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民放5局の無料番組配信サービス「TVer」始動 魅力は“公式ならではの安全性” 各社のビジネスモデルは?

キー局5局が放送後の番組を無料配信するキャッチアップサービス「TVer」が10月26日にスタート。記者発表会で詳細が説明された。

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 10月26日、日本テレビ・テレビ朝日・TBSテレビ・テレビ東京・フジテレビジョンの在京民放5社が、放送後のテレビ番組を無料で動画配信するポータルサービス「TVer(ティーバー)」をスタートさせた。5社が共同で動画配信サイトを運営するのは初。記者発表会ではサービスの詳細やビジネスモデルが明かされるとともに、5局のアナウンサーとイメージキャラが一堂に集う珍しい姿も見られた。

各局のアナウンサーとキャラクターが集結。左から日テレ・後藤晴奈、テレ朝・久冨慶子、TBS・国山ハセン、テレ東・野沢春日、フジテレビ・三上真奈(敬称略)

 TVerは5社がそれぞれ約10番組ずつを、放送後に一定期間限定で無料配信するポータルサービス。見たい番組を見逃しても、SNSで話題になっている番組を録画していなくても、放送後に網羅できるという意味で“キャッチアップ(巻き返し)サービス”と称された。パソコンからはTVerの公式サイトで、スマートフォンやタブレットからは公式アプリで視聴ができる。

国山アナが手元でTVerのアプリを操作し、画面をスクリーンに映して操作方法を説明

 番組は無料だが、再生すると冒頭で15秒~30秒の広告動画が流れ(スキップは不可)、その後本編が見られる。スマホからは日本テレビ・テレビ朝日・TBSテレビ3社の番組はTVer内で番組を再生できるが、テレビ東京・フジテレビジョンの番組はそれぞれ局専用の再生アプリを事前にダウンロードしなければ視聴できない。

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 検索画面では番組名だけでなくタレント名で番組コンテンツを探すことが可能。マイリスト機能も備え、番組名やタレント名を登録しておき、プッシュ機能で該当の番組を通知してもらえる。また気に入った番組をワンタッチでSNSへシェアできるほか、ポータル内で各局の番組表や番組情報も無料で提供している。

TVerのAndroid版アプリ。左から、番組の「新着」一覧、「注目」一覧、検索画面

 ビジネスモデルに関しては、TVerそのものは5社共同で運営しながらも、それぞれ局ごとに番組編成や営業などビジネスをどう展開していくか独自でやっていく仕組みだ。例えばTBSでは、従来のTBS番組配信サイト「TBS FREE」に、他局への番組販売、これらにTVerを加えて、今後どういう形でビジネス考えていくかを検討中だという。視聴率の代わりに番組の再生回数も記録し、5局で共有していく。

 番組の配信サービスはすでに各局行なってきたが、ここに来て5局が共同で取り組む理由はどこにあるか。質疑応答では「視聴者の利便性からして、5局でまとまることに非常にメリットがあるかなと思います。番組がどこの局だったのかはなかなかわかりにくい。スマホで各局の番組アプリをダウンロードするよりも、まとまった1つとして見てもらったほうがいいはずです」とTVer側から返ってきた。

TBSテレビ常務取締役の河合俊明さん

 また代表あいさつでTBSテレビ常務取締役の河合俊明さんは、「TVerは民法公式です。ここにあるコンテンツはCMも含めて、すべて安心安全、無料で高画質です。ぜひ安心してお楽しみください」と、サービスの安全性を訴えた。その後のサービスのプレゼンテーションでも、公式配信なのでワンクリック詐欺やウイルス感染に遭わない利点を説明。テレビ番組の違法アップロードが常態化している現在のインターネット。TVerでは、ネット犯罪やウイルスの被害に遭わずに無料で番組を見られる「公式ならではの安全性」をサービスの大きな売りとしているようだ。

 今後は、地方局といった5局の系列局の番組を配信することで番組数を増やしていく予定だという。反響次第ではネットやアプリだけでなく、テレビへの配信も視野に入れるとのこと。

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「昨日のテレビドラマを見逃したなぁというとき、SNSで盛り上がっている番組はどこの局だろうと気になるとき、ちょっと時間が余っているなぁというとき。これからはまずTVerをタップしてみてください。何かおもしろい番組があると思います」(河合)

各アナウンサーが、TVerで配信中の番組を1人30秒交代でPRしている様子

黒木貴啓

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