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“Cell”プロセッサの概要明らかに――マルチコアで4GHz超え

» 2005年02月08日 08時24分 公開
[ITmedia]

 IBM、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)、東芝の3社は共同開発中のマイクロプロセッサCell(コードネーム)のマルチコアアーキテクチャを初めて明らかにし、クロック速度が4GHz以上になることも発表した。

 3社がISSCCで発表したプロトタイプチップは221平方ミリの大きさに2億3400万個のトランジスタを集積し、90ナノメートルSOIテクノロジーで製造されている。

 Cellには8基のSynergistic Processorコアを搭載し、ハードウェアテストで計測したクロックスピードは最大で4GHzを超える。浮動小数点演算を重視したマルチコア設計が大きな特徴となっている。

 性能に関しては、エンターテインメントおよびリッチメディアの多くのアプリケーションで最新PCプロセッサの10倍のパフォーマンスを出しているという。用途としては、ホームサーバからスーパーコンピュータまで幅広く想定。

 Cellは、Linuxなどの既存OS、ゲームや家電などのリアルタイムOS、そして特定用途向けのゲストOSを同時に走らせることが可能だ。

 Cellプロセッサはまず今年、ニューヨーク州イーストフィッシュキルにあるIBMの300ミリウエハー工場で製造され、次にソニーグループの長崎工場で製造開始される。

 ソニーの執行役副社長でSCEの社長兼グループCEOである久夛良木健氏は「Cellがドアを開けたことにより、コンピュータサイエンスの新たな章が始まろうとしている」と述べた。(→詳細記事

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