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育児中に「レベルアップ音」が鳴り響く瞬間むすこの レベルが あがった!

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ライター:赤祖父

1980年生まれ。東京都在住。共働きの妻と2014年生まれの息子と3人暮らしをしている普通のサラリーマン。趣味はインターネットと旅と写真。


 2014年に我が家に男の子が生まれて、一応「親」というものになって数年たつ。子育てブログやマンガなどで勉強させてもらったり、あ〜あるある! と笑わせてもらったり。表現方法もいろいろ、切り口もいろいろある。まさに子供の数だけ子育てのストーリーがあるなと感じている。

 私の場合ひとさまに対し子育てについて何かを語るほどの知見もないし、イクメンなどと名乗るほど育児の負担をしているわけでもない。妻には大変申し訳なくまたありがたいことに、仕事の残業、夜勤や出張で子供のことを完全に朝から晩まで任せたり、趣味と取材を兼ねた一人旅で数日出掛けてしまったり……ということも多い。せいぜい毎朝子供を保育園まで送る役をしている程度なので、妻が寛容なだけで一般的にはむしろ不良の部類であると思う。

 そんな私が育児をテーマにした連載などをして良いのか疑問だが、「良いパパの育児ブログやマンガはいくらでもあるから、そうじゃないのがいい」という。そういう依頼の感じもどうなのかとちょっと思うが、しかし怒られても知らないぞという約束で書かせていただくことになった。どうぞよろしくお願いいたします。

ファンファーレが鳴る瞬間

 私は子育てを通じて、子供が「どう」成長しているのかが常々気になっている。首がすわった、寝返りができた、ずり這いできた……などの成長、言い換えれば「新スキル」の獲得を見るのは子育ての喜びであり醍醐味の1つだ。ある時期に育休を取得しずっと家で育児をしていた経験も含めて思っているのが、そういう新スキルの獲得のほとんどは、想定していたよりも「ある日突然急に」できるようになる(ような気がする)。

 例えば、私の息子の場合は生後11カ月半ほどで、自分で立つことができるようになった。こういうまさに人間として大きなスキルの獲得に向けては、その数カ月前からのつかまり立ち、つたい歩きといった下積み練習を経て成し遂げたものである。全ての成長はこのような努力の積み重ねがあるのかと思っていた。しかし一方では、そんな下積み練習がなく(親から見て気付けていないだけなのかもしれないが)、こちらから見ると急にできたように見えるスキルもある。この階段状のレベルアップは、まさにRPGにおけるファンファーレが鳴った瞬間に見えるのだ。

 自分たちくらいの年齢になると、悲しいかなよほどの経験でも大した経験値は獲得できないしスキルも習得できない。事実として、もう伸びしろがないのである。それに対して子供はささいなことでもジャンジャン吸収し、習得し、学習し、成長する。

 名作RPG『ドラゴンクエスト3』で、新しい商人の街を作るために新規でレベル1の商人のキャラを作って海を越えてそこまで連れて行くというイベントがあった。そのとき、レベル差が30近くあるほかの仲間に連れられて強敵が出る大海原に出る商人は、戦闘を1つ終えるだけでレベルが一気に5くらい上がったりする。これが子育てにおける大人と子供の関係性の1つを端的に表している現象ではないかと私は感じている。そしてそこに(息子からしたら迷惑かもしれないが)漠然と夢と希望を託している自分がいる。

 というわけで、この連載では特に子供のスキルアップ、つまり「これ、いつからできるようになったっけ?」ということに着目してみたいと思う。子育ての先輩方には「あれ? うちはいつだったかな……?」とこれをきっかけに思い返してみて欲しいし、これから子育てという方には「うちの子はこれからどうかな」などと少しだけ意識してもらえるとうれしい。

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