地震、その時Yahoo!は “もしも”に備えあり、チームワークで支えた23億6500万PV:今こそIT・ネットの出番(2/2 ページ)
Yahoo!JAPANは地震後、関連情報をまとめて分かりやすく伝え、ポータルサイトとしての存在感を見せつけている。3月14日には過去最高の23億6500万PVを記録。70人の特別チームが24時間体制で支えている。
東名阪に70人 24時間開発OKの緊急体制へ
週が明けた14日、同社の喜多埜裕明COO(最高執行責任者)の呼びかけで、Yahoo!は「第2次緊急体制」を敷いていた。エンジニア、Webデザイナー、ディレクター約70人を東京、名古屋、大阪の3カ所に配置。あらゆるニーズに対応するため、24時間いつでも開発からサービス提供までできるシフトを組んだ。
東京オフィスの会議室は、震災関連サービスを開発するための特別室に変身した。担当者は普段のデスクを離れ、今も特別室で業務にあたっている。前方にはNHKの映像を常に流す大型のスクリーン。毛布や食料も部屋に用意し、昼夜なく運営にあたるという覚悟を感じさせる。
「Yahoo!のコンセプトは“ライフエンジン”。人の生活のあらゆる局面で役に立ちたいと思っている。災害のときもさまざまな角度から何か助けになるものを用意したいという思いだ」と、同社メディア事業統括本部メディア企画部の川邊健太郎部長は語る。
14日は東京電力の計画停電がスタートした日だ。Yahoo!は前もって節電情報のまとめページを公開。その後、検索結果にも停電情報を表示するようにした。
だが、Yahoo!が情報を集約して発信しても、リンク先の東電や自治体サイトはアクセスが集中してつながりにくい事態に。そこで公共性の高いサイトのミラーサイトを用意。Yahoo!自身もこれまでにない大規模なアクセスに耐えながらサービス開発を続けていた。
Yahoo!全体のPVは14日に過去最高の23億6500万を記録した。それまでの記録はワールド・ベースボール・クラシック決勝戦が行われた09年3月24日の20億3000万PV。今年2月の平均16億3500万PV/日も大幅に上回っていた。「情報をどこで得ればいいんだ? というニーズがとても高まっていたように思う」と高田部長は振り返る。
節電情報のまとめページだけでも14日は3000万PVに。Yahoo!ボランティアの募金ページは通常の100倍にあたる400万PVに達した。募金額は4月5日までに13億円を突破、募金人数は85万人に上っている。募金するともらえるチャリティー壁紙を提供したいという申し出はYahoo!に数百件寄せられている。
Yahoo!が今強く意識しているのは、いかに震災関連の情報を分かりやすく提供するか――ということだ。東京電力が公開した電力使用状況データをより分かりやすく伝えるため、メーター風グラフを作成し、Yahoo!トップページに掲載する試みも続けている。
首都圏では今夏、電力不足で計画停電が避けられない見通しとなっている。いかに電気を使わず、夏を涼しく過ごすか――注意喚起のためのサイトの準備もすでに進めているという。ボランティアや復興支援、ハザードマップといった情報も充実させていく計画。Yahoo!はポータルサイトとしての存在感を放ち続ける。
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