ネット番組「なんでもあり☆」のスタッフ募集が2カ月無給で物議 AbemaTVのブラック求人との誤解も
タレントを集めるために予算が圧迫され、スタッフには交通費のみ支払い。
11月からスタートするネット番組「なんでもあり☆」のスタッフ募集が、ブラック過ぎると物議を醸しています。放送開始に合わせてカメラマンやディレクター、メイク担当などを募っているのですが、2カ月にわたって無給という内容になっています。
「なんでもあり☆」は、動画配信プラットフォーム「FRESH! by AbemaTV」で放送を予定している、出演者自身が企画をプレゼンし、映像制作を行うバラエティー番組。スタッフ募集ページによれば、毎回15~20人のタレント、役者などが出演する構成により予算が圧迫されており、11月と12月の2カ月間、スタッフに支払われるのは交通費のみとなっています。
カメラマンは業務用のカメラを持っており、使用できる人が望ましいとしていることから、Twitter上では「業務用カメラを持ってるような人材を無給で働かせるのはおかしい」「カメラすら用意してないのか」「スタッフの扱いが雑すぎてかわいそう」と批判が殺到。各種まとめサイトでは「AbemaTVのとんでもないブラック求人」として記事化されています。
この件についてAbemaTVに話を聞いたところ、「なんでもあり☆」は外部の企業が自由に制作を行っている番組であり、詳細を把握していないとのこと。スタッフ募集ページに「AbemaTV(なんでもあり☆)キャスティング担当本部」という表現があることなどから、同社が募集しているように勘違いされていると指摘したうえで、該当の制作会社に連絡をとり、対応を行っているとしました。編集部は、さらに制作会社の社名などについても問い合わせています。
ちなみに、今回のスタッフ募集は労働基準法などに反しないのでしょうか。東京労働局に聞いたところ、募集条件の中には「皆様の予定もあると思いますので、(収録は)参加できる日のみの参加で大丈夫です」という1文が見られ、業務契約を結ぶつもりがあるのか、ボランティアを募っているだけなのか判断しにくい内容だそうです。
最初はボランティアとして撮影に協力してもらい、ギャラが支払われる1月から雇用契約を結ぶ方法が考えられますが、たとえ最初の2カ月間が無給でも労働者本人が納得して契約するならば違法性はないそう。しかし、「それだと応募者が現れないのではないでしょうか」といぶかしそうにしていました。
また、カメラマンの私物のカメラを撮影に使用する場合は、故障時の費用負担などについて明確にしないとトラブルに発展する可能性があります。違法性の有無を即断することはできないものの、契約の際には労使ともに気を使う必要がありそうです。
28日19時追記
AbemaTVは該当する配信事業者に対し、無断での同社サービスのアイコンやロゴ画像掲載、サービス名称を表記したとして、削除・修正を依頼し、厳重に注意したとのこと。当該の求人ページは現在削除されています。また制作会社がどこかについては明かせないとしています。
(マッハ・キショ松)
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