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JR東海が新たな新幹線「N700S」を2020年に投入 新駆動システムで消費電力7%減、全座席にコンセントも

先頭形状は「N700」を踏襲しながら“翼を広げたような形”に。

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 JR東海は、東海道・山陽新幹線に新型車両「N700S」を投入することを発表しました。2007年に営業運転を開始したN700系以来のフルモデルチェンジとなり、2018年3月に完成、2020年に運転開始する予定です。

「N700S」の先頭形状「デュアル スプリーム ウィング形」

 「N700S」の名称は、東海道・山陽新幹線車両として定着している「N700」に、N700系シリーズ最高を意味する“Supreme”の「S」を付けたものです。

 主な特長の1つは、開発した新技術による安全性・安定性の向上と、省エネルギー化。低損失かつ高温下でも動作できる次世代半導体「SiC(炭化ケイ素)素子」を、駆動システムに採用。さらに同社独自の走行風冷却の技術を組み合わせ、駆動システムの大幅な小型・軽量化を実現させます。自動列車制御装置とブレーキシステムも改良し、地震時のブレーキ距離も短縮させます。

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「N700S」に採用される新技術とその効果

 環境性能も向上。新たな先頭形状「デュアル スプリーム ウィング形」は、N700系の「エアロ ダブル ウィング形」を踏襲しながら双翼を広げたような形に進化させたもので、トンネル突入時の騒音や走行抵抗の低減を図ります。これにSiC素子駆動システムも加わり、消費電力量をN700Aと比較して7%削減することを見込んでいます。

N700系の「エアロ ダブル ウィング形」(左)とN700Sの「デュアル スプリーム ウィング形」(右)
床下機器の配置が最適化されることで、さまざまな編成が可能に

 さらには小型・軽量化を徹底することで、車両の床下機器の配置を従来不可能だったレベルで最適化させます。これによって16両編成の基本設計のまま、12両、8両などさまざまな長さの編成や線区に簡単に適用できるように。高品質な車両が低コストかつタイムリーに、国内外問わず提供可能になる予定です。

 このほかモバイル用コンセントをグリーン車だけでなく全座席に設置したり、車体の揺れをより押さえる「フルアクティブ制振制御装置」をグリーン車に搭載して乗り心地を改良したりと、さまざまな面で性能・機能を向上させます。

モバイル用コンセントも全座席に
「フルアクティブ制振制御装置」

 すでに「N700S」に向けた確認試験車(16両)の製作も決定。新技術の最終確認を行い、その後は東海道・山陽新幹線のさらなる技術開発の推進に役立てる試験専用車として活用します。

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