桜島の噴火警戒レベルを4から3へ引き下げ、気象庁が発表 火山活動は前の状態に戻ったと判断
大規模な噴火への警戒は、約2週間で解かれることとなりました。
気象庁が9月1日16時、鹿児島県の活火山・桜島の噴火警戒レベルを4(避難準備)から3(入山規制)へと引き下げました。火山活動はレベル4に引き上げた8月15日以前の状態に戻っているとの判断からです。
桜島は15日に島内を震源とする地震が多発し、山体膨張を示す急激な地殻変動が観測されたため、噴火警戒レベルが運用開始の2007年以来初となる4へと引き上げられました。以降レベルに変わりはなく、これに警戒して鹿児島市も九州最大級の花火大会を中止するなど、県内に影響を及ぼしていました。
気象庁によると、16日から島内の南岳直下あたりで多発していた火山性地震は急減して、今年1月以降の活動時期と同じくらいになったとのこと。傾斜計や衛星で地殻変動を観測しても、17日から地盤の隆起は見られませんでした。よって南岳の地下に貫入したマグマが浅部へ上がってくるのは停まり、深部から新たなマグマが貫入することもないと、庁は判断。19日からごく小規模な噴火も観測しましたが、従来桜島で観測されたものと同じ規模だと考えられるそうです。
これらのことから桜島は以前の火山活動に戻っているとし、9月1日に火口周辺警報を発表して、噴火警戒レベルを3に引き下げました。なおレベル3における防災上の警戒事項は、昭和火口・南岳山頂火口から約2キロ内では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石および火砕流に注意するといったもの。爆発的噴火の際には大きな空振によって窓ガラスが割れる恐れがあるそうです。気象庁では、引き続き火山活動の変化を注意深く監視していくとしています。
(黒木貴啓)
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