きな差が生まれています。その理由は、気候や環境のほか、普段の生活の中に根付く、食習慣や生活習慣によるものが大きいと考えられます。
脳血管疾患で亡くなる人の数が、日本全国で最も少ないという香川県。そこには、どのような食習慣や生活習慣があるのでしょうか。
「脳血管疾患」の死亡率が最も低い香川県
先日、MBS系列の情報番組「サタデープラス」で、香川県の脳血管疾患による死亡率の低さにスポットが当てられていました。厚生労働省による「平成22年都道府県別年齢調整死亡率」(PDFファイル)の統計によれば、脳血管疾患である、くも膜下出血や脳内出血、脳梗塞などで亡くなる人の数が、香川県は男女ともに全国47位。つまり、最も亡くなる人が少ないという結果が出ています。反対に、脳血管疾患で最も死亡率が高かったのは、男女ともに岩手県でした。
サタデープラスでは、その岩手県の死亡率の高さの理由として、「塩分の過剰摂取」を挙げています。塩分は、高血圧を導き、血管にダメージが蓄積されるため、脳血管疾患を起こしやすくなるというのです。
香川の塩分摂取量は?
では、香川県の塩分摂取量はどうなっているのでしょうか。厚生労働省のデータによれば、男性平均10.8g/日、女性平均8.8g/日と、特に女性のほうが摂取量が少ない様子。全国平均は男性11.3g、女性9.6gなので、男女ともに少ないほうには入っているようです。
しかし、香川といえば「うどん」。うどんつゆには塩分が多いイメージがありますが、なぜ塩分過多にならないのでしょうか。
その理由として、香川名物「讃岐うどん」には一般的なうどんよりも塩分量が少ないこと、そして「いりこ出汁」の旨味が、塩分摂取にうまくブレーキをかけていることが指摘されています。
「いりこ」の旨味が塩分摂取にブレーキ
塩分摂取量を抑え、脳血管疾患を賢く防いでくれるいりこ。果たしてどんなものなのでしょうか。いりことは、カタクチイワシの煮干しのこと。旨味成分であるイノシン酸が豊富なことで知られており、特に汁物の美味しさを引き立てるのに多く活用されています。
塩分を控えた食事に慣れていない人にとって、いりこを活用した料理は、その旨味から物足りなさが軽減されるといわれています。
塩分が気になる人、脳血管疾患を避けたい人は、いりこを味噌汁やうどんの出汁などに活用してみてはいかがでしょうか。自分で出汁を取るのが面倒な人は、粉末タイプのものもあるので、探してみてください。
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