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エロはアートだ! “秘宝”だらけの展覧会「都築響一 presents エロトピア・ジャパン展」に潜入してきた

「無駄な方向に努力をしていくのが日本のエロクリエイティブ」(都築さん)

 ラブホテルやイメクラ、秘宝館、そしてラブドール……。そんな日本の“エロ”文化が集まった展覧会「『神は局部に宿る』都築響一 presents エロトピア・ジャパン展」が6月11日から東京・渋谷のアートスペース「アツコバルー arts drinks talk」で開催されています。

今回の仕掛人・都築響一さん

 「日本人はエロに関してものすごく進んでいる。特に地方でね。今回は、日本のエロクリエイティブをまとめた初めての展覧会。クールジャパンなんかやめて、日本ならではの特質を知って欲しい」

 そう語るのは、この展覧会の仕掛人で写真家・編集者である都築響一さん。さまざまな珍スポットや、無名のアーティスト達を長年かけて取材してきた彼が見てきた「日本のエロ」を展示しています。

 単なる性処理だけが目的ではない、独自の進化を遂げてきた日本のエロ。そんなエロがなぜかアートに見えてしまう。そんな不思議な感覚になれるのがこの展覧会です。

 内覧会にお邪魔したので、早速見ていきましょう。

「神は局部に宿る 都築響一 presents エロトピア・ジャパン」 入り口
まず出迎えてくれるのは2000年に閉館した鳥羽国際秘宝館/SF未来館にいた女の子。確かに未来っぽい
壁に展示されたラブホテルの写真たち。都築さんによると「ベッドを回転させて実際に喜ぶ人はいない。むしろ酔う。本来の目的とはずれた、無駄な方向に努力をしていくのが日本のエロクリエイティブ」とのこと
流れるすべり台がついてたり
貝のお風呂だったり
椅子が互いの方向に勝手に動いてくれたりもする。疲れた体にやさしいね
都築さんによると、法律の規制などにより、このようなデザインのホテルは絶滅寸前で、ここで紹介しているホテルの9割は既になくなっているという。「今はこのような遊び心のあるラブホテルを作ることができないので、みんなで手分けして、どんどん地元のラブホ街再発見をしてほしい」(都築さん)
次に並ぶのが全国の秘宝館写真。ここでは11館を紹介しているが2館をのぞいて全て閉館してしまったとのこと
性技の使者、スーハーマン!!!
会場には、鳥羽の国際秘宝館・SF未来館から都築さんが譲り受けた人形たちが
FRP(繊維強化プラスチック)製の人形は当時1体50万はしたそう。秘宝館は巨額の資金をかけた施設だったらしい
確かにキレイだ。秘宝館に訪れていたのは大半が女性だったとのこと
引き込まれる
こちらも未来感ただよう2人
透き通ってます
遠くを見てます
なんとも不思議な雰囲気をかもしだしているオブジェと映像。流れている映像コレクションは、鳥羽の秘宝館が閉館する際に都築さんが自費で作ったものだそう
くびれの感じいいですよね
頭側から見るとこんな感じ。「秘宝館は時代とともに閉館していますが、それらの施設は欲情を誘うのではなく、むしろ笑いを誘う施設だったそうです。実際に秘宝館の来場者は男性よりも女性が多く、笑いながら楽しんでいたとのこと。「性をそういう風に捉えることができる日本人の感覚のすごさを実感してほしい」(都築さん)

独自の進化を遂げた日本の性風俗がそこにあった

西川口の風俗店「ザ・バキュームエステ『プッシー』」のサイトに掲載されていた客引きのテキスト。「すごいグルーヴだよね。このままラップにしてほしい」と都築さんをうならせたこのお店も、今は存在しないらしい
こちらはイメクラ(イメージクラブ)の写真たち。日本が産んだ独自の性風俗の1つ。部屋を選び、女の子を選んで入室。自作の台本を持ち込み、女の子との読み合わせから行う人もいるそう
「イメクラは観客がいない場所で行われている演劇。個人の持つ妄想を再現するために用意された完璧なシミュレーションアート」(都築さん)

ドール本棚から触れるドールまで! オリエント工業の珠玉のドールを展示

そして最後はラブドール。オリエント工業のドールが展示されています
こちらはドール本棚。棚を外せばちゃんとドールとしても使えるそうです
触れるラブドールも用意してあります。ちゃんとウェットティッシュで指を拭いてから触ってね
望月かおるちゃん(ラブドールの名前)です。か、かわいい。ちょっと緊張してきますね
いざ!!! や、や、やわらかい!!!!!
あ、えっと。じゃあ……(あとは想像におまかせします)
かおるさん、ありがとうございました

 その他、会場には無名ではあるものの「性」を一生楽しんだ達人たちの写真を展示している他、都築さんの写真集やTENGAグッズなどが販売されています。

 なお、来場者にはTENGAオリジナルコンドームも配布されています。

神は局部に宿るのか……?

 最後に、都築さんにお話を聞いてみました。

都築響一さん

―― この展覧会を見ていると、なぜかエロがアートに見えてくるような不思議な感覚を覚えます。そもそもアートって何なんでしょう?

都築:
 さっきのラブホテルもそうだけど、本当は動くベッドって必要ないんだよね。ベッドが回転したり動いても本人は気持ちよくはない。でも面白いからやってみようっていうのがアートだよね。必要はないけどやってる。その「けど」がアートで「けど」を許さないのがデザインだと思うんだよね。
 高級ホテルですらできないようなことをラブホテルはやすやすとやってたりする。普通はクリエイティブな人たちがスゴいと思われがちだけど、逆なんだよね。一般人の方がはるかにスゴいことをやってると伝えたいよね。

―― これから来場される方に一言

都築:
 恐らく女の子の来場者が多いと思うけど、男の子も恥ずかしがらずに来てほしい。あと、今回展示しているラブホテルなどは地方文化だと思う。だから今回の展示を見て「自分の地元にそういうものがある」って気付いてくれたら一番うれしいね。

―― 最後に、神は局部に宿るんでしょうか……?

都築:
 まあ、ダジャレですけどね(笑)。でも頭ばっかで考えてると見えてこないものが、下半身で見ると見えてくるとか、そういうところに日本の可能性があるんじゃないかな。

―― ありがとうございました!


 日本が作り出し、そして今また消えようとしているエロの独自性を、あらためて感じることができるこの展覧会。すぐ裏手にはラブホ街が広がり、隣にはBunkamuraがある渋谷の街角で「本当の文化はどこにあるのか?」と、ぜひこの感覚を味わってみてはいかがでしょうか。

※モザイク加工は全て編集部によるもの

「神は局部に宿る」都築響一 presents エロトピア・ジャパン展

会期:2016年6月11日(土)~7月31日(日)

会場:東京都 渋谷 アツコバルー arts drinks talk

時間:14:00~21:00(日曜と月曜は11:00~18:00)

休廊日:火曜

料金:1000円

ホームページ:http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2016/0611_3709.php

スペシャルイベント

7月1日(金) 18:30 OPEN 19:30 START

「都築響一 presents エロトピアの夜」@サラヴァ東京

前売3500円(1drink+抽選券付)

当日4000円(1drink+抽選券付)

一部:ギャラリートーク

二部:はぐれAV劇場「抜けないAV」トーク&上映

三部:お色気レーザーカラオケ大会 & 抽選会 (豪華エログッズが当たります!)

メール・電話予約:mail:ab@l-amusee.com / tel:03-6427-8048(営業時間内のみ)

会場は、同ビル地下1階のサラヴァ東京です。

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