ティラノサウルス対トリケラトプスの全身復元骨格組み立てに潜入してみた:6550万年前の因縁蘇る
7月2日から開催される「恐竜博 2011」で展示されるティラノサウルスとトリケラトプスの全身復元骨格ってどうやって組み立てているの? 世界初公開や新発見も盛りだくさん!
7月2日から10月2日の期間、東京・上野公園の国立科学博物館で開催される特別展「恐竜博 2011」に展示される、ティラノサウルスとトリケラトプスの全身復元骨格の組み立てが公開された。
ティラノサウルスとトリケラトプスといえば中生代白亜紀末期に生息した恐竜界の2大スター! 「恐竜博 2011」では両者が対決するような姿で再現されるという。小さい頃から恐竜の図鑑をこよなく愛した記者としては行かないわけにはいかない。
「恐竜博2011」ではティラノサウルスとトリケラトプスだけでなく、最近5年間に新種として発表された恐竜の実物化石も国内初公開される。本展ではアロサウルスやステゴサウルスといった人気のある恐竜の最新研究成果も発表される。
組み立ての現場にお邪魔した時はティラノサウルスを終え、これからトリケラトプスに取り掛かろうとしているまさにその時だった。カナダから輸送された木箱を開けるとパーツごとに梱包されたトリケラトプスの骨が現れる。なお、公開された組み立ては、事前におおまかな部位ごとに固定された状態のもので行われた。
組み立て後には、本展監修を務める真鍋真氏による解説も行われた。やはりポイントはティラノサウルスの待ち伏せ状態での展示と、トリケラトプスの前足について。死肉を食べていたとも言われているティラノサウルスだが、同時代のトリケラトプスの骨に治癒しているティラノサウルスの歯型が残っていることや、こうして待ち伏せ状態ができることが分かったことで、捕食者説を本展では採用していることを説明した。トリケラトプスの先祖が二足歩行から背の低い草を採取するように四足歩行へと進化していったことから、従来のガニ股ではなく小さく前ならいをしたような前足だったことを解き明かしたとも。ティラノサウルスに体毛があったとする説を採用したCG映像も公開されるという。
ちなみに今回の「恐竜博 2011」では、ファソテックの技術協力のもと3Dプリンタによる恐竜の化石レプリカを復元している。Objet Geometriesの「EDEN」をはじめとした3Dプリンタは、発掘した化石をスキャンしたデータから簡単にレプリカを造形できるとして、研究機関から期待が集まっている。今回、アルバロフォサウルスや鳥(レア)の前肢レプリカが復元され展示される。こちらも注目してもらいたい。
なお、「恐竜博 2011」ではティラノサウルスやトリケラトプスとは別に、三畳紀のプラテオサウルスとエオドロマエウス、ジュラ紀のアロサウルスとヘスペロサウルスと各時代のライバルたちが対峙して展示されるのも見どころ。恐竜の色が分かるきっかけとなった羽毛恐竜アンキオルニスや新種の肉食恐竜ラプトレックスの化石を展示。始祖鳥の実物化石(サーモポリス標本)も日本初公開される(7月2日~7月10日の期間)。
- 「恐竜博 2011」
- 開催期間:7月2日(土)~10月2日(日)
- 開催会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
- 会館時間:午前9時~午後5時(8月11日~8月17日の期間は午後6時まで)
- 休館日:7月4日、7月11日、9月5日、9月12日、9月20日、9月26日
- 料金:一般・大学生 当日1500円/前売・団体1200円、小中高校生 当日600円/前売・団体500円(※水曜限定レディース券1000円)
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