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「薔薇の名前」のイタリア人作家、ウンベルト・エーコ死去 遺作「ヌメロ・ゼロ」の国内発刊が決定

河出書房新社より今秋発刊。ミラノの新聞社の腐敗したジャーナリズムに迫るミステリー小説となります。

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 世界で1000万部以上売れている小説「薔薇の名前」のイタリア人作家、ウンベルト・エーコさんが2月19日にガンにより死去。河出書房新社は22日、国内で未刊だったエーコさんの最後の作品「ヌメロ・ゼロ」を、今秋に刊行することを発表しました。

米国で発刊されている「Numero Zero(ヌメロ・ゼロ)」表紙

 エーコさんは1932年、伊ピエモンテ州生まれ。中世哲学や美術学、記号論学などさまざまな分野で名を馳せながら、1980年に作家デビューとして発表したミステリー小説「薔薇の名前」で伊文学最高賞のストレーガ賞を獲得。14世紀の修道院で次々と起こる連続殺人事件を描いた作品で、ショーン・コネリーさん主演で映画化もされました。このほか小説「フーコーの振り子」や哲学書「記号論」など多分野の著書で高い評価を得ています。

「薔薇の名前」上巻表紙、エーコさんの顔写真が載った文学入門書「小説の森散策」表紙

 「ヌメロ・ゼロ」は2015年5月にイタリアで刊行されたミステリー小説。発刊からすぐさま25万部突破し、世界74カ国で翻訳が開始されています。「握りつぶされた真実を告発する新聞」を創刊しようとする、あるミラノの新聞社編集部――その発行の裏側にあった歪んだジャーナリズムの恐ろしい陰謀に迫る物語です。河出書房新社は「情報社会にどっぷりと漬かる我々の思考の危うさに警鐘を鳴らす、まさにいま、読んでほしい小説」と紹介しています。

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 邦訳は中山エツコさん、2016年9月に発売予定。予定価格は2000円(税別)です。

黒木貴啓

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