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寿司に野菜に楽器……リアルすぎる「おもしろ消しゴム」ってなんだ?(2/3 ページ)

集めたい。

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まるで精密なパズル。海外ではパズルイレイサー(分解できるパズルのような消しゴム)として浸透中

 キレイに発色させるためにも、上から塗料で塗りつけるのではなく、色ごとにそれぞれのパーツが別の金型で作られています。そしてその金型はなんと一つ約150万円……! 例えば7つのパーツで作られている消しゴムならば、総額1000万円越えです。

複雑なパーツで構成されているお弁当
ケチャップもご飯の中の梅も分解できます

 サッカーボールもこの通り……。

ここまで細かく分解できる

 どんなに細かいパーツでもこだわり抜きます。

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めっちゃ小さくてかわいいエビ天

 小指の爪ほどの「エビのてんぷら」も、しっぽと本体に分かれて……

ゴマ三粒くらいの大きさの尻尾

 「ここまで分解できるの?! と驚かせたい」と語る岩沢さんですが、まさに思惑通り。これほど細部にこだわっているエビ天の消しゴムはほかにないのではないでしょうか。その精巧さに世界各国からも日増しに注文が増え、パズルイレイサーとして全国でじわじわとファンも増やしているとか。もはや立派な“クールジャパン”の一つになりつつあるようです。

消しゴムのモデルは“本物”を用意する徹底ぶり!

 ちなみに「さまざまなジャンルのおもしろ消しゴムを作るには、まずデザイナーさんたちと何度も会議を繰り返しながら質感やリアルさを追求します」と語る岩沢さんですが、写真やイメージだけでデザインを考えるわけではありません。なんと元のモデルとして使うのは大半が“本物”をみながら考えるのだとか。

まずは元になるデザインを粘土で作ります

 「写真やイメージだけでは、どうしても本物の質感やリアルさが伝わらないんです。だから食べ物系ならデザイナーさんのところにケーキかカレーライスを作って持ち込んだり、野菜や中華料理なども全部本物を見せてデザインを考えます。ときにはお寿司屋さんに一緒に行って食べながら構成を考えたり、動物園に行くことも……。写真や絵を見せて“なんとなく”という曖昧なことをすると、作品自体がぼんやりしてしまうので、なるべくしないようにしています」(岩沢努さん)

 時期的に本物が用意できないときは、本物に限りなく近いサンプルをわざわざ買いに行くこともあるとか。

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過去に、とうもろこしのサンプルを買いに走ったという創業者の岩沢善和さん

 しかし、本物に近づけられればそれで良いというわけではありません。

「本物さだけを求めてしまうと、それはただのフィギュアになってしまって、おもしろ消しゴムならではの可愛さやユーモアが消されてしまいます。だからただ縮小すればいいというわけではなく、本物の質感やリアルさを追求しつつも、同時に可愛らしさあるデフォルメをできるようにバランスに気を付けているんです」(岩沢さん)

 この繊細なバランスが、子どもから大人まで万人のハートをわしづかみにしている理由の一つなのかも知れません。

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