誰もが毎日していることなのに、意外なほど正しい理解がされていないのが「睡眠」です。今回は、睡眠に関する「よくある質問」3つに答えます。
「寝るときに靴下」はOK? NG?
冬場は寝るときに足元が冷えて、毎日靴下をはかないと眠れない――という人も多いと思います。しかし、東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長は「靴下をはいて足を温めると睡眠の質を下げるので、必ず素足で寝ましょう」といいます。
靴下をはくことで足元がしめつけられ、血流が悪くなってしまったり、体温調整ができなくなってしまったりすることがその理由。通気性の悪い靴下を選ぶと、冷えた汗が靴下内にこもってしまうこともあります。どうしても寒くて寝付けないときには、足元をしめつけない緩めのサイズで、通気性の良い素材のものを選ぶと良いでしょう。
ただし、できれば就寝前に足元をよくマッサージして血流を良くし、内部から温めてから休むようにする方が、睡眠の質はより高まります。
「寝るときにマスク」の効果は?
マスクを着けたまま寝ることは、風邪予防や肌の保湿効果があることが知られています。また、それに加えて「ドライマウス」(唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾きやすくなる症状)も予防できます。歯や口腔内の健康を保ち、口臭や虫歯・歯周病予防のためにも、就寝中のマスク着用は効果的なのです。
ですが、一部のデメリットも指摘されています。それはマスク内が不潔になり、雑菌が繁殖してしまうと、ニキビなどができてしまう可能性があること。また、寝返りなどの際に肌とマスクがこすれて、肌トラブルを起こしてしまうこともあります。
空気が乾燥しやすい冬場に、マスクを着けたまま寝ることは1つの解決法です。ですが、上記のようなトラブルを起こしてしまった場合には、着用するマスクの素材や形状に気を使ってみましょう。
眠れないときは「開き直れ」
明日は朝から大事な用事があって、早起きしなくてはならない。そんなときに限って、前の晩、なかなか寝付けないことってありますよね。「眠れない……でも、寝なきゃいけない」と焦る一方。こうした場合、どうすればいいのでしょうか?
多くの睡眠医は、眠れないときの対策として「開き直る」ことが大事だと述べています。眠れないと自覚したときは、無理に寝ようとせず一度布団やベッドから出て、簡単な本を読んだり、リラックスできる音楽を聴いたりして眠くなるまで待ちましょう。
日本睡眠学会の内山理事によれば、暗いところで一人で悶々と考え事をしていると、本能的に警戒心が高まり、悪い方向にばかり考えが向かってしまうのだそう。そのような非生産的な考えを断ち切る意味でも、開き直って、早々に切り上げたほうが良さそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「寝るときに靴下」はNG! 「寝像が悪い」「いびきがうるさい」人が睡眠の質を上げるには
「寝相が悪い」「いびきがうるさい」そう指摘されている人は、睡眠の質が下がっている可能性が高いです。睡眠の質を上げるには、どんな寝相がいいのでしょうか? - 寝ている間のマスク、意外な効果
寝るときにマスクを着ける美容法が女性たちの間で広がっていますが、実は美容以外の効果もあるのです。 - 「寝る前の考え事」は危険? 睡眠過剰反応の罠
夜なかなか寝付けないとき無理に眠ろうとするとかえって眠れなくなります。そのメカニズムと対処法をご紹介します。